ルワンダ学校保健事業(学校健診プロジェクト)
◇実施場所: キガリ州キガリ
◇実施時期: 2020年4月〜継続中(看護師支援2020年11月〜)
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
ルワンダの教育を考える会(医師1人(ルワンダ事務局長)、看護師1人(学校看護師))
◇受益者数: 351人
◇受益者の声:
「これまで、時々心臓がどきどきして、思うように勉強ができませんでした。でも、同じ症状が起きたら、今は看護師さんのところへ行くようにしています。看護師さんは、私を休憩[pagebreak]できる場所に連れて行って下さり、動悸がおさまるまで一緒にいてくれます。動悸がおさまると、私は教室に戻ります。私達の健康にとって、看護師さんはとても大切です。ありがとうございます。」
「学校に看護師さんがいることは本当に重要なことだと思います。なぜなら、僕達は看護師さんが提供してくれる様々なケアを受けることができるからです。看護師さんは薬をくれたり、ケガの手当てをしてくれたりします。この前、腕をケガした時、家に帰るかわりに看護師さんのところへ行きました。マッサージをしてもらい、今はもう大丈夫です。おかげで、気持ちよく過ごせています。ありがとうございます。」
◇事業内容:
生徒の検温を行う看護師
AMDAは2015年以降、ルワンダでの学校保健に関する活動に協力している。現地パートナーの「ルワンダの教育を考える会」が運営する、首都キガリにあるウムチョムイーザ学園をモデル校とし、年に1度小児科医師を派遣し知識・技術協力を行ってきた。現地の要請に応じて実施する学校を増やしていき、2019年度は4校で学校健診を実施した。2020年度は、新型コロナウイルスの蔓延が影響し、現地の学校は長期にわたって休校となり日本からの人材派遣も実施できなかった。
ウムチョムイーザ学園では、看護師が活動していたこともあったが継続的な看護師常駐が難しい状況が続いていた。休校していたこの学校も2020年11月から再開となり、児童に対しての手洗いやソーシャルディスタンスの指導、検温の実施などに対応できる看護師を常駐させ、感染防止をしながら学校教育を円滑に進めたいという「ルワンダの教育を考える会」の意向を受け、看護師の活動をAMDAの業務委託事業として支援することにした。
役割としては、疾病の見極めと予防に関する情報提供、6年生を対象として性教育を通じて望まない妊娠を避け自分の人生を選択できるようにする支援、児童と教師を対象とした衛生教育(口腔衛生、手洗い、入浴など)、緊急時におけるケガの手当てや身体的不調のケア、保護者に対する児童の健康状態のフィードバックなど多岐にわたる。全ての活動は、ルワンダ人医師の指導の下実施している。看護師を置いて5か月となるが、病気で学校を欠席する児童の数が減り、生徒たちの心身の健康改善と学業向上に寄与している。
シナメニェ・チャールズ学園代表は、「コロナ禍において、生徒達の検温を定期的に実施することで、教師側の感染リスクを抑えています。これにより、教師達も安心して授業を行うことができます。ルワンダの子供達に対し、このような唯一無二の機会を与えて下さり、厚く御礼申し上げます。」と、述べられた。