東日本特集(2021/1発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本特集(2021/1発行ジャーナル冬号)

炊き出し、衛生改善事業報告

仙台夜まわりグループ 理事長今井 誠二

今回、AMDAの皆様を通して支援していただいた物資は、炊き出し、衛生改善事業で配らせていただきましたので、その時の様子を報告させていただきます。 いつも仙台の寒い冬を路上で過ごしている人たちのことを憶えていただき、有り難うございます。仙台夜まわりグループでは、毎年、年末年始を挟んで11月?2月まで越冬支援活動で、寒さが身にしみる仙台の冬を乗り切ってもらおうと、炊き出しや食事会、夜まわりなどで、カイロや全国の皆さんが提供してくださった防寒具などを配っています。今年はちょうど越冬支援に入る時期に皆さんがお米や肌着を送って下さったおかげで、タイミング良く渡すことができました。

新型コロナウィルス感染防止のために、ヴォランティア参加は現在休止中ですが、炊き出しではスタッフが手際よく容器にご飯とカレーをよそって、参加の皆さんにも間隔をあけて列を作ってもらい、普段のような手渡しではなく、並べたものを取りに来て貰う仕方で配食をしています。

提供された新しい肌着は、月曜朝に行われているシャワー提供時に配布しました。当事者は温かいシャワーを浴びてから新しい肌着に着替え、抱えてきた洗濯物を洗って乾燥させ、待ち時間には温かいご飯を食べて、またそれぞれの居場所へと帰っていきました。

その日一日を生きるのに精一杯である路上生活者にとっては、年末年始もありません。仙台夜まわりグループでは、公共施設が閉鎖され、居場所がなくなってしまう年末年始は、毎朝おにぎりと味噌汁を配り、声をかけて応援しています。今後とも路上生活者支援のためのご理解とご協力をお願い申し上げます。

東日本大震災から10年、そして今

宮城県気仙沼市・南町紫神社前商店街 事務局長 坂本 正人

東日本大震災から10年が経ちます。当初国は復興期間を10年と示しましたが、津波で流された町も、防潮堤工事が終わらず未だ続いています。土地を返された住民が何軒かは家や店を建てましたが、5年前、戻って再建されると言われていた多くは駐車場に変わり、商店街の周りは空き駐車場だらけです。公営住宅も建ちましたが、なかなか以前のようなコミュニティを保たれてはいません。

商店街においては、3年目が過ぎ、病気などで店を閉めた方が3軒もあり、これも大変な問題です。仮設商店街の時には非常に低い家賃でしたが、今は10倍以上の金額の建設費を各店が支払っています。これが10何年間続くわけです。店を閉められると、残った店主さんたちへの負担となり、これは復興スキームの問題点だと思っています。

日本全体を見ても、毎年のように各地で災害に見舞われ、地球規模で悲鳴を上げている気がします。また、昨年から続くコロナで気力体力を失われた1年でした。しかし、こんなことでは「めげてられねっちゃ(気仙沼弁)」を信念に、地域コミュニティの再建と、商店街の賑わい作りに取り組みます。

10年以上もの長い間支援をして頂いているAMDAさんには本当に感謝しています。