ハリケーン被災者支援活動(AMDA-MINDS合同)
概要
◇実施場所: 首都テグシガルパ市、エル・パライソ県テウパセンティ市、テクシグア市◇実施時期: (緊急支援)2020年11月17日〜12月24日
(復興支援)2021年2月〜継続中
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDAホンジュラス支部、テウパンセンティ市緊急対策委員会、テウパセンティ市サラディーノ地区保健委員会、保健所
◇事業内容:
2020年11月、ハリケーン「エタ」と「イオタ」が相次いでホンジュラスを直撃。死者数99人、466万人以上が被災した(2020年12月3日ホンジュラス政府発表)。駐日ホンジュラス共和国特命全権大使アレハンドロ・パルマ・セルナ閣下からの支援要請を受け、AMDAは特定非営利活動法人AMDA社会開発機構(以下、AMDA-MINDS)と合同での緊急支援活動を決定した。
12月に現地での緊急支援のニーズがないことを確認し、緊急支援活動は終了した。しかしながら、ハリケーンによる被害は深刻であり、その後も現地協力団体らと協議を重ね、AMDA-MINDSと合同で、エル・パライソ県にて現在、復興支援を実施している。
1)緊急物資支援
◇実施場所: テグシガルパ市、エル・パライソ県テウパセンティ市◇実施時期: 2020年11月17日〜12月24日
◇受益者数: 91世帯と10人
◇受益者の声:
「家の壁が崩れ避難してきたが、何とか直して元の生活を取り戻せるように頑張りたいと思っている。このたびの支援にとても感謝している。」
◇事業内容:
AMDA-MINDSの現地スタッフは、現地協力団体らと情報収集の上、11月から12月にかけ、首都テグシガルパ市内の2カ所の避難所に身を寄せる家族に赤ちゃん用おむつやミルク、掃除用具などの物資を配布した。更に、ホームレスの方々にとっての避難所であり、麻薬中毒者の更生施設としても使用されている老人ホーム、そして孤児院にも清掃用具や石鹸、洗剤など提供した。
また、AMDA-MINDSの活動地域である、同国南部のエル・パライソ県での被害状況や支援ニーズも確認。テウパセンティ市緊急対策委員会と連絡・調整し、12月7日から8日にかけ、同市内で支援が行き届いていない被災した50世帯に食料、毛布、衛生用品のセットを配布した。同時に、乳幼児のいる25世帯には、おむつなどもあわせて支援した。
2)復興支援
◇実施場所: (農業技術支援)エル・パライソ県テクシグア市(小学校屋根改修)エル・パライソ県テウパセンティ市
◇実施時期: 2021年2月〜継続中
◇受益者: 農業技術支援 60世帯及び1小学校/小学校屋根改修 生徒37人、先生1人
◇受益者の声:
(アグア・カリエンテ村の小学校教員より)
「このような支援をしていただけるとは想像していなかったので、感激しています。水がないので子どもたちはトイレを我慢したり、十分に手が洗えなかったりして、衛生上の危険がずっと悩みの種でした。今回ホースをいただき、これでトイレや、手も洗えるようになります。子どもたちの栄養のために、学校菜園も頑張って世話をします。」
◇事業内容:
1)農業技術指導(〜2021年8月終了予定) テクシグア市アグア・カリエンテ村では、今回のハリケーンにより、収穫間近であった主要作物がほぼ全滅した。もともと、この村は乾燥地帯のため、作っている作物が少なく、食糧確保が困難な状況であることを受け、被害を受けた農地回復と同時に、乾燥地帯でも多様な作物を栽培できるよう、2月より農業技術指導を実施。60世帯の農家らは、木を伐採しない、化学肥料ではなく有機肥料を用いるなど、自然の力を生かした「災害に強い菜園づくり」の説明を受け、7カ月間に渡る作業スケジュールに従い、各世帯で土壌を整え、苗木や種を植え、植物の葉など自然由来の材料を用いて除虫剤を作り、より良い農作物ができるように努めている。
また、同村内の小学校でも菜園づくりを開始。同小学校には水が全くなく、15分ほど歩いて川に水を汲みに行く状況であったため、AMDA-MINDS現地チームは水源から水をひくためのホースを寄贈した。このホース贈呈により菜園での農作物栽培だけでなく、それまでトイレを我慢したり、手洗いが十分にできていなかった子どもたちの衛生状態改善が期待される。
2)小学校屋根の改修(〜2021年5月完了予定) テウパセンティ市サラディーノ地区にある小学校は、ハリケーンの激しい雨で屋根が損壊、教室が水浸しになった。今後、降雨により子どもの学習の妨げとならぬよう、復興支援として屋根の改修を決定。2021年2月には同地区保健員会と保健所、大工らとミーティングを実施、材料の確保などの準備を開始した。そして3月下旬、改修作業に入った。