- 令和3 年度岡山県WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業「Well-being フォーラム」事前セミナー
- 災害への備えについてネパールのAdrasha Vidya Mandir 学校の生徒を対象に講義
- インド・ブッダガヤにある学校の生徒にAMDA 賞を授与
令和3 年度岡山県WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業「Well-being フォーラム」事前セミナー
◇開催場所:オンライン◇開催日:2022 年2 月12 日、3 月5 日
◇参加校(敬称略):
*カリキュラム開発拠点校
岡山県立岡山操山中学校・高等学校
*事業連携校
岡山県立岡山一宮高等学校、岡山県立岡山城東高等学校、岡山県立岡山工業高等学校、岡山県立倉敷天城中学校・高等学校、岡山県立倉敷中央高等学校、岡山県立玉島高等学校、岡山県立津山中学校・高等学校、岡山県立和気閑谷高等学校、岡山県立岡山大安寺中等教育学校、Sacred Heart College 高校(オーストラリア)
◇事業協働機関(敬称略):
岡山大学、岡山県立大学、岡山県経済団体連絡協議会、ベネッセコーポレーション、JETRO 岡山、JICA 中国、岡山県、岡山市、AMDA
◇事業内容:
文部科学省の採択事業として、岡山県教育委員会は、「未来の岡山と世界のWell-being※の実現に貢献するグローバル・リーダーの育成」を目的としたWWL コンソーシアム構築支援事業を実施した。これは、岡山県操山中学校・高等学校を拠点校として、その他9校の県立高校と県立中等教育学校、海外姉妹校1校がネットワークを作り、岡山県下の大学、自治体、企業、NGO と連携しながら、高校生自らが考え、学び、主体的に行動し、責任を持って社会変革を実現していく力を備えたグローバル・リーダーの育成を目指している。参加生徒は、課題研究などに取り組み、相互交流などを通じて、すべての人が身体的、精神的、社会的に幸福“Well-being” な社会の実現のための方策について探究した。
この事業の一環として、2 月12 日、AMDA 理事、佐藤拓史医師が、オンラインでつながった拠点校、連携校の高校生たちに“Well-being” と題し講演を行った。佐藤医師が生徒たちにそれぞれの経験の中で「想像力と深く考えることの大切さ」を伝えた。また、「人生は選択肢に溢れている」「思い込みを越えたところに新しい可能性が広がっている」「人生の最期までどのように生きるかは自分で決められる」というメッセージも込められていた。
また、3 月5 日にオンラインで行われた、『Well-being フォーラム』 では、午前中の課題研究発表会に続き、AMDA菅波代表が「『限りなき挑戦、夢を求めて海外に舞い立つ』〜多様性 の共存は総論(普遍性)を前提に、ローカルに考えグローバルに活動をする〜」と題して、基調講演を行った。「多様性の共存」というAMDA の活動理念の下、人道支援の三原則に加え、プロジェクト実施の三原則「開かれた相互扶助」「パートナーシップ」「ローカルイニシアチブ」について、様々な国や地域での支援活動を紹介し、「知識は他人の経験に過ぎない、充実した人生を生きるためには知識を超えた『知恵』が必要。知識を『知恵』に昇華するために大切なのは経験だ」と語った。
※ Well-being とは、WHO が定義した「健康」を指す事例が多く、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO 協会訳)」という意味を持つ。
◇参加者の声:
・「相手の立場を考えて自分が思う幸せを願ったつもりでも、幸せの物差しは本当にその人の立場に立ってみないと分からないのだと思いました。だからこそ、佐藤先生が現場に行くことは本当のニーズを探す姿勢なのだと実感しました。」
・「講演を聞き、困っているから助けるなどの単純な理由ではなく、「なぜ?」という説明をきちんと伝え、自分は裏切らない、逃げないという意思を伝え、信頼関係を深めた関係を大切にしていきたいと思いました。コミュニケーションを大事にし、相手が持つ価値判断を理解することで多文化共生を目指していきたいです。そのための経験を大切にし、知識を知恵に昇華していきたいです。」
