AMDAフードプログラム インドネシア研修生受け入れ 研修報告
AMDA野土路農場では、新庄村と共同で、アジアへの有機農業技術移転プログラムを実施している。本プログラムはアジアからの農業研修生を日本で受け入れ、研修を行い、帰国後にフォローアップ研修を行う2部構成で行われている。
2013年度は、インドネシアマリノ村からの研修生2名を招へいし、田植えの時期から収穫までを経験すべく、4月から9月末までの6か月間を研修期間としていた。9月30日の活動報告会をもって、日本での研修が終了した。
研修地となったAMDA野土路農場(新庄村野土路地区)での有機・あひる水稲同時作農業を用いた稲作のほかにも、村内の有機農業技術者らの協力を得て野菜作りや花作りなどの指導も受けた。さらには有機農業の基礎となる、土づくり、炭作りなどの研修もとりいれ、短い滞在時間ではあったが、有機農業の基礎となる研修を実施することができた。
研修生2名の受入れに対しては、AMDAスタッフが日常生活においてのサポートを行 った。さらに、新庄村アジア有機農業連絡推進協議会など、多くの村内にある任意団体や住民の協力を得て、地域のお祭りへの参加、幼稚園小学校などとの交流なども実現した。
さらに研修最終日の9月30日には、新庄村公民館でインドネシア研修生による研修報告会を実施した。村民の方々など約40人が集まる中、2名の研修生による活動報告を行った。
4月の土づくりから始まり、収穫までを体験した2名は、「まずは堆肥づくりから始めて、早く実践したい。稲作だけでなく、野菜作りもしたい。美味しい農産物をマリノ村の人たちに食べさせたい。AMDAスタッフだけでなく、新庄村の皆さんにお世話になり、有機農業だけでなく、思いやりの心など、たくさんのことを教えていただいた。ほんとうにありがとうございました。」と話した。
研修生2名は研修を終え、帰国の途についた。今後はインドネシアスラウェシ島で彼女たちが指導者となり、有機農業をスタートさせる。
研修生2名の感想
【研修生・デンラ氏】
新庄村で6か月間過ごし、今では新庄村がまるで自分の故郷のように感じる。この研修では、たくさんのことを学んだ。研修の目的でもある「有機農業の技術」については、ンドネシアと日本の技術や設備の差はあるが、インドネシアでできることは持ち帰って、是非その考えと技術を広めたい。
ほかにも、新庄村の方々との日々の交流や、村外での研修などを通じて、日本の文化や習慣を肌で感じることができた。特に、日本人が持つ、清潔に対する観念には、来日直後から感銘を受けた。他にも、正直であること、高齢者や障がい者も尊い、尊重する姿勢などは素晴らしい文化だと感じた。さらに日本の教育の高さ、素晴らしさを知ることができたこともこの研修での成果だった。
【研修生・イカワティ氏】
6か月という短い滞在ではあったが、とても勉強になった。この研修を通じ、前にも増して農業が好きになった。日本で学んだ有機農法を、マリノに戻ってからも、実践したいと思っている。
日本では、高齢者がいつまでも仕事を楽しんでおり、活躍しているのが素晴らしいと思う。また、日本の教育は、とても丁寧で充実しており、そのことを知ってとても感激した。子供たちも、みんな素直で親切だった。それも、きちんとした教育の賜物だと感じた。