
農業事業で収穫された野菜
岩尾 智子
インド・ブッダガヤにある AMDA ピースクリニック(APC)で母子保健事業を展開する AMDA は、農業事業として、郊外で野菜、果物、米を育てています。収穫した農作物の一部は、APC を利用する母親たちに配布されるほか、マタニティークラスで提供される軽食にも使われています。また地域コミュニティーを中心に無料で食事を提供する『AMDA あおぞら食堂』の食材としても利用されています。
毎週水曜日に開催されているマタニティークラスでは、健康教育や栄養プログラムを行っています。参加者のスマン・クマリさんは、採れたてのオクラを受け取り、次のように話しました。

マタニティークラスの様子
「妊娠初期から APC に通っていますが、ここに来ると気持ちが安らぎます。スタッフと話せる上、クラスに参加することで、たくさんのお母さんたちと友達になれました。おしゃべりをしていると、自然と笑顔になり、ストレスを忘れてしまいます。幸せな時間です。今日、帰り際にスタッフから『洪水で被災した地域の女性たちに生理用ナプキンを配布するので、梱包を手伝ってほしい』と声を掛けられました。私を含め多くのお母さんが協力して作業を行い、良い経験になりました。お金での支援はできなくても、少しでもお役に立てたことが嬉しかったです。さらに、新鮮な野菜までいただき、ありがとうございます。ここで人と助け合いながら過ごせること、そして、支えてくださる皆さんに感謝しています」

生理用ナプキンの梱包作業
2014 年の開始以来、APC の母子保健事業は、多くの方々に支えられてきました。(株)フェリシモ様には、2023 年より『Her smile 基金』を通じて、継続的なご支援をいただいています。
応援してくださる方がいることは、AMDA 本部ならびに現地のスタッフにとって、大きな励みとなっています。皆様からの温かいご支援に重ねてお礼申し上げます。AMDA では、現地の厳しい環境下で暮らす女性たちが安心して妊娠期・産褥期を過ごせるよう、これからも活動を継続していきます。