2013年度年次報告 人材育成事業(2014/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2013年度年次報告 人材育成事業(2014/7発行)

2013年度年次報告 人材育成事業

第3回「おかやま国際塾」スリランカ研修


小学校で手洗いの講習を行う塾生ら

◇実施場所 (国内研修)岡山市(海外研修)スリランカ民主社会主義共和国コロンボ
◇実施期間 (開講式)2013年6月16日(国内研修)6月16日〜8月20日(海外研修)8月21日〜28日
◇派遣者
参加者:岡山県内大学生3名(岡山大学法学部2人、医学部1人)
引率者:岩本智子 AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成 コロンボ大学生

◇事業内容
「おかやま国際塾」とは、おかやま国際塾実行委員会が行う事業で、その委員会はAMDAと岡山大学教員と共同で運営されている。AMDAと岡山大学は2005年8月に国際社会貢献活動及び人材育成の推進を目的とし、連携協力に関する協定書を締結している。同協定がきっかけとなり、2011年からおかやま国際塾がスタートした。2011年にはモンゴル、2012年にはインドネシアで現地研修が行われた。3回目となる2013年の現地研修は、スリランカで行われた。

2013年6月16日の開講式から8月21日の出発までの2か月間は、国際塾生の3人が主体となり、スリランカの協力団体との調整、英語のプレゼンテーションや衛生教育の準備、スリランカと日本の関係や歴史の勉強をした。現地研修は8月21日から28日の8日間で行われた。おかやま国際塾3期生は、まずコロンボ大学の学生と共にスリランカ国立病院やコロンボ大学医学部を見学し、スリランカの医療事情を学んだ。次に、スリランカ全土で活動を展開するNGO「サルボダヤ」を訪問し、サルボダヤの活動を学んだ後に「スリランカと日本のかけ橋」という発表を行った。さらに、小学生から成人した大人まで幅広い年齢層の障害者が居住するカミラ学校では、塾生が歯磨きと手洗いの衛生教育を行い、紙ひこうきを作って交流した。8月23日から25日には、AMDAがコロンボで開催した「2013年スリランカ医療和平プログラム?(スポーツ・文化・宗教交流)」に参加し、日本の中学生とスリランカの3民族の中学生が交流する場に立ち会った。

◇参加学生の声
「この研修がなかったら、私はこんなにもスリランカに思いを寄せることはなかったし、自分の将来に向けて方向性を定めることもなかったと思います。この研修に関わってくださった方々、スリランカの人々、国際塾のメンバーなど、皆さんのおかげで貴重な経験ができたことに感謝しています。来年は、私が国際塾の4期生メンバーの手助けをする側として力になりたいと思います。」
「この経験をきっかけに、多様性とは何か、ということをもっと深く学ぶべきだと感じました。将来的に国際協力に携わりたいと考えていますが、今回がその一歩ではないかと思います。今回の研修で得たものを発展させて、学びを深め、次の行動につなげていきたいです。」

◇協力機関
岡山大学法学部、
スリランカ国立病院、
コロンボ大学医学部、
NGOサルボダヤ、
カミラ学校

ネパール人医師・看護師 日本国内研修


国際医療貢献フォーラムにて

◇実施場所 岡山県立大学、総社市役所
◇実施期間 2013年 12月8日 〜17日
◇招へい者 ラメシュワール ポカレル 医師 ネパールトリプバン大学上級小児外科・岡山県立大学大学院非常勤講師 /パルバティ. シュレスタ  看護師 アムダ病院看護部長・ダマック /ビシュヌ マヤ タパ  看護師 シッダールタ母子専門病主任看護師・ブトワール

◇事業内容
2012年度のネパール看護師リーダー研修に引き続き、2013は9月10日に締結された総社市・県立大学・AMDAの「世界の命を救う」協定に基づく事業として実施。ネパールの病院の環境整備や記録等、院内感染予防、及び患者・家族への効果的な教育(説明・情報提供)の充実と看護の質の向上を図るべく、各病院の幹部看護師を岡山県立大学と共同で招へい。

また、ポカレル先生の県立大学大学院前期課程の「国際保健概論」集中講義「異文化理解-ヒンズー文化圏の医療事情/ネパールの事例」も並行して実施された。県立大学看護学生・院生・教員が受講し、ネパールにおける保健医療・看護の現状を理解し、異文化交流による国際化を推進した。

総社市における母子保健行政の視察、近隣の医療施設見学を通し、院内感染防止・標準予防策等に関する看護管理と患者教育を学んだ。

またAMDAの国際医療貢献シンポジウムならびに国際教育文化フォーラムにも参加し、ポカレル医師はプレゼンターとして、アジアの様々な医療システムにおけるより良い治療について、ネパールと日本の相互理解を深める事、将来的には様々な国と地域を超えた新しい思想を学び、アジアが世界の振興を牽引し、資源と技術を有効活用していく必要性について強調した。

◇研修生の声
日本の医療システムについて短時間でしたが学ぶことができて大変うれしかったです。話に聞くのと実際に目で見るのはやはり違います。このような機会を与えて下さったAMDA本部と岡山県立大学の先生方に感謝します。

◇協力機関
総社市、
岡山県立大学、
倉敷中央病院、
高杉こどもクリニック、
谷口レディースクリニック

モンゴル・ウランバートル市救急医療サービスセンター医師救命救急医療研修


岡山市西消防署にて

◇実施場所 岡山市
◇実施期間 2014年2月23日〜27日
◇研修生 モンゴル・ウランバートル市救急医療サービスセンター
(モンゴル103救急医療サービス)ゴトフ・ナランジャガル医師

◇事業内容
2014年2月23日から、27日まで、モンゴル・ウランバートル市救急医療サービスセンターより医師1名を招へいし、岡山市の協力のもと、救急医療のシステムなどさまざまな研修を行った。

これはAMDAが、2013年4月開催したアジア相互扶助災害医療ネットワーク国際会議 の際に、モンゴルの代表として参加したモンゴルウランバートル市救急医療サービスセンター(モンゴル103救急医療サービス)の所長が来日の際に、岡山市消防局を見学し、感銘を受け、岡山市の消防設備および救急搬送システムを母国のスタッフに習得させたいとの思いからウランバートル市長を通じて、岡山市長に協力依頼があり、研修が実現した。

招へいしたのはモンゴルウランバートル市救急医療サービスセンターのゴトフ・ナランジャガル医師。

研修は、岡山市消防局救急科指導のもと、岡山市西消防署、岡山大学病院高度救命救急センターおよび市内医療機関で4日間の日程で実施された。研修初日となる24日には、岡山市長を表敬訪問。

その後、岡山大学病院・高度救命救急センターにて三次医療機関の診療体制を視察し、同日午後より、西消防署における緊急搬送研修が開始された。

24日から25日にかけ、岡山市の緊急医療システムや緊急車両、医療資機材の取扱いに関する講習、外傷初療訓練、救急車に同乗し患者搬送などを研修した。

26日には、‘ハイパーレスキューおかやま’訓練視察、西消防署情報指令課および岡南飛行場の岡山市消防航空隊見学が行われた。

27日には、岡山労災病院を見学。

ナランジャガル医師は現在、ウランバートル市救急医療サービスの緊急車両や医療スタッフの配備部門の責任者として勤務している。

◇協力機関
岡山市消防局救急科、
岡山市西消防署、
岡山大学病院高度救命救急センター、
岡山労災病院等