2015年12月1日、GPSP世界平和パートナーシップ構想のもと、フィリピン、レイテ州タクロバン市サンホゼ地区にある体育館において、AMDAとレイテ州元副知事、現レイテ州議員であるバグラヤ議員が協力して和平構築の一環として「医療と魂のプログラム」を開催しました。サンホゼ地区は、2013年フィリピン台風30号がタクロバン市で最初に上陸した地区です。
2000年に「AMDA医療と魂のプログラム」としてフィリピンで始まり今年で15年を迎えた当プログラムでは敵味方なく、第二次世界大戦で亡くなった全ての方々と災害で亡くなった方への慰霊を現地の宗教者、日本からの宗教者、現地の人々と一緒に協力して行っています。2015年は、第二次世界大戦終戦70周年の節目の年であり、来年は日本とフィリピンの国交正常化60周年にあたります。今年は、日本から天理教岡山国際救援委員会代表平野恭助様、関根慶三様、ほか2名にご参加いただき、台風30号がフィリピンを直撃してから2年を迎えたタクロバンの方々約40名と一緒に慰霊を行いました。
慰霊祭のはじめに、バグラヤ議員から「医療と魂のプログラム」についての説明があった後、地元の神父様による祈りが捧げられたました。困っている人がいたら手を差し伸べることの大切さやどんなときでも笑顔があふれるフィリピン人の良さについて、神父様からお話がありました。続いて、平野様と関根様による天理教の祈りが捧げられ、困ったときにはお互い助け合うことで、互いの理解を深まること、そしてその大切さについて述べられました。タクロバンの市議会議員とレイテ州議員からは、真のパートナーであるAMDAが行ってきたフィリピン台風30号緊急救援から復興支援に対する感謝の意が述べられ、最後に、タクロバン市サンホゼ地区長による閉会の辞で終了しました。
翌日には、タクロバン市が例年行っている“都市部の貧困層に対する支援週間”の一環で行われた医療ミッションに、AMDAの看護師1名がレイテ医師会とともに参加しました。AMDAが日本医師会、福山市医師会と協力して再建を支援したレイテ医師会館が会場の一つとして使用され、レイテ医師会所属の医師8名、6名のインターン、タクロバン市から派遣された看護師2名により、台風30号でタクロバン北部に移住を余儀なくされた人々を含む100名以上の患者さんを診察することができ、医薬品も無料で提供しました。医療ミッションではAMDAの支援団体が寄贈した体重計や聴診器も活用しました。診察を終えた患者さんからは、医療活動に対する感謝の言葉が聞かれました。