2008年度年次報告 復興支援活動
ソロモン諸島津波災害復興支援事業
(平成19年度外務省日本NGO連携無償資金協力事業)
ワクチン保冷用冷蔵庫他を ソロモン諸島保健省に寄贈 |
活動国・地域:ソロモン諸島ウェスタン州
期間:2007年10月26日〜2008年10月10日
2007年4月2日、ソロモン諸島ギゾ島沖においてM8.1の地震と津波が発生し、ウェスタン州の沿岸部は甚大な被害を受けました。AMDAは緊急医療支援活動に続き、復興支援として、同年7月に現地調査を実施しました。食糧と水の慢性的な不足、衛生施設の損壊などにより、発災後3ヶ月が経っても住民の生活環境は劣悪なままであることが分かりました。
更に、津波によるワクチン保管用冷蔵庫の破損・故障により、被災地のウェスタン州では予防接種率の低下が避けられない状況であることも確認しました。同州の基幹病院であるギゾ病院は、コールドチェーン資機材の補給基地として機能してきましたが、津波被害で5台あったワクチン保管用冷蔵庫のうち4台が破損あるいは故障しました。
コールドチェーンの断絶は、被災地であるなしに関わらず、ウェスタン州住民全員の健康を維持する上で脅威となっていたことから、ソーラー式ワクチン保冷用冷蔵庫、コールドボックス、ワクチンキャリアーをウェスタン州の8つ保健診療所に供与しました。この事業は、平成19年度外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として、2007年10月に開始し、2008年10月に終了しました。
<派遣者> 調整員:館野和之(本部職員)
<協力機関> ソロモン諸島保健省他
2008年度年次報告 保健医療活動
インド・クリニック建設事業
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AMDAは、1993年10月のインド西部大地震緊急救援プロジェクト以来、サイクロン、地震等の自然災害の被災者に対して、さまざまな支援活動をインド国内で実施してきました。これらの活動を通じて、同国では仏教徒が1%以下の少数派であり、カースト制度の貧困層に位置することをわかりました。仏教徒の多く住むビハール州ブッダガヤは、仏教の聖地であり、世界遺産に登録される観光地としても知られています。一方で、医療事情は劣悪であることから、AMDAは、貧困層への支援策として貧困層でも利用できるクリニック建設構想を温めてきました。2008年9月、インド支部長カマト医師のもとで運営される「AMDAピースクリニック」の建設を開始し、2009年11月の完成を予定しています。クリニックの完成により、ブッダガヤの貧困層のみならず全ての住民がインドの伝統医学であるアユールベーダと西洋医学を合わせた医療サービスを利用できる予定です。