24時間体制で医療を提供する『ダイナスティメディカルセンター』は、戦闘が続くウクライナ東部ハルキウにあります。今年の冬は最低気温がマイナス20度近くまで下がるなど、例年になく厳しい冷え込みが続き、暖房無しで生活するのは極めて困難な状況となりました。さらに、激しい爆撃により発電所などのエネルギーインフラが破壊され、停電が半日以上続くことが頻発しています。その間、多くの家では暖房が使えません。そこで、同センターは一時的に暖を取る場所として施設を住民に開放したほか、爆撃などにより家の暖房が使用できない住民には、暖房設備の整ったアパートを紹介するなど、医療の枠を超えた支援も行っています。
並行して、同センターは医療の提供も続けています。爆発音によって引き起こされる鼓膜穿孔や爆撃で飛散したガラス片などによる顔面外傷といった戦闘に起因する外傷に加え、特に小児患者の間では、冬に感染症や耳の感染症、アデノイド肥大も増加しており、手術が必要となるケースもみられました。また、経済的に困難な患者へは無償で医療を提供しており、一か月あたり40人~50人を無料で診察し、約10人に無償で手術を行いました。
平穏とは程遠い環境にあるものの、ハルキウにおける日常生活への影響は限定的です。為替の影響で物価は上昇しているが、医薬品や食料、生活必需品は普段通り入手できます。一般家庭向けの電気料金に大きな変化はない一方、事業者向けの電気料金は今年に入り2倍に上昇しました。公共交通機関は無料で利用できます。停電は依然として発生しているものの、エネルギー関連の作業員や市の関係者の尽力により復旧は迅速に進められており、都市機能は維持されています。
同センター長に日常生活について尋ねたところ、「できる限り普段通りに過ごすようにしています。ハルキウの人はクリスマスシーズンには、綺麗に彩られた街を散策し、今年は雪に恵まれたことから、地雷が埋まっていない、安全が確認された場所でクロスカントリースキーを楽しんだり、友人と会ったりしています。このような厳しい状況下においても、人々はできる限り日常を維持し、一日一日を大切に生きています。」と教えてくださいました。



