東日本大震災復興支援(2013/6発行ダイジェストNo.40掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災復興支援(2013/6発行ダイジェストNo.40掲載)

東日本復興支援事業

AMDA大槌健康サポートセンターからのお知らせと報告

2011年12月18日に岩手県大槌町に開所したAMDA大槌健康サポートセンターの借地契約の満了に伴い、仮施設に事務所機能を移転することとなりました。6月1日には引越しを行い、6月10日からは仮事務所で業務を再開します。

既存の建物は、移設可能な組み立て式であるため、一時解体し、新規建設の際に再利用する予定です。新たな建物は、来年(2014年)の完成を目指しており、施設の拡張を視野に入れて準備を進めております。開所から1年半、これまでの施設の利用者数はのべ約3,500人となりました。4月からは当センターで開催した養成講座(2012年10月から3か月間開催)を卒業生が講師となって開催される「フライパンで作る天然酵母パン教室」や「和尚さんカフェ」も開催され、ますます地域の方の心身の健康支援をコンセプトとした施設として活用されています。しばしの間手狭になりますが、次のステップを踏み出す気持ちで、スタッフ一同楽しみにしております。

新住所 AMDA大槌健康サポートセンター
〒028-1131 岩手県上閉伊郡大槌町大槌22-96-2 プレスフラット? 103号室 TEL・FAX 0193-42-8989


事務所の表から

広くなった鍼灸スペース

第2回復興グルメF−1大会を開催しました

4月21日、岩手県大船渡市の「おおふなと夢商店街」を会場に、第2回「復興グルメ F-1大会」を開催しました。今回は、第1回大会を上回る7地域から11の復興グルメがエントリーし、試食を重ねた各商店街がオリジナルのグルメを披露しました。当日は、強い雨の降る荒れた天気にもかかわらず、第1回大会と同じく約1500人が会場を訪れ、さまざまなグルメを笑顔でほおばる姿があちこちで見られました。閉会式では、会場を訪れた方々の投票で選ばれたグルメが読み上げられ、第2回大会優勝グルメはおおふなと夢商店街の「大船渡さんまばっとう」に決定しました。

今回の大会では、参加商店街同士が協力し合い、声を掛け合う場面も多くみられ、「他の商店街ともっと連携をしていきたい」「また次回もぜひ参加したい」「被災地から元気を届けたい」と、参加商店街同士の絆を深める様子が見られました。今後も、被災地の各地で順番に会場を変えて開催する予定です。さらに多くの仮設商店街がつながり、全国からの来場者によって被災地を元気づけるイベントになるよう期待しています。次回、第3回復興グルメF-1大会の開催は7月21日におしかのれん街(宮城県石巻市鮎川浜)で行われるます。

参加グルメ

  • チーム大槌(岩手県大槌町)「大槌鮭さつまコロッケ」
  • 地ノ森ヒルズ(岩手県大船渡市)「エメラルド麻婆丼」
  • 地の森八軒街(岩手県大船渡市)「三陸ハッケン焼き」
  • おおふなと夢商店街(岩手県大船渡市)「大船渡さんまばっとう」
  • 復興大船渡プレハブ横丁(岩手県大船渡市)「横丁パスタ」
  • 再生の里ヤルキタウン(岩手県陸前高田市)「ヤルキ磯雑煮」
  • 高田大隅つどいの丘商店街(岩手県陸前高田市)「がんバーグ」
  • 気仙沼復興商店街 南町紫市場(宮城県気仙沼市)「気仙沼サンマティーヤ」
  • 南三陸さんさん商店街(宮城県南三陸町)「南三陸さんさんタコカレー」
  • おがつ店こ屋街(宮城県石巻市雄勝町)「雄勝湾カレー」
  • おしかのれん街(宮城県石巻市鮎川浜)「おしかモビードック」

第3回「復興グルメF−1大会」開催決定!

東日本大震災復興支援事業としてAMDAが実施する「復興グルメF-1大会」の3回目の開催が決定しました。

石巻市牡鹿地区の商店街を会場に、被災地の仮設商店街を中心とした団体が、それぞれ試作を重ねた渾身の「復興グルメ」がエントリーする予定です。復興グルメを楽しんでいただくとともに、これを機会にたくさんの方に被災地に足を運んでいただきたいと考えております。事前の申し込みは不要です。たくさんのご来場をお待ちしております。

  • 会場:石巻市おしかのれん街
  • 日時:7月21日(日)11:00〜15:00

志津川病院 医療ボランティアスタッフ派遣 春季派遣の看護師からのレポート

二田水 彩 看護師(東京在住・4月2日〜8日派遣)

2011年8月にAMDAからの派遣で南三陸診療所での活動を行い、その後も被災地の中でも特に南三陸町への思い入れはあり、今回の参加を決意しました。

今回の派遣では、主に内科外来の補助という形で、受診患者全員に行う体重・血圧の測定とその測定値を各患者の電子カルテに入力する業務を行い、訪問診療の際には、バイタル測定や診察の介助を行いました。

人手不足というのは、被災地に限らずどこの医療機関でも抱えている問題ですが、日常的な人手不足でストレスを受け続けている状態である上に、震災のためのストレスが増えているということは、とても負担が大きいと感じました。だからこそ、このような派遣で断続的であっても定期的にそのストレスの軽減に寄与できることは、十分意味があると思います。

