ライフビジョン学会「オークション」を通じたご支援(2010/3発行ジャーナル3月春号掲載) – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ライフビジョン学会「オークション」を通じたご支援(2010/3発行ジャーナル3月春号掲載)

ライフビジョン学会「オークション」を通じたご支援

ライフビジョン学会常務理事 片山 洋子

 


「オークション」風景

 いつもAMDAの皆様の活動を、尊敬をもって拝見しています。とくに自然災害などへのスピードと機動力、危険を賭して現地に飛ぶ皆様の利他的行為は、利己的人間が多い現代における警鐘であり、道標であると思います。

 私たちのチャリティ・オークション・パーティは1995年、阪神淡路大震災によってはじまりました。とてつもない天災が身近で起こった衝撃が、このままではいけない、自分も何かしなくてはという焦燥感にかわり、(有)ライフビジョン(代表・奥井禮喜)の呼びかけに応えて手近な品々を携えて、ホテルの会場に参集しました。「今はとにかく再建、復興の元気を培養するときなのに、全国津々裏々でなぜか『自粛』の声が上がっている。いま必要なのは経済の元気、暮らしの、心の、連帯の元気ではないか」(第一回呼び掛け文95.2.6)被災していない我々が経済活動を縮小したのでは、被災地への経済支援は高められない、パーティなどを自粛するのは逆効果である。この話に賛同した京王プラザホテル労働組合は破格料金での会場提供に応じてくれました。

 通常のオークションは、商品提供者は販売利益を、購入者は商品を手にします。主催者は両者のニーズをジョイントして販売による利ザヤを獲得する商業活動です。私たちのチャリティ・オークションは、提供商品の利益相当分をカンパしていただき、主催者は販売価格をできるだけ吊りあげてカンパ金を増やそうとする、チャリティ錬金術です。商業活動であがるべき利益を私有しないで、公共の利益に資するのです。2009年12月11日に行われたパーティは14回目、今回はAMDAに369、400円をお贈りできました。

 パーティに参加してくださる皆様のうち、商品提供者は「私の提供品にどんな値段がつくかしら」とフリマ気分の様子です。毎年この季節に家の片付けをして、埋もれていた新品珍品を送ってくださる方もいます。一方の購入者は「何かいいものあるかしら」と、蚤の市に出かける期待でしょうか。皆さんはいつもよりおしゃれして、会場の新宿京王プラザホテル・メインバー「ブリアン」にやって来ます。

 会場はやはり一流ホテルに限ります。カンパ品も会場に合わせて良いものが集まるように思います。会場が公民館だった時は、落札価格が野口英世か樋口一葉どまりでしたが、ホテルならば福沢諭吉サマがお出ましになります。贅沢意識のカンパというわけです。

 主催者の気持ちとしては、カンパ品の実売価格より高く落札してほしい、実用品のお買いものではないのです。その割高分が購入者の粋でありチャリティなのですが、参加者は日ごろ一円二円にとらわれて暮らす本物の庶民です。どうしてもチャリティの趣旨から外れてお得、お値打ち、引き下げ期待が先に立ちます。そこでオークショナー(販売員)が固い財布を緩めんと、あの手この手の話術を駆使する攻防が、もうひとつのお楽しみです。この錬金術が善意のバザーと違うのは、オークションという多少の緊張と遊び心を伴うことでしょうか。同伴した娘に「なんでそんな高いもの買うの」とたしなめられたお父さん。買い手のつかないカンパ品を義侠心で購入した愛すべき貧乏人。落札したお酒をさっそく開封して皆にふるまうお大尽。某社長さんは照れ隠しなのか「一年間の贖罪の気持ち」と、いつもたくさんの金品を供してくださいます。

 人間は大自然に対していかにも非力です。しかしそこに敢然と立ち向かう助け合いの行動に、人間の希望を見出します。それにつけても国際紛争で生み出される難民や戦争被害者の救済に貴重な善意を消耗させられることは許し難い。バックヤードの私たちは前線で活動する皆さんを応援する一方で、利権による紛争を起こさせないよう、日常的な学習と社会参加意識の涵養、政治への監視活動を続けたいと思います。贅沢気分のパーティと選挙への一票はつながっているのです。ライフビジョン学会はこれからも、共生のための学習活動を続けます。

 

※AMDA福山クラブ(藤井逸子クラブ長)のメンバーも同学会メンバーであることから、手作りお手玉等をオークション出品し、更に、AMDAの活動紹介をして下さいました。