2019年度年次報告 健康増進 プライマリーヘルスケア事業(2020/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2019年度年次報告 健康増進 プライマリーヘルスケア事業(2020/7発行)

インド・ブッダガヤAMDAピースクリニック母子保健事業


◇実施場所: ビハール(Bihal)州・ブッダガヤ地区(Bodhgaya)
◇実施時期: 2009年11月〜現在
◇派遣者(2019年度): 菅波 茂/医師/AMDAインターナショナル代表、難波 妙/調整員/AMDAGPSP支援局長、岩尾 智子/看護師(米国資格・調整員)/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、AMDAピースクリニック(以下、APC)
◇受益者数(2019年度): 延べ354人

◇受益者の声
「2人目の妊娠です。今回もAPCに大変お世話になっています。ご支援いただきありがとうございます。定期的な妊婦健診の機会や医薬品の提供に加え、週1回APCスタッフによる健康教育も開催されます。私も参加しています。友達や同僚など周りの人で妊娠が判った場合には、APCをお薦めします。」

◇事業内容:
APCのあるインド北東部ビハール州ブッダガヤ地区は、世界遺産に登録されている大菩提寺があり11月から2月にかけての観光シーズンに
は世界中から多くの観光客が訪れる。観光業に関わっている人にとっては稼ぎ時である。一方、シーズンが終わると、40℃を超す暑さの夏が待っていて、地元の人たちも外出を控えるようになり、シーズン中に稼いだお金で生活する。APCを利用する妊産婦の家族の中にも観光業に関わっている者がいる。

2009年に開院したAPCは、2014年より妊産婦を対象とした母子保健事業を開始した。通常1年(日曜日・祝日を除く)を通じて開いているが、新型コロナウィルス感染症(COVID19)に関わるインド政府の方針により、2020年3月末は一時的に閉院を余儀なくされている。

通常行っている活動を主に4つあげる。まず1つ目は、APC現地女性スタッフによる妊産婦宅訪問。訪問時には、個別の健康指導だけでなく、妊産婦の様子や生活環境も観察でき、妊産婦もプライベート空間で、ちょっとした身体の変化や悩みを女性スタッフに気軽に相談できる。2つ目は、週1度行う健康教育(母親学級)で、毎週違う項目を選んで講義している。例えば、夏であれば食中毒への注意喚起など、季節によって内容を考えている。講義の後は、栄養プログラムとして、現地で安価に手に入る栄養価の高い食材を使った軽食を提供していて、妊産婦同士の交流の場にもなっている。最後に、2017年度からグンゼラブアース倶楽部様より提供いただいているショーツを、APC利用登録時と出産報告時に各2枚ずつ、妊産婦に提供している。

 

カンボジア健康啓発事業

概要
◇実施場所: トボンクムン(TboungKhmum)州、プノンペン(PhnomPenh)
◇実施期間: 通年実施

◇事業内容:
AMDAカンボジア支部は、株式会社山一観光様のご支援を受け、2019年度は主に下記2つのプロジェクトを実施した。
・HIV/エイズ、性感染症関連プロジェクトならび青少年フォーラムの実施
・サッカークラブ活動

HIV/エイズ、性感染症関連プロジェクトならび青少年フォーラムの実施

◇実施場所: トボンクムン州
◇実施期間: 2005年8月〜継続中
◇受益者数(2019年度): 延べ約550人

◇事業内容:
AMDAカンボジア支部は2005年8月より、HIV/エイズや性感染症の予防を目的として、各種啓蒙キャンペーンや青少年フォーラムを実施。HIV/エイズに関する情報の流布を目的に小冊子等の教育用ツールの開発を行う一方、HIV/エイズ予防キャンペーン用のTシャツなどの製作も行っている。また二回目の開催を迎えた青少年フォーラムでは、本年のテーマを「青少年のリプロダクティブヘルス」と題して、カンボジアの若者を取り巻く性と健康の問題、とりわけ同性間で行われる性交渉について取り上げた。この中で、国立HIV/エイズ性感染症センターが、同性愛者はもとより、風俗産業従事者や薬物中毒者、トランスジェンダー当事者にまつわる性感染症の最新動向について発表を行った。フォーラムの開催は、同センターをはじめ、チェンラ大学看護学校の協賛を得て開催された。

サッカークラブ活動


◇実施場所: プノンペンなど
◇実施期間: 2015年7月〜継続中
◇受益者数(2019年度): 延べ約60人(クラブメンバー20人含む)

◇事業内容:
青少年の健全な育成を目的として2015年から行われているサッカークラブ活動は、本年度もチェンラ大学をサポートする形で行われた。しかしながら、コロナウィルス感染拡大の影響を受け、2020年1月に活動を休止。事態が収束した後に活動の再開を願っている。