2022年度年次報告 災害支援事業(その他)(2023/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2022年度年次報告 災害支援事業(その他)(2023/7発行)

AMDA・JA 岡山 緊急時物資支援センター みつSTATION 開所式

◇開催場所: AMDA・JA 岡山 緊急時物資支援センター みつSTATION
◇開催日: 2022 年10 月14 日
◇主な参加者・団体(敬称略):
元御津町長: 安信 治雄
岡山市農業協同組合:経営管理委員会会長 / 宮武 博 代表理事理事長 / 岡 信明 常務理事 / 太田 誠一 広報担当 / 久山 隆一
特定非営利活動法人AMDA:理事長 / 菅波 茂 南海トラフ担当 / 大西 彰 他スタッフ2 人
ソーデン社:社長代理 / 武元 義和
智商ロジスティクス:社長 / 河合 智哉
◇参加者数: 地域の方々、約30 人

◇事業内容:
AMDA は、2015 年より「AMDA 南海トラフ災害対応プラットフォーム」を立ち上げ、多くの自治体や医療機関、更に様々な企業と協力し、南海トラフ地震・津波が発生した場合にはできる限り迅速に、必要な医療支援などを行えるよう事前に準備を進めている。これまで派遣医療チームの食料や支援物資の保管計画を準備していたが、新たに岡山市農業協同組合(JA 岡山)様にご協力いただき、2022 年10 月、「緊急時物資支援センター みつSTATION」を開設した。

今後、「みつSTATION」は、派遣医療チームの食料の一時的保管やお預かりした支援物資の保存など様々な形で使用する予定。

 

写真展「写真で語るウクライナ避難者支援」、岡山市と大阪府堺市にて開催

1.岡山市

◇開催場所: 岡山県生涯学習センター
◇開催日: 2022 年8 月19 日〜 21 日
◇主催側参加チーム構成:
大学生有志、岡山県立大学大学院生、AMDA 中学高校生会、AMDA 本部
◇来場者数: 115 人

◇受益者の声(ご来場いただいた方々のメッセージより):
「写真展でウクライナの方々に起きていることを知ることができた。」
「一日も早く笑顔と日常が戻ってきますように。」
 
◇事業内容:
AMDA は2022 年3 月よりハンガリーを拠点に、「ウクライナ避難者支援活動(2023 年1 月より「ウクライナ人道支援活動」に名称変更)」を行っている。2022 年10 月までAMDA より派遣された医師、看護師、調整員が、活動報告とともに現地で撮影した写真を毎日送ってくれた。活動の写真だけでなく、活動にかかわる多くの「人たち」の写真が送られてくる。なるべく多くの方々に見ていただきたいと、同年8 月、AMDA 本部のある岡山市内で写真展を開催した。

写真展では、写真42 枚とともに、派遣者から伺った写真にまつわるエピソードを一緒に展示した。加えて、避難してきたウクライナの方々が派遣者に「ウクライナは美しい。平和になったら是非来てほしい。」と話されたと伺い、人道危機前のウクライナの風景の写真をお預かりした。美しい街並みや自然といった景色、そして今は会えないという家族や友人との写真なども、この写真展で展示した。

また、ハンガリー・ベレグスラーニーのヘルプセンターにて、ウクライナの子どもたちが絵を描いた布を日本に持ち帰った。今度は、写真展に来場した子どもたちがその布に「平和」をテーマに絵を描いた。写真展が終わるころには、白い長い布に、子どもたちが描いたウクライナや日本の旗、そのほか思い思いの絵であふれていた。

ご来場いただいた方々に、帰られる前に、写真展の感想や自身が感じた思いなどメッセージカードに書いていただいた。この写真展で避難されたウクライナの方々の現状を知ることができたという方、そして一日も早い平和への願いを書かれている方も少なくなかった。

尚、この写真展は主に大学生有志が中心となって準備を進め、AMDA 中学高校生会が写真と一緒に展示するエピソード作りを手伝った。更に写真展当日は、岡山県立大学大学院生及びAMDA 中学高校生会も一緒に設営・運営していただいた。
 

