2020年度年次報告 災害支援(緊急支援) インドネシア(2021/7発行) – AMDA(アムダ)
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特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2020年度年次報告 災害支援(緊急支援) インドネシア(2021/7発行)

スラウェシ島 鉄砲水災害被災者緊急支援活動

◇実施場所: 南スラウェシ州北ルウ県マサンバ

◇実施時期: 2020年7月17日〜7月19日

◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:

AMDAインドネシア支部、AMSA(アジア医学生連絡協議会)ムスリム大学支部 (医師5人、医学生5人)

◇受益者: 地方防災局、モスク(避難所として使用)、被災地域数カ所、医療機関など



◇事業内容:

2020年7月13日、南スラウェシ州にある北ルウ県マサンバにおいて、鉄砲水による水害が発生。地域住民をはじめ、家屋や交通機関までもが濁流に流された。インドネシア防災庁及び国家救命隊の情報によると、4,202世帯が被災し、21人が犠牲となり、156世帯は住む場所を失った。水害、そして水が運んできた土砂により、浸水や全壊となった家屋も多く見られた他、村と村を繋ぐ橋が分断されるなど、住民の生活に甚大な被害が出た。



合同チームは、17日より被災地のマサンバの避難所や救護所にて医療支援を実施し、被災者の方々へ必要な処置や処方などを行った。また、物資が足りていない避難所へは、毛布、紙おむつなどの日用品や食料の支援も合わせて行った。



また、公的病院を含む地域の主要な医療機関では、水害の影響で適切な医療サービスの提供に困難が生じていた。そのため合同チームは、現地医療機関及び地方防災局へ医薬品や衣服、毛布を支援した。また、アンディ・ジェンマ病院(AndiDjemmaHospital)、ヒクマ病院(HikmahHospital)などの現地医療機関に対しては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための個人防護具や消毒液の配布を行った。

 

スラウェシ島 地震被災者緊急支援活動

◇実施場所: 西スラウェシ州マムジュ県、マジェネ県

◇実施時期: 2021年1月16日〜1月20日/1月29日〜2月4日

◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:

AMDAインドネシア支部、ムスリム大学医学部、AMSA(アジア医学生連絡協議会)ムスリム大学支部

◇受益者数: 60人以上



◇事業内容:

2021年1月15日未明(現地時間)、インドネシア・スラウェシ島西部を震源とする、マグニチュード6.2の地震が発生。インドネシア国家防災庁の発表によると、この地震による死者数は91人、行方不明者数3人、重傷者数404人(1月22日時点)、避難者数は91,657人(1月28日時点)を記録した。



 

AMDAインドネシア支部は、発生翌日の16日、ムスリム大学医学部、AMSAムスリム大学支部やその他協力団体らと、医師4人を含む総勢16人から成る第1次医療チームを結成し、被災地に向け出発。17日にはマジェネ県にて、医師による被災者の診察を開始した。また、被災者への物資支援も実施。チームが被災地域を訪れ、食料や毛布、赤ちゃん用おむつなどを配布した。車両で入れない村には徒歩で赴き、時には2キロ先にある地域まで歩き、活動を行った。カビラアン村では家が損壊したためマットを配布し、更に停電も起きていたため、チームが活動用に持っていた発電機セットを贈呈した。



その後の1月29日、同支部と同大学医学部は、医師3人、学生9人から成る第2次医療チームをマムジュ県及びマジェネ県に派遣。第1次チーム同様、避難所などにて被災者の診療や食料・衣類・医薬品・個人防護具などの物資支援を行う他、被災した子どもたちの精神的ケアとして、話をして元気づけるストーリーテラーチームも今回参加。避難所内のテントに集まった子どもたちは、ストーリーテラーの話に大声で笑い、大きな声でストーリーテラーとのかけあいに応える姿も見られた。