2010年度年次報告 ASMP(2011/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2010年度年次報告 ASMP(2011/7発行)

2010年度年次報告 ASMP

AMDA医療と魂のプログラム

ASMP(AMDA Soul & Medicine Program)とは、第二次大戦戦没者そして近年の自然災害犠牲者に対しては、宗派を超えた宗教者による合同慰霊祭を、災害被災者にはAMDAによる医療支援を実施することを通して、平和の追及を行おうとする、宗教者ボランティアとAMDAの合同事業。2000年から毎年実施。
尚、各宗教者は自費参加している。

 

フィリピン

◇実施場所 フィリピン コレヒドール島 サン・ホセ教会
◇実施期間 2010年6月12日
◇派遣者
浄土宗西蓮寺(名古屋) 大田明光 住職、菅波茂 医師/AMDA理事長、ニティアン・ヴィーラヴァーグ 調整員/AMDA職員
◇参加者
カトリック神父、イスラム教等現地宗教者、P.チュア 医師/AMDAインターナショナル名誉顧問

◇事業内容
第二次大戦中、日米、フィリピン軍が激戦を繰り広げ多くの人命が失われたコレヒドール島で第9回AMDA医療と魂のプログラムが行われた。第二次世界大戦のすべての戦没者のための慰霊式典は、太平洋戦争記念館での献花式に始まり、コレヒドール平和公園で平和の木の植樹。その後サン・ホセ教会に場所を移し、キリスト教カトリック神父、イスラム教指導者、日本からの参列者等計40名の参加者とともに1時間半にわたって多宗教による祈りが捧げられた。菅波代表は、「過去の歴史から学び、相互扶助の精神と多様性の共存が世界の平和につながる」とスピーチを行った。また第二次世界大戦の砲撃の中で妹の出産を母親の真横で見守ったAMDA インターナショナル名誉顧問のプリミティヴォ チュア医師は、「第二次世界大戦激戦地でこれまでも慰霊祭を行ってきたが、今回のコレヒドール島での慰霊祭執行を長年願ってきた。今回の式典は、世界に平和の大切さを訴える大変意味のある式典であった。」と語った。

◇参加者の声
コレヒドール島は戦争による破壊がいかに凄惨で悲惨なものであったかを物語る証人の島である。この島でこのような式典が行われることは大変意義深い。世界から戦争がなくなる日が一日も早く訪れることを願っている。(参列した多くの宗教者)

◇現地協力機関 ナイツ オブ コロンブス、フィリピンイスラム教会、ジュビリー イヴァンジェリカル チャーチ、フィリピンカトリック教会。

 

モンゴル

◇実施場所 モンゴル国 ウランバートル ガンダン寺
◇実施期間 2010年8月23日
◇参加者
清水直樹 医師、 北川文夫 岡山理科大学情報科学科教授、劉 渤江 岡山理科大学情報科学科教授、村上 拓AMSA:アジア医学生連絡協議会Japanメンバー/岡山大学医学部3年、難波 妙 AMDA本部職員
◇参加者
AMDAモンゴル、 AMSAモンゴル、 宗教法人大本 人類愛善会モンゴルセンター、 大本モンゴル本部

◇事業内容
AMDAは本年モンゴルにおいて、ノモハン事件従軍関係者への白内障手術提供をはじめとする眼科医療への支援をおこなった。同時にモンゴル仏教総本山ガンダン寺において、第3回AMDA 医療と魂のプログラム、平和祈願祭をモンゴル仏教、日本の宗教法人大本とともに執行した。71年前にモンゴル・旧満州国国境で起こった日本軍、旧ソ連軍・モンゴル連合軍による激戦を日本ではノモハン事件と呼んでいるが、モンゴルでは単なる事件ではなくモンゴル民族を分断したハルハ川戦争と認識されている。多くのソ連人、モンゴル人、日本人の犠牲者をだした。今回の式典には、日本から、宗教法人大本、人類愛善会モンゴルサマーキャンプ訪問団全員とAMDA モンゴル、AMSAモンゴル、AMDAモンゴル国眼科医療奉仕団メンバーが参列。まずはAMDAモンゴル支部長、オユンチメグ医師が祭典の趣旨と経緯を説明。ガンダン寺僧侶16名が祭殿に整列し読経。その後、宗教法人大本とともにハルハ河戦争犠牲者供養と平和祈願を行った。尚、日本からの宗教者は毎回すべて自費での参加である。

◇受益者の声
AMDA 医療と魂のプログラムがモンゴルでは今年3回目となり、この平和祈願祭が毎年夏の恒例行事になることを大変嬉しくおもう。医療面でのご支援に加え、このように平和への祈りをも行うAMDAに対して敬意を表する。(モンゴル仏教総本山ガンダン寺 住職)

◇現地協力機関
人類愛善会モンゴルセンター 大本モンゴル本部AMDA モンゴル、 AMSA モンゴル、 アイリスツアー