フィリピンミンダナオ島 台風1号 緊急医療支援活動
土砂で埋もれた建物の様子 |
1月17日にフィリピン南東部の海上で発生した台風1号は、20日未明にフィリピン南部のミンダナオ島に上陸し、洪水被害や土砂崩れなどによる家屋の損壊などの被害が報告されました。フィリピン国家災害対策本部(1月23日付)発表によると、この台風による被害は死者49人、負傷者69人、行方不明者10人、約19万世帯92万人が被災し、家屋の被害は2,000件を越えました。
このような状況を受け、AMDAでは看護師1名、調整員1名からなる医療チームを被災地に派遣しました。一行は1月24日に日本を出発し、フィリピン軍の協力のもと、被災地ミンダナオ島ダバオで現状調査にあたりました。ダバオから車で東に約4時間のルポン町では土砂崩れ、地すべりなどが多く発生し、被災状況が深刻であったことから、同町のマラヤグ地区での支援を決定しました。
医療支援活動としては、地元の助産師の協力を得て、健康相談ブースを2か所設置。のべ303人に対し、血圧測定、血中酸素飽和濃度測定、血糖測定、聴診などを実施し、症状により準備した市販薬やビタミン剤などを提供しました。主な症状としては、咳、鼻水、発熱、関節痛など。その他にも高血圧やめまいなどが見られました。残った医薬品は、地区の助産師を通じて、地区のヘルスセンターに寄贈することができました。さらに、食料支援として米、水、缶詰、インスタント麺、シーツなどを1袋にまとめて230世帯分を、被災した家族に手渡しました。住民からは「これは重い!たくさんありがとう!」「シーツが入ってるなんて、そんな支援物資をもらったことがない。本当にありがたい」など、口々に感謝の言葉を頂くことができました。
さらに、被災地の一つであるサンボアンガ市在住の吉川マービー調整員を中心に、(株)キッカワと合同で現地ボランティアの協力のもと、2月19日、25日、26日、3月1日の4日間で300世帯に米やインスタントラーメン、缶詰などの食料・生活支援物資の配布を行いました。
健康相談ブースでチェックを行うAMDA看護師ら |
支援物資の配布を行う吉川調整員ら |
【派遣者プロフィール】
吉川マービー:調整員/ミンダナオ島 サンボアンガ市在住
景山 エレーナ:調整員兼通訳/岡山倉敷フィリピーノサークル 広報/福山市在住
山 希:看護師/AMDAプロジェクトオフィサー/岡山市在住