2.大阪府堺市

◇開催場所: コクリコさかい「堺市立男女共同参画センター」
◇開催日: 2022 年12 月2 日〜 4 日
◇協力: 堺 自由の泉大学
◇後援: 浄土宗 正明寺(堺市堺区)
◇主催側参加チーム構成: 大学生有志、ボランティア、AMDA 本部
◇来場者数: 252 人

◇受益者の声(ご来場いただいた方々のメッセージより):
「支援したいけど、どうやって支援していいかわからなかった。」
「大阪での開催だったから来れた。」
 
◇事業内容:
8 月の岡山に続き、12 月には大阪府堺市にて、堺 自由の泉大学様のご協力、そして浄土宗 正明寺様よりご後援をいただき、写真展「写真で語るウクライナ避難者支援」を開催した。

この写真展では、前述の岡山市での写真展で展示した写真・エピソードに、直近の活動写真などを加えた合計50 点を展示。そして、ウクライナと日本の子どもたちが描いた絵、ウクライナ避難者からお預かりした人道危機前の美しい風景や今は会えない方々との写真も、同じ会場に飾った。

実質2 日間の会期となったが、今回ご協力いただいた堺 自由の泉大学受講生含む252 人が写真展に来場された。岡山市での開催同様、帰る前に来場者に思ったことを何でもメッセージカードに書いていただきたいとお願いした。「まだウクライナでは危機が続いていることを実感した。」「現地での支援の様子がよくわかりました。」という声、そして「一日も早く皆さんが祖国に戻り、心から笑える日が来るよう祈っている。」といった平和への祈りの声を多くお預かりした。

また、12 月3 日には、AMDA 理事が同会場にて講演を行った。天災はやめられないが人災はやめられること、ウクライナの子どもたちが戦争を知る世代となったことに対して、大人は今後どう伝えていくのか、そしてAMDA と一緒に国籍を問わずウクライナの避難者を支える方々の話など、自身が2 度、ハンガリーでの支援活動で感じた経験を踏まえ、話をした。「日本の平和の中にて、本当の大変さや苦しさを実感できてなかった。」などの感想もいただいた。

今回の写真展も前回同様、大学生有志が中心となって準備を行い、当日は関西地区在住のボランティアの方々に設営や運営などに携わっていただいた。

AMDA は更に多くの方にご覧いただきたく、別の機会も検討していけたらと考えている。
 

その他

日程 プロジェクト 受益者数(2022 年度) 活動内容
2022 年12 月
〜 2023 年1 月
大使館訪問 駐日外国公館など
14 公館
2 関係機関
3 関係者
【活動内容】*1)
AMDA は、2012 年より毎年、AMDAの活動地域である国と地域の公館および関係機関、関係者を表敬訪問し、1 年間の活動報告とともに、感謝の意として岡山県新庄村の有機米を贈呈。2022 年度はウクライナ避難者人道支援活動でご協力いただいた駐日ハンガリー大使館、パラノビチ大使閣下を表敬訪問し、ウクライナ避難者支援活動報告とともに、初めて新庄村の有機米を贈った。
2022 年
12 月23 日
出版*2)
「見放さない!その命 ウクライナ人道支援日誌〜世界大動乱(大恐慌)を乗り越える〜」
発行部数: 2,500 冊 【活動内容】
2022 年3 月より10 月までハンガリーに派遣した時のウクライナ人道支援活動について、医療者、調整員等の派遣者から届いた現場からの最前線リポートを編纂。加えて、派遣者、関係者、支援者、ハンガリー、ウクライナ国内の機関等からのメッセージに加えウクライナの風景や活動写真も収録。また、世界大動乱を乗り越えると題して、菅波代表のこれからの世界経済と潮流についての評論も掲載。岡山県内の公立の教育機関、図書館等に寄贈。
 

*1)

 *2)