海外事業 活動報告
- カンボジア HIV/AIDSプロジェクト、マラリア予防プロジェクト
- バングラデシュ ピースビルディングプロジェクト 〜Clean up for peace 〜
- AMDAピースクリニック(インド) 活動報告
- AMDAネパール子ども病院 新周産期病棟落成式典
カンボジア HIV/AIDSプロジェクト、マラリア予防プロジェクト
AMDAカンボジア支部では昨年に続き2つのプロジェクトを実施しました。
HIV/AIDSプロジェクト
2012年度のキャンペーンは、「新たなHIV感染者ゼロ、HIV/AIDS患者の差別ゼロ、AIDS関連の死亡者ゼロ」をスローガンに実施されました。HIVに対する正しい知識の啓蒙を目的として、性病やHIV/AIDSに関するパンフレットやTシャツを制作し、AMDAカンボジア支部が実施する研修を受けたボランティアが、コンポンスプー州やプノンペン州内の大学や高校やそれぞれの地域住民へ配布しました。また、世界AIDSデーには、イベントを開催、地方当局やボランティアを含む200名が参加し、伝統的な人形劇やクイズ、パンフレットの配布を通じて、正しい知識の普及を行うことができました。
マラリア予防プロジェクト
マラリア予防に関するビデオを見る子どもたち |
マラリア予防プロジェクトとして、予防のための啓蒙活動のほか、地域住民の能力開発やシステムの強化、自治体の保健関係の人材と地域住民の連携を図りました。具体的には、村落保健ボランティアに対する研修の実施、保健所職員に対する研修の実施、キャンペーン活動、ビデオ上映などを取り入れた地域におけるマラリア予防教育の継続、必要な医療サービスの提供促進などです。これは、地域住民がプロジェクトに参加し発言していくことで、コミュニティ内の相互理解が深まり、コミュニティ主導が確立できるという考えに基づき行われました。また実際、研修を受けた村落保健ボランティアの方々が、地域住民にマラリアの基礎知識や予防・対処法を伝える勉強会を開催することで、多くの人に正しい知識が浸透し、保健所職員の能力向上や、マラリア予防啓蒙活動の受益者の増加などの成果が見られました。
バングラデシュ ピースビルディングプロジェクト 〜Clean up for peace 〜
楽しんで清掃活動を行う子どもたち |
バングラデシュ・チッタゴン管区コックスバザール県マハムニ村にあるマハムニ母子寮を中心として、新たなピースビルディングプロジェクトがスタートしています。
ピースビルディングプロジェクトとは宗教を超え民族が平和的に共存していくための和平事業で、イスラム教徒が大半を占めるバングラデシュにおいて少数派の仏教徒が住んでいる同村にある母子寮とAMDAの合同プロジェクトとして「クリーンアップ フォ ピース:Clean up for peace」を開始しました。
マハムニ母子寮は、生徒たちの生活する場であり、学校としての役割も担っています。寮内は先生や生徒たちの日ごろの活動で極めて大変きれいに保たれていますが、一歩校外に出るとゴミが散乱し、不衛生な現状があります。そこで「清潔であることは聖なること:Cleanness is Holiness」を合言葉に、定期的に母子寮の子どもたち約100人が寮外へ繰り出し、積極的に清掃活動を行う活動で、子どもたちの清掃活動を通じて地域と寮の関係も深まり、母子寮だけでなく、周辺地域の衛生への意識浸透につながると考え、本プロジェクトをスタートさせました。
2013年1月1日に、第1回目の清掃活動が実施され、子どもたちは、楽しみながら、一生懸命清掃活動を行いました。参加した子どもたちからは、「これからも続けたい」「みんなと一緒に掃除をしたら楽しい!」という声が上がりました。
AMDAピースクリニック(インド) 活動報告
無料医療キャンプの様子 |
2009年末にインドビハール州ブッダガヤに開院したAMDAピースクリニックは開院以来、地元の人々だけでなく、ブッダガヤを訪れる国内外の巡礼者や旅行者を対象にインドの伝統医学・アーユルヴェーダの治療を行っています。
2012年度は地元を含むビハール州の患者350人、他州の患者100人、海外の患者350人ののべ約800人に対して治療を行いました。さらに、地元コミュニティにおいては無料医療キャンプや無料コミュニティ健康プログラムなどの地域保健プロジェクトが根付いてきています。無料医療キャンプでは医師1人、セラピスト3人、調剤師2人、アシスタント2人、調整員1人の合計9人で構成された医療チームがサマンヴェイ・アシュラム(SamanvayAshram)を拠点にリュウマチ、頭痛、皮膚病などの患者59人に無料で治療を行いました。無料コミュニティ健康プログラムでは延べ720人の裨益者を対象に診察や薬を処方し、歩行困難や寝たきりの貧困者には訪問診療を行い、薬やセラピーを無料で提供しました。
AMDAネパール子ども病院 新周産期病棟落成式典
開所式典の様子 |
2013年3月14日、AMDAグループ病院であるシッダールタ母子専門病院(通称:ネパールこども病院)において、新しい周産期病棟の落成式が開催され、AMDAグループ代表として菅波茂が参加しました。
1998年11月に開院した当院はこれまでに、のべ66.5万人の母子に対し医療サービスを提供してきましたが、26人に1人は死産、新生児集中治療室で治療を受ける赤ちゃんの6人に1人が亡くなるという厳しい現実に直面していました。新しい周産期病棟の建設により、母子の命を救える重要な期間とされている周産期医療の充実が図れます。