中国四川省地震被災地児童への支援/新型インフルエンザ対策(2010/4発行ジャーナル4月号掲載) – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

中国四川省地震被災地児童への支援/新型インフルエンザ対策(2010/4発行ジャーナル4月号掲載)

中国四川省地震被災地児童への支援/新型インフルエンザ対策

ニティアン ヴィーラバグ

 


子供たちの健康診断を行うAMDAスタッフ

新型インフルエンザ防止啓発活動に参加した子供たち

大震災から1年たった2009年5月、AMDAは、震災一周年記念行事として、被災地における健康診断とASMPの慰霊祭を計画しましたが、新型インフルエンザ(H1N1型)の発生に伴い、多数の大人や児童生徒を一箇所に集めることのリスクを憂慮した中国政府の要請を受けて、計画は無期延期となりました。最終的に、2009年12月に記念行事を行うことで許可と要請を受けることができました。新型インフルエンザの流行は世界規模の問題で、中国もその影響を受けた国のひとつです。世界各国と同様、中国も大規模な対策を打ち出し、感染拡大の防止に努めてきました。AMDAも、新型インフルエンザ関連の医療活動に集中することとし、震災被災地域の児童生徒に的を絞って救援活動を行うことを決定しました。

この計画に基づき、AMDAは、四川省中医薬科学院(Sichuan Academy of Chinese Medicine Science (SACMS))と協力して、2008年の地震で大きな被害を受けた3つの主な学校を訪問し、健康関連の活動を行いました。ミッションが実施されたのは、2008年5月の四川省大地震の被害が甚大だった地域です。これらの地域では、ほとんどの学校が全壊または半壊し、未だに復興作業は完了していません。しかしながら、被災者、特に地震被害を受けた四川省の児童生徒のための生活環境と建築インフラが改善されたことで、住民の暮らしはほぼ平常に戻っています。医療活動は、2009年12月13日から22日にかけて、次の4つの方法により実施されました。

? 中学校の生徒に対する健康診断
AMDAは、四川省(Sichuan Province)広元市(グァンユェン市 (Guang Yuan District))の山西中学校(サンセイ中学校 (ShangXi Middle School))で生徒の健康診断を行いました。広元市ZhongGuang病院の医師12名と看護師6名から成るチームが、1183人の生徒(約49%が男子、51%が女子)について、身長、体重、血圧、視力、色覚、聴力の測定と、歯科、咽頭、内科検査を行いました。その結果、なんの異常も無かった生徒は全体の11%で、ほとんどの生徒に色視症、近視、単純性甲状腺腫、中耳炎、色覚異常、偏平足、肥満、貧血などの症状が見られました。医師団は、2009年12月15日から22日までの間、任務を遂行いたしました。

? 新型インフルエンザ(H1N1型)への対策と啓発活動
新型インフルエンザ感染防止の重要性を認識したAMDAとSACMSは、2つの学校で、児童生徒向けに、意識向上と啓発のための活動を行いました。上級研究員でSACMS発行の医学雑誌の編集にも携わるジャン・トンユン博士(Dr. Jiang Dongyun)が、SACMSの同僚4人の支援を受けて啓発活動に取り組みました。広元市(グァンユェン市)の山西(サンセイ)小学校と、都江堰(トゥジャンイェン (Du Jiangyan))の沿江小学校(イエンジャン (YanJiang)小学校)から、合計約800人の児童生徒が、重要でためになるセッションに参加しました。セッションのあと、2つの小学校には新型インフルエンザ(H1N1型)に効く漢方の錠剤が寄付されました。この啓発活動は子供たちにも先生方にも大好評で、AMDAとSACMSはたくさんのお褒めの言葉をいただきました。子供たちは感謝の印としてAMDAに手作りのカードを贈り、お礼状を読み上げてくれました。

? 児童への新型インフル治療薬の配布
AMDAは、SACSMの支援を受けて、児童生徒を新型インフルへの感染から守る漢方薬を配りました。SACSMによると、これらの漢方薬は政府から推奨されているもので、他に入手の方法がない子供たちには大きな救いとなります。AMDAは、子供たちに24錠入りの箱を2400箱贈りました。一度に4錠、1日2回(朝夕)服用することになっています。期間中、子供1人当り2箱が配られ、子供たちは、啓発活動期間中に錠剤を6日間続けて飲むことの重要性を教えられました。さらに校長先生はじめ先生方も服用期間と服用量について指導を受け、それを父兄に伝えることになっています。薬は被災地域の2つの主な学校に贈られ、広元市(グァンユェン市)の山西(サンセイ)小学校が約1000箱、都江堰(トゥジャンイェン)の沿江(イエンジャン)小学校が約1400箱の寄贈を受けました。前者ではおよそ500人、後者ではおよそ700 人の児童生徒が恩恵を受けたことになります。

? 被災地域の学校への体温計の寄付
AMDAはまた、多くの学校に体温計を贈りました。インフルエンザ流行期には非常に役立つものです。贈呈を受けた学校の校長先生たちからは、AMDAからの心尽くしの贈り物に感謝の言葉をいただきました。広元(グァンユェン)、都江堰(トゥジャンイェン)、南充(ナンチャン)、Peng Zhou、Lu Zhouの多くの学校に計325本、都江堰(トゥジャンイェン)と成都(チョンドゥ)の保険所に25本入り袋ひとつが贈られました。

以上のような新型インフルエンザ対策の医療活動に加えて、AMDAは、小学校の子供たちに本を贈りました。3種類の本が日本語から中国語に訳され、都江堰(トゥジャンイェン)の沿江(イエンジャン)小学校で生徒代表が受け取りました。子供たちはとても喜び、先生の指導を受けながらすぐに本を分け合って読み始めました。

地元協力団体
1) 四川省中医薬科学院(Sichuan Academy of Chinese Medicine Science (SACMS))
2) 広元市ZhongGuang病院 — AMDA協力パートナー
3) 四川省Zhong-Guang Party