プロジェクトオフィサー 金高 摩耶
現地時間2023年9月8日午後11時、モロッコ中部マラケシュから南西70キロにあるハウズ州を震源にマグニチュード6.8の地震が発生。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の発表によれば、被災者は38万人に上りました。AMDAは、13日に看護師2名を現地へと派遣。同国政府の方針により単独での活動が制限されたため、現地協力団体『シーファ・ファウンデーション』と共に救援活動に参加しました。
14日にモロッコに到着した一行は、翌日に現地協力団体と合流し、ハウズ州タハナウト周辺でニーズ調査を実施。16日から17日にかけて、オカイムデン付近の村や、タハナウトから車で約2時間の僻地で行われた医療支援活動に参加しました。発災から一週間が経過していたこともあり、持病のある患者や応急手当後の対応が中心となりました。また20日には、マラケシュ空港近くの倉庫にて、支援物資の仕分け作業に参加し、薬の使用期限の確認や衛生用品の仕分けを行いました。21日から28日にかけては、ティフェル、イミンタノート、ティジ・ウッスム、アヌブドゥール、エイト・モーレイ・アリの計5ヵ所の村で巡回診療に参加しました。細い山道を約3時間かけて移動する中、崩落箇所の迂回を余儀なくされる場面もありました。
訪れた村々の多くは医療インフラが整っておらず、血圧測定の様子ですら子どもたちの興味の的でした。一方、子どもたちが描いた絵には倒壊家屋や負傷者が描かれており、メンタルケアの必要性が確認されたことから、これをチーム全体で共有しました。余震を恐れ、屋外で避難生活を送る住民の姿も見られる中、現地では、一刻も早い生活の再建を目指して、学校用のテントの設置や、建築家による仮設住居の設置などが本格化していました。