2020年度年次報告 平和構築 その他(2021/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2020年度年次報告 平和構築 その他(2021/7発行)

東日本大震災10年 AMDAオンライン交流会「想いを未来へ かだって(一緒に)つながろう!」

◇開催場所: AMDA本部・オンライン(ZOOM・YouTubeLive)

◇開催日: 2021年3月26日

◇参加者・団体(発表順): 菅波茂/AMDA理事長、難波妙/AMDA理事、佐々木賀奈子/AMDA大槌健康サポートセンター長、坂本正人/復興グルメF-1大会運営事務局長、AMDA中学高校生会2名、大久保彩乃/一般社団法人Tsubomi事務局長、菅谷安美/一般社団法人Tsubomi理事、金高さおり/おかやまコープ全体理事、古舘笑海/東日本国際奨学金受給者、協力自治体、活動関係者、ボランティア、一般参加者 合計38人



◇参加者(派遣者・東日本関係者・一般者)の声:



「10年経った今、私たちにできることは何かを考えると、やはり何度でも東北に足を運び復興していく姿から多くを学び今後の災害に備える。」



「震災当時、高校生だった世代が、これから復興の要となっていくことに大いに期待している。」



「今日まで全国の数えきれない方々に支えられ、復旧から復興へ少しずつ歩んでいます。震災もいつ起こるか予想がつきません。できる限りの想定を今のうちからみんなで考えていきましょう。」



「震災から10年・・・何回だって立ち上がりましょう。東北に対する思い、被災者に対する思いは変わりません。」



◇事業内容:

東日本大震災発生から10年。新型コロナウイルスの影響を受けオンラインにて、AMDAの緊急支援・復興支援事業に関わる東北の関係者、活動関係者、ボランティアから、復興に向けた10年の取り組みについて報告していただいた。



AMDA菅波理事長からは、「災害の経験者の教訓と経験からくる知恵が生かされる。困ったときはお互いさまの精神で災害支援を続ける。東北被災地商店街に呼びかけて東北の物産販売をオンラインマーケットで販売できるしくみづくりをする。コロナ禍で一同に集まれない状況が続く中、オンライン交流を通してお互いが離れていても応援できる形を整える。」などの提言もあった。東北の三陸沿岸商店街と徳島県ホウエツ病院とともに南海トラフ災害支援の支援体制を築いていくといった意見も出た。



また、東北の復興支援に10年間毎年欠かさず東北を訪問し、支援をしてくださったおかやまコープ様から「伝えたい!忘れない!このつながりを大切に。」のメッセージと支援の様子についてもご報告いただいた。

 

フィリピン台風19号・22号被災者緊急支援活動オンライン報告会

◇開催場所: AMDA本部・オンライン(ZOOM)

◇開催日: 2020年12月12日

◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:

AMDAフィリピン支部、フィリピン開発安全女性委員会(WiNDS)、フィリピン市町村保健官協会(AMHOP)イサベラ州支部、カタンドゥアネス州立大学、ルソン緊急支援チーム(LCAT)、AMSA(アジア医学生連絡協議会)ジョネルタ支部

◇参加者数: 38人



◇事業内容:

2020年11月にフィリピンで発生した2つの台風(台風19号・22号)に対して、AMDAは緊急支援活動を実施した。AMDAフィリピン支部、現地協力団体のご協力により、コロナ禍でも被災地に支援を届けることができた。



実際にフィリピンで活動した、フィリピン人の現地協力者4人から活動を応援いただいている日本の皆様へ、オンラインで活動報告を行った。



参加者からは、

「台風直撃後の被災地の様子はどうだったか?現在、被災地はどんな様子か?」

「被害が広範囲にわたる中でどのように被害状況を把握し、どこを優先的に支援すると決めたか?」

「どのような継続的な支援が必要か?」と質問があり、



発表者から

「台風が過ぎ去った後の被災地は爆弾が落ちた後のようだという人もいる。私たちの強い復興力により、全壊した家の再建も始まっている。」

「町役場が持っているデータをもとに、全壊した世帯から優先的に支援した。」

「主な産業が農業である私たちの地域では、農家への支援が必要だと思う。」とそれぞれ返答があった。



オンラインでの開催となった今回は、参加者が全国から集まり、フィリピンの現地主導による災害支援活動を知っていただく機会となった。

 

