2019年度年次報告 平和構築 災害支援事業(緊急支援活動)(2020/7発行) – AMDA(アムダ)
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特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2019年度年次報告 平和構築 災害支援事業(緊急支援活動)(2020/7発行)

日本・令和元年東日本台風(台風19号)緊急支援活動

概要
◇実施場所(活動開始順):長野県長野市、福島県相馬市、伊達市、宮城県伊具郡丸森町
◇実施時期: 2019年10月11日〜11月8日
◇事業内容:
2019年10月12日夜、大型で強い勢力の東日本台風が伊豆半島に上陸し、関東地方と福島県を縦断。上陸前より関東・中部地方の一部、そして台風の北上に伴い、東北地方の一部も含め合計1都12県で大雨特別警報も発表された。12日から13日にかけ、広範囲で暴風と豪雨に見舞われた。被害も甚大であり、全国で死者数98人、行方不明者数3人、負傷者484人を数えた。家屋も4万8千棟以上が損壊した。

AMDAは台風上陸前より気象庁等の情報を注視し、11日にAMDA看護師と薬剤師各1人を千葉市に派遣。迅速な支援活動が行えるよう、現地協力者に面会するなど情報収集にあたった。台風通過後の13日朝、被害状況を鑑み、千曲川が氾濫した長野市への医療チーム派遣を決定。同日、医師1人、看護師2人が長野市入りした。

また、翌日14日、同じく被災した福島県相馬市にも別チームを派遣、岡山県総社市及び赤磐市と合同で出発した。その後、甚大な被害を受けた宮城県丸森町の避難所でも活動を実施した。

1.長野県長野市


◇実施場所: 長野市保健所、豊野西小学校、南長野運動公園、賛育会豊野事業所(賛育会クリニック)
◇実施時期: 2019年10月13日〜11月8日
◇派遣者数: 21人(すわ中央病院から派遣された9人を含む。医師5人、看護師8人、調整員8人(薬剤師、理学療法士、鍼灸師等))
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、諏訪中央病院
◇受益者数: 約290人(活動した避難所2カ所の最大避難者数合計)

◇受益者の声:
「まさか千曲川が決壊すると思っていなかった。夜間に話を聞いて頂いたことが良かった。」(避難所)
「薬がなくなって困っていた。他の病院に行ったことがないの で、かかりつけの先生に診てもらえてありがたい。先生や職員さんも復興に向けて頑張って欲しい。」(診療再開支援)

◇事業内容:
この台風の豪雨により信濃水系千曲川流域である長野市穂安で70mにわたり堤防が決壊、学校・医療機関・下水処理場等が被災した。AMDAはまず10月14日より3日間は長野市内の2カ所の避難所で夜間の健康相談も含めた24時間体制で活動を行った。その後も長野市最大の避難所となった豊野西小学校を拠点とし、避難者情報の収集、ダンボールベッドの導入、衛生改善活動、特別に対応が必要な方のケアなどを長野市職員や長野市保健所、関係団体と連携をとりながら行い、同月20日に全ての避難者、要支援者情報を長野市保健所と後続の医療団体に引き継いだ。

10月21日より長野市豊野町の福祉系複合施設である、社会福祉法人賛育会豊野事業所の要請に応え早期の事業再開の第一歩として、クリニックの診療再開支援を実施した。2018年に同じく1階部分が完全に水没しするという被災を受け、復興の道のりを歩んできたまび記念病院(岡山県倉敷市・2018年診療再開支援)村松院長や吉備医師会(岡山県総社市)医師の助言も受け、11月5日に仮診療室を再開。かかりつけ患者から安堵の声が聞かれた。11月8日にAMDAは活動を終了した。その後もクリニックは診療の幅を広げながら12月以降、賛育会豊野事業所は再開できる事業から業務を再開しており、賛育会クリニックはそれらの事業を医療面で支えている。

