バングラデシュ・メグナ川フェリー転覆事故に対する緊急救援活動
〜AMDAバングラデシュ・日本バングラデシュ友好病院合同緊急医療チームからの報告〜
2014年5月15日夕方、バングラデシュの首都ダッカから約30キロメートル離れたメグナ川を航行するフェリーが強風にあおられ転覆した。
フェリーの乗船者リストがないため正確な人数は把握できないが、54名の死亡が確認されており、さらに100名以上が行方不明者とみられている。
この事故を受け、AMDAバングラデシュと日本バングラデシュ友好病院は、医師、看護師、救命救急士、ヘルスアシスタントを含む合同救急医療チームを事故現場に派遣。自力で沿岸に泳ぎ着いた生存者の傷の手当てや、心肺蘇生、水をはかせるなどの救急処置を行った。
医療救援活動は、翌16日の午前中まで続けられ、救助された生存者のみならず、救助の遅れに対する不安・不信感で情緒不安定になった被害者家族の精神的ケアも行った。
また、高温多湿の環境の中、活動するレスキュー隊や救助された人たちに対して、経口補水液や生理食塩水などの補給、さらに酸素吸入や投薬が必要な患者に対しても対応することができた。
AMDAバングラデシュと日本バングラデシュ友好病院は、AMDAの3つのコンセプトである「開かれた相互扶助」「パートナーシップ」「ローカルイニシアチブ」の考えの元、病気、事故、自然災害などに苦しむ人々のために編成され、活動を続けている。
今回の事故では、医療チームに加え、組織的な救助チームの必要性も強く感じた。