災害への備えについてネパールのAdrasha Vidya Mandir 学校の生徒を対象に講義
◇開催場所: オンライン◇開催日: 2021 年7 月20 日
◇参加者: (AMDA 本部)アルチャナ シュレスタ ジョシ/Adrasha Vidya Mandir 学校 校長先生、教員、生徒、親約220 人
◇事業内容:
2015 年、ネパールは大きな地震に襲われ甚大な被害を受けた。地震で多くの学校施設が全半壊した。ただし、地震が発生したのは学校が休みだった土曜日の昼間だった為、学校内での人的被害はなかった。
ネパールの教育機関は、地震前の防災意識の低さを反省し、防災教育の必要性を強く認識し、学校内で防災訓練を行うようになった。しかし、2019 年末からの新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、現在は外出などの行動制限措置(ロックダウン)が実施され、授業はオンライン中心で行っている。したがって、集団での防災訓練は未だ実施されていない。しかし、災害はいつ起きてもおかしくないと考えたAdrasha VidyaMandir 学校のスジャータ校長からAMDA スタッフに1 通のメールが届いた。メールの内容は「小学6年生、中学1・2 年生の生徒を対象に地震の備えについてお話をしてほしい」とのことだった。この、メールを受け取ったネパール出身のスタッフが若者に自分の経験を伝え、彼らが学んで考えてもらうことは今後の彼らの成長につながると考え、その依頼を快く引き受けた。
2021 年7 月20 日はAdrasha Vidya Mandir のスジャータ校長はじめ、教員、生徒、保護者を含む220 人がZOOMによるオンライン授業に参加してくれた。授業の内容はAMDA の相互扶助の理念に基づく活動について、そして地震への備えについて話をした。
◇参加者の声:
Adrasha Vidya Mandir 学校の校長スジャータ先生より、「ネパール地震の時パニックになって大けがをしたり、命を落としたりした方々が多くいました。今日の講義で事前の備えをきちんとしておけば、災害が起きた時にパニックにならずにスムーズに行動ができることが分かったので定期的に防災訓練や防災リテラシーに力を入れていきたいと思った。今後も引き続き災害への備えについて講演をしていただきたい」とコメントをいただいた。
インド・ブッダガヤにある学校の生徒にAMDA 賞を授与
◇実施場所: インド・ビハール州・ブッダガヤ◇実施日: 2021 年12 月25 日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA 賞委員会5 人、ジーナアミタッブ無償寄宿学校
◇受益者数: 10 人
◇受益者の声:
「ジーナアミタッブ無償寄宿学校で10 年生まで勉強
し現在は学校の支援を頂き大学でグラフィックデザインの勉強をしています。グラフィックデザインは相手にメッセージを伝えたり、アイデアを思い浮かばせる素晴らしい学問だと思います。
現在アルバイトなどして少し収入はありますが、今回、賞をいただいて勉強に使う時間が増えました。本当にありがとうございました。」
◇事業内容
AMDA が最初にジーナアミタッブ無償寄宿学校と一緒に活動したのは、2018 年のこと。日本のAMDA 支援者様からご寄付いただいた衣類などを現地の人たちに配布したことがきっかけだった。加えて、2018・19 年に地元ブッダガヤロータリークラブと協力してヘルメットの配布を行った際、地元ロータリークラブとAMDA とのつなぎ役となったのがこの学校の事務局長であるビクラム氏だった。このようなご縁から、コロナ禍でも挫けず勉学を続けている生徒に「AMDA 賞」を授与することができた。
今回、2021 年12 月25 日、学校の事務局長、理事、校長先生、地元ロータリークラブメンバーなど5 人からなるAMDA 賞委員会が選出した生徒男女10 人に「AMDA 賞」トロフィーと500 ルピー(約710 円)を授与した。各受賞者は参考書、文房具を購入するなど、勉学に必要な費用の補填に、この500 ルピーを使用した。