2.福島県相馬市、伊達市、宮城県丸森町


◇実施場所(各自治体、活動開始順):
福島県相馬市、伊達市:スポーツアリーナそうま、市内保育園3園
宮城県丸森町:丸森小学校、館矢間小学校、丸森まちづくりセンター
◇実施時期: 2019年10月14日〜10月31日
◇派遣者数: 17人(看護師3人、理学療法士1人、介護福祉士1人、鍼灸師9人、調整員3人)
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: 岡山県総社市、岡山県赤磐市、復興センター
◇受益者数: スポーツアリーナそうま:20人 丸森小学校:58人
物資支援:手指消毒400人、肌着・靴下配布167人

◇受益者の声:
「被災後は子どもが小さいため抱っこをする機会が増えて、肩こりが酷かった。治療後はすごく楽になった。」(丸森小学校、鍼治療を受けた女性)
「避難所生活も長くなったが血圧も安定している。鍼治療を毎日してもらっているからだと思う。」(丸森小学校)

◇事業内容:
東日本台風により甚大な被害を受けた福島県相馬市に10月14日、AMDAと協力協定を締結する総社市及び赤磐市が職員を派遣することを決定。AMDAも調整員2人を派遣することとした。

相馬市役所に到着後、相馬市長と面会、市内の被害や支援状況などの情報収集を行い、日中、避難所となっているスポーツアリーナそうまにて避難者の健康面を見守る活動を実施することとし、看護師1人を増員。15日から18日まで健康相談や環境整備などの活動を行った。

また、更なる支援ニーズ調査のため、16日にはAMDA調整員が宮城県仙南保健所医療調整本部の会議に出席。保健所の要請により、同県丸森町の避難所の一つである丸森小学校で避難所の環境整備などの支援活動を行うこととなった。同避難所では17日に感染症予防と避難者の疲労軽減のため、他の支援者・団体と協力し段ボールベッドを設置して、避難所内も土足厳禁とするなど環境改善を実施。翌日から23日までは避難者の保健医療支援と避難所の環境整備を実施。あわせて災害鍼灸活動の可能性を考慮し、22日にはニーズ調査のため鍼灸師2人を派遣、23日にその結果を踏まえ関係者との最終調整の末、避難者を対象とする鍼治療の実施を決定し、10月31日まで災害鍼灸活動を実施した。

更に、物資支援として相馬市、伊達市内3カ所の保育園に手指消毒剤を提供、更に丸森町内の避難所3カ所にて避難者に、グンゼ株式会社様より寄贈いただいた吸湿発熱肌着及び靴下を配布した。

 

日本・九州北部豪雨被災者緊急支援活動


◇実施場所: 佐賀県杵島郡大町町
◇実施時期: 2019年8月29日〜9月3日
◇派遣者(派遣順): 橋本 千明/看護師/AMDA本部職員、山田 章博/調整員/赤磐市職員(AMDA本部で研修中)、早瀬 麻子/看護師/AMDA兵庫、長谷 貴子/看護師/元赤磐市職員、中野 祐也/調整員(鍼灸師)/ 九州保健福祉大学、中野 侑子/調整員(鍼灸師)/ゆう鍼灸院
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、さめじま病院(佐賀市)
◇受益者数: 281人(大町町ピーク時避難者数)

◇受益者の声:
「かかりつけ病院が被災していて受診できないが、健康相談をしてもらって安心した。」

◇事業内容:
8月27日より九州北部を中心に大雨が降り続き、28日午前5時50分、佐賀県、福岡県筑後地方などで、大雨特別警報(警戒レベル5)が発表された。AMDAは29日、看護師2人と調整員1人の派遣を決定。佐賀県に入り支援ニーズ調査を行うべく活動を開始した。

AMDAチームは、佐賀市内で連携協力協定を締結しているさめじま病院長及び佐賀県医師会の方から被災地の状況について話を伺った後、佐賀県災害対策本部にて医療チームの会議に参加。そして、翌朝、被害の大きかった杵藤地域を所管する杵藤保健福祉事務所にて行われる保健医療調整本部会議に参加、30日より大町町の避難所にて活動することとなった。