「一度AMDAのボランティア派遣で志津川病院に来た人が、また足を運んでくれるのはとても嬉しい。」という声をいただきました。今回のような医療支援を続けられるのも、AMDAとして被災地支援を続けている方がいらっしゃるからであるということにとても感謝しています。私自身も、できる範囲で南三陸町や周囲の地域への繋がりを持ち続けていきたいと思います。今回は派遣して頂きありがとうございました。

 

健康サポートプログラム・鍼灸治療支援活動(岩手県上閉伊郡大槌町、宮城県石巻市雄勝町)

健康サポートプログラムとして実施している鍼灸治療支援活動は、岩手県上閉伊郡大槌町、宮城県石巻市雄勝町のいずれも、地域のニーズが高く、すぐに予約が埋まってしまうような状況です。6月からは、AMDA大槌健康サポートセンターの新しい鍼灸スペースでは、診療ベッドを1台増設し、患者様の対応を行っていく予定です。また雄勝町のほうでも、週2回の体制で鍼灸活動を実施しています。


月別鍼灸治療のべ患者数
(2012/12から2013/5月末まで)

雄勝町鍼灸活動の様子

災害鍼灸医療チーム養成講座を開催します!

AMDAは東日本大震災の緊急医療支援活動から、現在の復興支援活動に至るまで、鍼灸による健康サポートプログラムを実施してきました。医療機器の限られる中、避難所における鍼灸治療の効果は極めて高く、鍼灸による痛みやストレスの緩和が評価されています。AMDAは現在に至るまで、大槌町、雄勝町で地元医療機関の協力を得て、鍼灸治療活動を行っています。そこで、今後発生しうる大災害に備えて鍼灸医療チームの養成を行うことが急務であると考え、下記の要領で災害鍼灸医療チーム養成講座を開催することを決定しました。

  • 期間:2013/7/30〜31(2日間)
  • 活動場所:岩手県上閉伊郡大槌町、宮城県石巻市雄勝町
  • 対象者:鍼灸師 および 鍼灸関連の教育機関に在籍する学生
  • 研修内容:医師及び鍼灸師による講義(災害時における鍼灸治療、医療などについて)、鍼灸治療現場の見学ほか
  • 講師:今井賢治(明治国際医療大学教授)・植田俊郎(植田医院院長)・佐々木賀奈子(AMDA大槌健康サポートセンター健美館 誠灸師)

お問い合わせはAMDAボランティアセンターまで。

 

AMDA東日本国際奨学金

東日本大震災の復興を担う次世代の学生への支援として、AMDAでは東日本国際奨学金として、将来医療従事者を目指す学生を対象に年間18万円(15,000円/月)を支給しています。皆様のご支援により、2013年度にも新たな奨学生に対して奨学金を支給できることとなりました。現在、被災地の高校で奨学生の選定を進めていただいています。

2012年度 奨学生から届いたエッセー:私の将来の夢

私は将来、薬剤師になりたいと思っています。

私が薬剤師という仕事に興味を持ったきっかけは二つあります。一つは、私が中学生の時の体験です。私の祖父が肺がんを患い、抗がん剤治療を受けることになった時に、さまざまな薬の作られる過程を知り、意外な物質からも薬が作られていることに驚き、また薬の面白さを感じ、興味を持ちました。

二つ目は、震災時の体験です。祖父母は、津波の中から近所の方に引き上げてもらって助かることができ、避難所で生活していました。祖父は抗がん剤の副作用を抑える薬を、祖母は高血圧と骨粗しょう症の薬を服用していましたが、当然薬など持って避難できたはずもなく、多人数で体育館の中で生活をしているうちに、体調を崩していきました。数日後にボランティアの医師や看護師の方が診察をしてくださり、また薬剤師の方々は何度も祖父と祖母のところに訪ねてきてくださったので、私はとても安心しました。医療に関する資格を持っている方はどのような時でも必要とされ、困っている人がいるときにはすぐその場で人の役に立つことができ、人を安心させることのできるすばらしい職業だと感じました。

祖父の病気がきっかけで薬に興味を持ったことと、震災直後に祖父母の健康をサポートして下さった薬剤師さんの姿を見て、私も薬剤師になりたいと思いました。

将来は新薬の研究に携われるように、これから頑張っていきます。ご支援、ありがとうございました。

 

活動の軌跡(2012年12月〜2013年5月)

2012

  • 12.9 気仙沼南紫市場1周年イベント参加
  • 12.14 震災ホームレス支援物資出発
  • 12.16〜2013.1.8 冬季医療ボランティア派遣(南三陸診療所)
  • 12.18 震災ホームレス支援物資到着および配布
  • 12.18 AMDA大槌健康サポートセンター1周年
  • 12.21 AMDA大槌健康サポートセンター AED講習
  • 12.22 震災ホームレス支援 炊き出し参加

2013

  • 1.21 第1回復興グルメF−1大会in気仙沼 開催
  • 1.26 AMDA大槌健康サポートセンター1周年記念イベント開催
  • 2.12 ベトナムインターン受け入れ
  • 2.22 岩手県立大学4年生 ヨガ教室視察 受け入れ
  • 3.11 雄勝ウォーク(石巻市雄勝町)
  • 3.17 第2回絆コンサートin大槌開催
  • 3.18 三回忌法要(大槌町)
  • 3.17〜4.8 春季医療ボランティア派遣(南三陸診療所)
  • 3.20 AMDA高校生会in大槌 卒業
  • 3.21 阪南大学 曽根ゼミ受け入れ
  • 4.20 第2回復興グルメF−1大会in大船渡 開催
  • 5.19 HIS仙台港イベント 開催