サモア諸島津波被害に対する医療支援活動(2009/12発行ダイジェストNo.33掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

サモア諸島津波被害に対する医療支援活動(2009/12発行ダイジェストNo.33掲載)

サモア諸島津波被害に対する医療支援活動

 


医薬品等を寄贈する平野調整員

活動期間:2009年10月13日〜20日
派遣者:<本部派遣>
ニティアン・ヴィーラバグ/調整員/本部職員(10月13日−18日)
平野恭介/調整員/天理教道竹分数会長(10月13日〜18日)
<ニュージーランド支部派遣>
リセ・グルート・アルバーツ/心理療法専門家(GriefTherapist)/(10月13日−20日)

 

 南太平洋のサモア諸島付近で、現地時間9月29日午前6時48分ごろマグニチュード8.3の強い地震があり、約5メートルの津波が発生しました。サモア独立国では、死者137人、負傷者310人、行方不明者2人、20村が全壊し、約3,500人が避難していました(10月7日WHO発表)。津波発生直後より、カナダ支部、ニュージーランド支部と協力し、現地協力者を通じて被災状況と医療ニーズを確認しました。被災地は道路や橋は修復され、電気と水道は復旧しているものの、津波の恐れから山の斜面で避難生活している被災者が多くいました。被災者は、十分な医療支援を受けておらず、加えて心理的なケアが必要な状況であることも判明しました。

 

 10月13日、AMDA本部はヴィーラバグ調整員と平野調整員を派遣。ニュージーランド支部からは、Grief Therapy と呼ばれる心理療法の専門家であるアルバーツ氏が被災地に入ることになりました。本部派遣調整員はニュージーランド・オークランド経由でサモア入りすることから、途中オークランドで抗生剤や消毒液、伸縮バンドやサージカルテープ等の医薬品類を調達し、サモアに入国。16日、首都アピアの中核病院メドセン医院に、オークランドで購入した医薬品類とニュージーランド支部から送られた注射器・注射針・体温計などを寄贈しました。メドセン医院院長プニ医師は、災害発生直後から被災地での緊急医療に携わり、近い将来被災者が仮設住宅に移動した後も被災者の健康状態を診ることができることから寄贈先としました。

 

 災害発生から2週間以上経った時点でも、多くの被災者が津波を恐れて山の斜面にブルーシートを張っただけの仮住まいを続けており、ショックから無気力状態になっている被災者も多く見受けられました。そこでアルバーツ氏は、地元女性団体Women in Business Development lnc. や他の支援団体スタッフに対して、カウンセリング技術やトラウマの影響、ストレスサインの見つけ方などの心理ケア研修を実施。今後、これらのスタッフを通した被災者への心理ケアが期待されています。