AMDAは大町町の保健師と同町内2カ所の避難所(大町町総合福祉保健センター美郷、大町町公民館)を訪れ、ゴミの分別や清掃などの環境整備と同時に、約30人の避難者に被災状況と健康状態に関する聞き取りを実施。この時点で避難所の環境整備及び避難者の状況把握のための人員が不足しているという大町町の声を受け、AMDAより更に看護師1人、調整員2人を追加派遣。翌日以降も継続して同町の保健師に協力して活動し、被災者や町職員、ボランティアの方の健康相談を行うなどした。また、1日限定ではあったものの、避難所責任者の承諾を得、災害鍼灸活動も実施した。

9月2日、大町町避難所運営に関する会議が開かれ、避難所での人員不足の状況を受け、同町より県や他の市町村へ派遣要請を行うことで人員補充を進める方針を確認。AMDAは大町町保健師へ業務の引き継ぎの上、翌日3日午前中をもって活動を終了した。

また、この会議の中では、2018年の西日本豪雨災害で被災した岡山県総社市からの資料などを元に、今後の町の方針などを決定することができた。

 

日本・令和元年房総半島台風(台風15号)被災者緊急支援活動


◇実施場所: 千葉県君津市、南房総市
◇実施時期: 2019年9月12日〜9月16日
◇派遣者(派遣順):岩尾 智子/調整員・看護師(米国資格)/AMDA職員、武林 真由美/保健師/岡山県赤磐市職員、長谷 貴子/看護師/AMDA緊急救援ネットワーク、神倉 裕太郎/調整員/AMDA職員、鈴木 聡子/看護師/AMDA緊急救援ネットワーク
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:AMDA本部、岡山県総社市、岡山県赤磐市

◇事業内容:
9月9日、強い房総半島台風(台風15号)が千葉県に上陸、千葉県南部を中心に大きな被害をもたらした。また台風上陸後も停電や断水が続き、12日の時点で約1,000人が避難するなど、多くの地域に影響がでた。この被害を受け、AMDAは岡山県赤磐市の保健師1人と共に看護師2人、調整員2人を千葉県に派遣、13日よりニーズ調査を実施。

AMDAチームは13日、千葉県君津市災害対策本部の要請により、市内7カ所の避難所を巡回。本部に戻り避難者が少なかったことを報告、同市で対応可能であることを確認した。翌日14日は更なる情報収集の為、多くの地域で停電が続いていた同県南部の安房地域へ移動。その後、安房地域保健医療調整本部の下、南房総市担当の医療チームとして南房総市の介護老人保健施設などの訪問調査を行った。また、15日午前中に南房総市にて大雨警報が発令された際、同市保健福祉部の指示の下、チームは市内避難所4カ所を状況調査の為巡回したが、特に避難所に変わった様子は見られなかった。今回の調査の結果、医療ニーズがないこと、地元自治体で対応が可能なことを確認し、AMDAは活動を終了した。

 

フィリピン・ミンダナオ島地震被災者緊急支援活動


◇実施場所: コタバト(Cotabato)州マグペット町(Magpet)/同州マキララ市(Makilala)
◇実施時期:第1次隊 2019年11月5日〜11月10日
第2次隊 2019年11月19日〜11月23日
◇派遣者(派遣順): 大山 マージョリー/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル、真治 スサン/調整員/岡山倉敷フィリピーノサークル
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、MDAフィリピン支部、WiNDS(フィリピン開発安全女性委員会)、タグム医科大学、タグム医科大学付属病院
◇受益者数: 物資支援 約500世帯、医療支援 628人

◇事業内容:
フィリピン・ミンダナオ島にて10月中旬より地震が頻発、特に10月29日のマグニチュード(M)6.6など、M6以上を3回記録した。19万人近くが被災しているという状況を受け、AMDAは2度の支援活動を実施。AMDAの活動に協力をいただいている岡山倉敷フィリピーノサークルのメンバー計2人を調整員として被災地に派遣した。

