5月中旬にスリランカ全土を覆った低気圧により、17日夜の時点で水害と地滑りが発生。主要な河川の水位が上昇し、特に西部・中部の各地(コロンボ、カトゥナヤカ、ラトマラナ、マンナー、トリンコマリー、クルネーガラ、ケガッレ、ヌワラエリヤ、ラトナプラ、カルタラ、キャンディー、プッタラム、バッティカロア、アヌラダプラ)で洪水が起きました。
5月末までの死者数は100人を超え、行方不明者も依然として多く、当局は豪雨と地滑りによる被災者の数が全国でおよそ25万人に上るとしています。こうした中、AMDAスリランカ支部は現地協力団体であるSt. John Ambulanceと共に、最も被害が深刻であった一部の地域で支援活動を行いました。
6月2日、AMDA本部より調整員がコロンボ入りし、スリランカ支部に合流。
豪雨はおさまり、人々は普段の生活を取り戻しつつあるものの、未だに多くの住民が家財道具や住む場所を失ったままです。また今後も地滑りの可能性があるとして、一部の地域は立ち入り禁止となっており、自宅に戻りたくても戻れない人が数多くいます。
今回の支援の一部として、AMDAはAMDAスリランカ支部、St. John Ambulanceそしてライオンズクラブ・ネガンボ支部と協力して被災地域にあるマルワナのヤバラルワ・アナンダ小学校に生活物資支援を行いました。コロンボから約20キロの距離にあるヤバラルワ・アナンダ小学校では、学校の一部が浸水し、校舎の上階を利用して地域住民80世帯が避難しました。なお、この学校には1年生から5年生まで136人の生徒が通っており、生徒達は季節労働者として労働に従事しています。
どの生徒も今回の水害で何らかの被害を被っていることから、AMDAは同校への支援を決定し、全ての生徒に通学カバンを贈呈しました。子供達はカラフルなカバンを友達同士で比べ合うなどして、喜んでいる様子でした。同校の校長先生、先生、保護者達からも大いに感謝されました。
また衛生環境面の支援として、AMDAでは飲み水を汚染から守り、子供達に安全な水を確保する為、学校にある井戸の補修を検討しています。
今回のスリランカ洪水・地滑り災害支援は、AMDAと立正佼成会一食平和基金と合同で行っています。