モンスーンで被災したインドの『お年寄りの家』に穏やかな日常をもう一度(2025/7発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
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モンスーンで被災したインドの『お年寄りの家』に穏やかな日常をもう一度(2025/7発行ジャーナル夏号)

インド事業担当 岩尾 智子

 6月1日、貧困率の高いインド・ブッダガヤにある『お年寄りの家』は、モンスーン(季節風)による暴風と大雨で被災しました。お年寄りが暮らす部屋は無事だったものの、台所部分と牛舎の屋根は吹き飛ばされ、鉄骨の柱も曲がり、吹きさらしの状態になっています。

 ここは、身寄りのないお年寄りにとって、終の棲家(ついのすみか)となっており、現在、24 人のお年寄りが 1 つの大部屋に肩を寄せ合って暮らしています。この施設の設立者であり、2009 年にブッダガヤに開院した AMDA ピースクリニックの元職員であるベーダ氏から緊急支援要請があり、AMDA は『お年寄りの家』の修繕を支援することを決定しました。

 現在、台所が使用できないため、お年寄りが暮らす大部屋の隅の小さいスペースで、軽食を用意するか、地元の支援者に食事を提供してもらう綱渡りの日々が続いています。さらに、暑い日が続く中、屋根のない牛舎にいる牛は、炎天下で過ごしており、このままでは体調を崩してしまいます。搾乳した牛乳は施設に暮らすお年寄りに提供し、余剰分は売って、『お年寄りの家』の運営費に充てられます。牛は、重要な収入源です。

 本格的なモンスーンシーズンが到来する前に修復できるよう、6 月 14 日に修繕工事が始まりました。一日も早く、お年寄りが安心して暮らせる日常が戻るよう、AMDA は工事の進捗を見守り、応援していきます。