スリランカ北部サイクロン被害に対する緊急救援活動(2009/2発行ジャーナル2月冬号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

スリランカ北部サイクロン被害に対する緊急救援活動(2009/2発行ジャーナル2月冬号掲載)

スリランカ北部サイクロン被害に対する緊急救援活動


 

 2008年11月25日サイクロン「ニーシャ(Nisha)」がスリランカ民主社会主義共和国北部を直撃し、深刻な豪雨と洪水をもたらしました。ジャフナ県は過去90年で最も多い雨量を記録し、全体で20人の死亡が確認されました。被害が最も甚大だったジャフナ県では33万人が被災し、4万戸が損傷しました(内、約1万戸は全壊)。大洪水により低地の住宅が冠水したため、ジャフナ県だけでも247か所の避難キャンプが設置されました。AMDAスリランカ支部は姉妹団体のセント・ジョンアンビュランスと協力し、ジャフナ県保健局による被災者のための医療活動支援として、約10種類の医薬品(抗生物質、気管支炎・肺炎抑制薬、経口補水薬、抗原虫剤等)の提供を行いました。
今回のサイクロンにより、セント・ジョンアンビュランスのジャフナ研修施設も浸水被害を受けています(写真左)。AMDAは2003〜06年に「医療和平プロジェクト」の一環で、内戦後のスリランカ北部で巡回診療や学校保健教育を実施しました。2003〜04年にはジャフナ市郊外の2村でコミュニティ復興支援事業を行いました。今回の緊急救援で連携した県保健局やセント・ジョンアンビュランスは、当時のプロジェクト協力機関です。今回のスムーズな連携は、過去の支援活動を活かしたネットワークの存在が大きかったといえます。