パキスタン西部地震被害に対する緊急支援活動(2009/2発行ジャーナル2月冬号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

パキスタン西部地震被害に対する緊急支援活動(2009/2発行ジャーナル2月冬号掲載)

パキスタン西部地震被害に対する緊急支援活動


アフガニスタン・カンダハル州
スピン・ボルダック県での巡回診療

医薬品、支援物資
(アフガニスタン・カンダハル州スピン・ボルダック県)

パキスタン・ バルチスタン州避難民キャンプ

 パキスタン・イスラム共和国西部バルチスタン州で2008年10月29日に発生した地震(マグニチュード6.4)の被害は、国連人道問題調整事務所報道部門(OCHA・IRIN)や政府国家災害管理局(NDMA)の発表によると、11月時点で死者約270人・負傷者357人・損壊家屋9,897軒・被災者合計68,200人に上りました。
 AMDAは、AMDAパキスタン支部から医療チームを、被害が大きかったバルチスタン州ジアラット地区(クエッタから約110キロ北西)に派遣しました。11月9〜12日滞在し、地元当局によって建てられたカワスの避難所の医療クリニック(テント)で約75人の患者を診療しました。災害後に顕著な、うつや興奮、不眠の症状が多くみられ、避難所には産科医や薬剤師がいないため、医薬品(100Kg)を地元保健局へ提供しました。地理的に孤立し、小さな集落が散らばる被災地まで、交通事情に詳しいドライバーでも陸路でカラチから2日間かかりました。
 また、AMDAアフガニスタン支部の医療チームは、11月22日にパキスタンとの国境に位置するアフガニスタン・イスラム共和国カンダハル州スピン・ボルダック県で6日間医療支援活動を行いました。392人を診療し、主な疾患は風邪・咳137人(35%)、急性呼吸器疾患72人(18%)、下部尿路感染症72人(18%)でした。
 治安状況は非常に悪く、現地の医療スタッフの協力を得ることで実施が可能となりました。

【派遣者】
計17人(医師8人・看護師3人・薬剤師1人・調整員3人・運転手2人)AMDA本部:調整員1人/パキスタン支部:外科医4人(バカイ医科大学病院)・運転手2人(バカイ財団)/アフガニスタン支部:医師4人・看護師3人・薬剤師1人・調整員2人(カブール市の政府系組織AHDS「アフガン保健・開発サービス」他)