第1次隊物資支援:

11月5日に日本を出発した調整員は首都マニラで現地協力者WiNDSと合流し、7日に被害のあったミンダナオ島にて更なる情報収集の結果、8日に被災地の一つであるマグペット町での物資支援実施を決定。チームは夜まで、水や米、麺類などの食料に、衛生状況の悪化を防ぐため、石鹸や歯磨きセットなどを加えた物資セットを作った。

8日、同町の中でも3種類の部族が住む貧しい地区、キナルム(Kinarum)地区にて250世帯を対象に物資支援を実施。当時、地区には寄付されたお米がわずかに残っている状態だったため、今回のチーム訪問と支援は非常に喜ばれた。地区長に促され、AMDA調整員は集まった人たちの前で「AMDAは、被災された方の復活力、忍耐と理解に感謝する。今回参加した医師、チームメンバー、支援者とAMDAは、この地に来させてもらったこと、皆さんに会えたことを感謝している。」と、被災された方の気持ちを尊重しながらスピーチをすると、全員から大きな拍手をいただいた。また、この地区では水には困っていないことから、地区長と相談の上、チームは用意していた水を同州マキララ役場に贈呈した。

第2次隊医療支援:

第1次隊の支援後にAMDAフィリピン支部が実施したニーズ調査の結果を踏まえ、11月22日、コタバト州マキララ市にて被災者を対象とした医療支援の実施を決定。AMDA本部からも調整員を19日に派遣した。ミンダナオ島ダバオに到着した調整員は同支部並びに現地協力者と合流後、必要な医薬品などの買い出しや今回一緒に支援活動を実施するタグム医科大学にて打ち合わせを経て、活動当日、支部や大学及び同大学付属病院などからの医師、看護師、薬剤師、ボランティア含む60人以上が4地区5つの会場に分かれ、医師による診療、必要に応じて薬の配布などを実施。この日、合計628人を診察した。尚、これらの地区では食料は足りていたものの、家屋や学校などの建物の被害が甚大であり、住人は余震を恐れ、避難所でテント生活を送っていた。

 

フィリピン・台風28号被災者緊急支援活動


◇実施場所: 北サマール(NorthernSamar)州・ヴィクトリア町(Victoria)
◇実施時期: 2019年12月10日〜12月17日
◇派遣者:神倉 裕太郎/調整員/AMDA職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、WiNDS(フィリピン開発安全女性委員会)、ヴィクトリア町役場関係者計12人
◇受益者数: 993世帯

◇受益者の声:
「都市部に支援が集中している為、ここ(ヴィクトリア町)まで届けてくれるのはありがたい。」(50代女性)
「子供がたくさんいて、お米に困っていた。」(20代女性)
「3食、食べられるか心配だ。」(20代男性)

◇事業内容:
12月2日に台風28号(現地名:ティソイ(Tisoy)がフィリピン中部に上陸、47万世帯が被災し4人の死者がでるなど、地元の人々に大きな被害をもたらした。AMDAは調整員1人をフィリピンへ派遣。現地協力者と協議の上、支援が届いていない北サマール州ヴィクトリア町にて支援活動の実施を決定した。

同町では、全域に台風の被害が出ており、町唯一の市場も全壊。台風通過から1週間以上経過しても町全域で停電が続いていた。ヴィクトリア町の町長夫人や地域リーダーと協議し、主に被害の大きかった全壊の世帯を中心に、お米や缶詰などの食料物資を合計993世帯に配布した。

被災者の方々は、親戚や近所の家に避難しており、台風の影響で農業や漁ができなくなったことから、食料に困っているといった声が複数聞かれ、AMDAの食料物資に対し喜びの声があった。活動終了後、同町町長よりAMDAチームに対し、握手と感謝の意を述べられた。

 