医療資機材の寄贈

ご寄付いただいた医療器具などの送付準備の様子

◇実施場所: 日本国内

◇実施時期: 2021年3月中旬

◇物資に関するご協力者(敬称略): カクモト商会

◇受益者数: 以下国内5団体(敬称略)

・特別養護老人ホームシルバーピアさくら樹

・特定非営利活動法人TICO

・公益社団法人岡山県鍼灸師会

・朝日医療大学校

・AMDA

海外: インド、ルワンダ、モンゴル



◇受益者の声:

「この度は、たくさんの医療器具や資材をご寄付頂きありがとうございました。私たち「特定非営利活動法人TICO」は、長年に渡りザンビア共和国やカンボジアにおいて、医療支援および農村開発を行っております。(〜中略〜)ご寄付いただいた医療器具や資材の提供先はまだ決まっておりませんが、現地では、非常に高価でかつ入手が難しいものばかりで、現地スタッフには大変喜んでいただけるものであり、彼らのモチベーションの向上に寄与することは間違いありません。

コロナ禍で、現在は我々のスタッフが渡航することが難しい状況ですが、渡航を再開した際には現地へ持参したいと考えております。もうしばらく時間がかかりますが、今から、彼らの喜ぶ顔が目に浮かびます。(いただいた感謝状より一部抜粋)」



「この度は公益社団法人岡山県鍼灸師会への備品の寄付をありがとうございました。災害支援活動を通じて備品を使用して欲しいとご高配に改めて感謝致します。今後の活動に備え、備品の寄付はとても助かります。いただきました品々は(公社)岡山県鍼灸師会の災害支援活動やおかやまマラソンなどのフィールドにおいて有効に使わせていただきます。」



◇事業内容:

2021年2月、医療資機材を扱うカクモト商会様より、AMDAへ医療資機材のご寄付のお申し出があった。カクモト商会様で大事に保管されてきた物資を有効に使用させていただきたいと思い、仕分けをさせていただき、国内外の支援プロジェクトで協力をいただいている複数の団体へ寄贈した。今回のご提供に際し、カクモト商会様より、「亡くなった父も生前行っていたボランティアと重なる「誰かの役に立つ」という形で在庫を活かせたことを感慨深く思っております。お手伝いいただいたAMDAの皆様には心から感謝し、これからも1人でも多くの命が助かるよう祈る思いです。」とお話いただいた。

 

その他の活動

日程プロジェクト名活動場所
(2020年度)
受益者数
(2020年度)
 活動内容
7/6「見放さない、その命!AMDA魂の連携。総社市から全国へ!〜西日本豪雨災害被災者支援活動の教訓と災害医療機動チーム構想〜」出版全国・岡山県
総社市役所・
AMDA
2,000冊
(発行部数)
活動内容:2018年7月に発生した「西日本豪雨災害」、その時にAMDA及び岡山県総社市が行った支援活動についてまとめた書籍を、発生から2年が経った7月6日に出版した。片岡聡一・総社市長や、「被災された方々のために何かできないか」と集まった高校生、今まで総社市が災害支援を行ってきた全国の自治体の中で、総社市に支援に駆けつけた自治体、AMDAの支援活動にご参加いただいた「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」参加医療機関などにも寄稿を依頼した。加えて、翌年2019年10月の「令和元年東日本台風(台風19号)」の被災者支援活動での協力団体らも含め、計73人に災害支援活動の様子やともにご尽力いただいた深い想い、そしてこれから発生が予想されている南海トラフ災害などの大規模災害に対しての対応など、各々に執筆いただいた。
12月頃駐日大使館・関係機関お米贈呈駐日大使館・
総領事館など
21か所活動内容:毎年、AMDA海外支部がある国や地域、AMDAが活動を行っている国の駐日大使館及び関係機関を訪問、1年間の活動報告と、感謝の意として岡山県新庄村の有機米を贈呈している。しかしながら2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により訪問がかなわず、21か所の大使館や領事館含む関係機関へ、有機米をお送りするとともに、活動報告書の送付など、書面で活動を報告した。また、在大阪フィリピン総領事館については、コロナ禍で困窮している場所へご寄付されたいとのご意向をいただいたため、そのお米は岡山県内のこども食堂4団体へ贈呈をした。