AMDA兵庫との協力事業の一環としてAMDA神女クラブのメンバー(神戸女子大学看護学科3年生)3名が、2月7日から15日までネパール研修に自費参加しました。



AMDAネパールが運営するネパール子ども病院付属専門学校を訪問し、看護学科3年生と主に英語で交流を行い、それぞれの学校や自国の文化・スポーツについて発表しました。さらに、ネパールの学生たちが作ったネパール料理をごちそうになり、日本から持参したレトルトカレーを紹介しました。食べ物やスポーツ、衣装などを通して、お互いの国の文化や考え方に直接触れ、理解を深める貴重な機会となりました。



その後、学生たちはネパール子ども病院において帝王切開術に立ち会ったほか、外来や病棟の見学を行い、医師や看護師との意見交換も実施しました。また、AMDAネパール支部および同支部が運営する歯科クリニック、トリブバン大学教育病院、女性の職業訓練所なども訪問しました。さらに、世界遺産である旧王宮広場や仏教・ヒンズー教の寺院も訪れ、ネパールの文化や習慣に直接触れる機会を得ました。



参加者から寄せられた感想文を紹介します。
神戸女子大学 AMDA神女クラブ 宮原碧海

今回私はネパールでの研修を通して、人々の価値観や教育体制、医療現場の実際について学びました。日本とは文化や生活環境が大きく異なり、現地で生活し人々と関わる中で、多くの気づきを得ることができました。
ネパールの人々は自分の意思をはっきりと伝える姿勢を持っていました。最初は戸惑いもありましたが、それは自己中心的なのではなく、互いを受け入れる文化があるからこそ成り立っているのだと感じました。相手を否定せず、状況を理解する姿勢があるため、人前でも堂々と行動できるのではないかと考えました。この経験から、私自身も他者を評価する前に理解しようとする姿勢を持つことの大切さを学びました。
また、英語の重要性も強く実感しました。ネパールでは多くの人が英語を話しており、十分に話せない自分の力不足を感じました。将来国際的に活動するためには語学力が不可欠であると痛感し、今後継続して学習する必要があると感じています。
教育面では、学べることが当たり前ではない環境の中で、学ぶ意欲の高い人が多いことが印象的でした。日本の恵まれた教育環境に改めて感謝し、その環境を生かして努力する責任があると感じました。
病院見学では、日本との医療環境の違いに驚きました。手術室では布製のガウンやドレープが再利用され、救急病棟では多くのベッドが同じ空間に並んでいました。感染対策も日本ほど徹底されているわけではありませんでしたが、大規模な院内感染が頻発しているわけではないと伺い、日常的にさまざまな感染症に触れる中で、ある程度の免疫を持っている可能性もあるのではないかと考えました。また、病室が大部屋であることに対して現地の人々は違和感を抱いていない様子で、大家族で生活するという文化背景が影響しているということを知り、そのような文化背景や価値観に合わせた医療を行うことが重要だと学ぶことができました。
今回の研修を通して、医療や教育は制度だけでなく、経済状況や文化、生活背景と深く関わっていることを学びました。この経験を今後の学びや将来の目標につなげていきたいと考えています。
神戸女子大学 AMDA神女クラブ 木村花奈

舗装の行き届かない道路やレンガ造りの建物、色鮮やかな衣装、露店が並ぶ街並みが視界いっぱいに広がっていました。絶え間なく鳴り響くクラクションや人々の声、犬の鳴き声が重なり合い、空気にはスパイスや土ぼこり、排気ガスの匂いが漂っていました。街全体が独特の香りと活気に包まれ、まさに異国の地にいることを強く実感しました。こうした五感を通した直接的な体験は、この土地で営まれている人々の暮らしをより確かなものとして感じました。
約1週間の研修で、私はネパールのさまざまなものを見て、触れて、感じることができました。そこには魅力的だと感じる部分もあれば、戸惑いを覚える場面もあり、多くの刺激を受ける日々でした。その中で、私の心を最も大きく動かしたのは、ネパールの人々の人間性です。どんな時も笑顔を絶やさず、誰に対しても分け隔てなく接し、常に相手を気遣い、喜んでもらいたい、楽しんでもらいたいという思いが自然と行動に表れていました。また、言葉が十分に通じない場面でも嫌な顔ひとつせず、簡単な英語やジェスチャーを使って懸命に伝えようとしてくれました。その姿勢からは、相手を理解しようとする真摯な気持ちが強く伝わってきました。
そこには、日本人と共通する思いやりの心も感じられました。しかし、ネパールの方々はその思いやりをより率直に、そして誰に対しても変わらず表現しているように思えました。日本人にも優しさや思いやりは確かにありますが、それを控えめに示す文化の中で育ってきた私にとって、その率直な優しさの表現は非常に新鮮でした。そして、「思いやりは心に留めるだけでなく、相手に伝えてこそ意味を持つのではないか」と改めて考えさせられました。何気ない関わりの一つひとつが私を温かい気持ちにし、その感覚は今でも鮮明に心に残っています。
この経験は、今後看護に携わる上で、人との関わりの基盤となる大切な学びです。看護の現場では、患者や家族が不安や孤独を抱える場面も少なくありません。そのような時こそ、相手の立場に立ち、思いやりを言葉や態度で示す姿勢が重要であると感じました。相手を思いやる気持ちを心に留めるだけでなく、確実に伝えることのできる看護師になりたいと強く思います。今回の研修は、私に新たな視点と価値観を与えてくれた、かけがえのない経験となりました。
神戸女子大学 AMDA神女クラブ 河野心優

今回のネパール研修では、日本とは異なる医療や生活の現状を自分の目で見て、体感することができました。AMDAネパールこども病院の見学では、病院見学と帝王切開の手術も見学させていただきました。看護師は主に診療の補助を担い、生活面での世話の多くを家族が担っていました。病院食や寝具も家族が準備する必要があり、患者本人だけでなく家族の負担も大きい
と感じました。さらに帝王切開後の入院が約二日と非常に短い点など、日本との医療体制の違いを実感しました。また、病院は物資が極端に不足しているわけではなく、自分が持っていた先入観に気づき考えを改める機会にもなりました。病院見学や医療スタッフの方の話を通じて、医療体制は単に設備の問題だけでなく、国の社会状況や文化的背景と密接に関係していることを学びました。
現地の看護学生との交流では、学生同士の仲間意識が非常に強いことが印象に残りました。十八歳から三十代まで幅広い年齢の学生が共に学び、入学当初からチームワークの重要性を繰り返し学んでいると伺いました。互いに声を掛け合いながら協力する姿から、看護実践においてもチームで支え合う姿勢が重視されていることを実感しました。個人で努力する意識が強い自分の環境を振り返り、仲間を大切にする姿勢を今後に生かしたいと感じました。
さらに、保健師の方の自宅にホームステイもさせていただき、現地の方の暮らしを実際に体験し、言葉が十分に通じなくても、ネットでの翻訳を用いて積極的に関わろうとしてくださる温かさに触れました。
今回の訪問を通して、ネパールでは医療や教育の整備が進みつつある一方で、地域格差や人材・資金面での課題も残されている現状を知りました。この研修での経験を今後の看護に生かしていきたいです。