フィリピン・タール火山噴火被災者緊急支援活動


◇実施場所: バタンガス(Batangas)州・サントトマス市(SantoTomas)
◇実施時期: 2020年1月16日〜1月21日
◇派遣者: 神倉 裕太郎/調整員/AMDA職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、AMDAフィリピン支部、現地企業、現地NGOなど、計 300人
◇受益者数: 医療支援 526人、物資支援 685世帯

◇受益者の声:
「バケツは生活に役に立つ。ありがとう。」(30代男性)
「病院へ行けなくなってしまい、薬が切れてしまった。」(60代女性)
「いつ家に帰れるか分からない。早く家に帰りたい」(20代女性)

◇事業内容:
フィリピン中部にあるタール火山の噴火活動が活発化し、1月12日、フィリピン政府は同火山のあるバタンガス州など火山周辺地域へ避難指示を発令、38,906世帯が避難所での生活を余儀なくされた。AMDAフィリピン支部が同州にて実施した現地調査の報告を踏まえ、AMDA本部は日本から調整員1人を派遣、AMDAフィリピン支部と共に同州での支援活動を決定した。

AMDAチームは、多くの方が避難していた、同州サントトマス市の避難所にて、地元NGOや医学生団体、地元企業などの協力を得て、支援活動を行った。医師による診察や処方、看護師による健康相談や歯科検診など、計526人に対し医療支援を実施。また、食料の支援はあるが生活物資が枯渇しているとの声を受け、石鹸やバケツ、オムツなど、685世帯分の支援物資も配布した。その他、活動に参加した現地団体やボランティアなどは、アイスクリームやお菓子の配布なども行った。

公立小学校の校舎が避難所として使われており、1つの教室に40〜50人が過ごしていて、中には体調不良を訴える方や、火山灰の影響と思われる呼吸器の症状を訴える方もいた。診察を受けられた方の中には、暑い避難所環境から脱水の兆候が見られる方もいて、AMDAフィリピン支部の医師から、脱水や水分補給について注意喚起も行った。いつ家に帰れるか分からない状況の中で、「支援活動を行うことで、避難者の方々の希望に繋がれば嬉しい」とAMDAフィリピン支部の派遣者は話した。

 

バングラデシュ北部洪水被災者緊急支援活動


◇実施場所: ロンプール管区・クリグラム(Kurigram)県
◇実施時期: 2019年7月23日〜8月5日
◇派遣者: 伊藤 麻友美/看護師/AMDA緊急救援ネットワーク、橋本 千明/看護師/AMDA職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDA本部、AFAD(クリグラム県NGO)、AMDAバングラデシュ支部
◇受益者数: 医療支援 789人、物資支援 932世帯

◇受益者の声:
「毎年洪水被害はあるが、今年は特にひどい。被災から2週間以上経過したが、あと10日くらいは水が引かないと思う。今回、医師に持病の胃腸炎を診てもらえた。AMDAの場合、地元医師が個別に話を聞いて、適切な薬を処方してもらえたことが良かった」

◇事業内容:
モンスーンにより7月上旬から雨が降り続いている影響で、バングラデシュ北部にて洪水が発生、現地メディアによると、7月18日の時点でバングラデシュ北部、東部の21県において、300万人以上の住民が洪水の影響を受けており、バングラデシュ北部のクリグラムでは、4,996人が家を失った。7月27日から31日までの5日間、AFAD(現地NPO)、AMDAバングラデシュ支部とAMDA本部派遣者との合同チームは、特に洪水被害の大きいクリグラム県で医療支援及び物資支援活動を実施した。

ニーズ調査では、医療と物資、双方の必要性が高かったため、医療支援と食料を中心とした物資支援を実施。活動地域は、クリグラム県ショドール(Sadar)郡とチルマリ(Chilmari)郡の2か所。特に、チルマリ郡がある県南部は、より洪水被害が深刻であると現地から報告があった。今回、合同チームの活動場所は他の民間からの支援は入っていなかった。物資はバングラデシュの食事に欠かせない、米、ダル(豆)、芋、油などの食料を1世帯分ずつに袋分けし配布した。

AFAD代表のサイーダ氏は、「自分たちの団体も、洪水により平時の活動ができない状態が2週間続いている。この辺りでは3日間雨は降っていないが、川の水位は依然として高い。今回の活動にはAFADから元職員などボランティアも一緒に参加する。」と話した。前回2012年のバングラデシュ洪水支援に参加したAMDAバングラデシュメンバーは、「今回の事態に心を痛めている。約7年ぶりの支援で限られた時間と資源を精一杯提供したい。」という言葉があった。被災地の状況として、クリグラム県内にある川の水位も平時より上がっており、場所によっては、新たに数日前から浸水している地域もあるという。普段は田畑がある場所も浸水しており、農作物も収穫できない状態である。なお、学校でアラビア語、ベンガル語、算数などを勉強している子どもたちも、洪水の影響で、学校に行けない。「早く学校で大好きなコーランを学びたい。」と話す子どももいた。行政とも連絡を取り合い、クリグラム県保健局長より被災地域出身の地元医師を紹介頂いたほか、実際に保健局長が活動を視察に訪れ他の支援が行き届いていない地域への医師派遣を決定。翌日以降、近隣地域で行政の医療チームが活動を開始された。今後、AFADとAMDAバングラデシュは復興支援を予定している。

 

バングラデシュ北部寒波被災者緊急支援活動


◇実施場所: ロンプール管区・クリグラム(Kurigram)県
◇実施時期: 2020年1月31日〜2月3日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AFAD(クリグラム県NGO)、AMDAバングラデシュ支部
◇受益者数: 500世帯

◇受益者の声:
「寒さのため、働くことができない。自宅に暖房器具がなく他に暖を取る方法がないため、毛布はありがたい。」

◇事業内容:
現地協力団体のAFADは1998年設立、クリグラムを拠点とする女性・障がい者の自立・生活支援を実施している団体で、現在37人の職員と50人の災害支援ボランティアで構成される。近年、クリグラムでは洪水に加えて、地球の気候変動による「寒波」という新しい種類の災害が加わっている。今年は特にひどく、約2か月の間続いた寒波により最低気温6.5℃(平年1月最低気温11℃)を記録した。住民の多くは農民だが寒さにより働くことができず道路の脇で火を起こして寒さをしのいでいた。行政の市レベルより緊急的な毛布の配布はされていたが全ての人に対して行きわたっていないため、特にAFADの通常の活動の対象者である障がいを持つ人、子ども、日雇い労働者等に対して支援した。活動には、行政からも協力を得た。合計500世帯に対して毛布を配布した。住民は竹や木で作った簡素な家に暮らしており、毛布は大変喜ばれた。

この地域は2019年7月に洪水の被災を受けた地域であるため、4月から復興支援も計画していたが、新型コロナウイルスの影響で延期となっている。準備が出来次第一刻も早く、包括的な生活支援を実施する予定である。

 

インドネシア・スラウェシ島洪水被災者緊急支援活動


◇実施場所: スラウェシ島・南スラウェシ(SouthSulawesi)州及び南東スラウェシ(SoutheastSulawesi)州
◇実施時期:第1次隊 2019年6月11日〜6月14日(南スラウェシ州)
第2次隊 2019年6月28日〜7月5日(南東スラウェシ州)
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDAインドネシア支部医師11人(1次隊4人、2次隊7人)
◇受益者数: 医療支援 644人、物資支援 50世帯

◇事業内容:
2019年6月上旬、インドネシア・スラウェシ島が大雨に見舞われ、広い範囲で洪水が引き起こされた。インドネシア国家防災庁の情報によると、同島南スラウェシ州にて1,452世帯が被災しており、また同島南東スラウェシ州でも5,924人が避難生活を余儀なくされた。この被害状況を受け、AMDAインドネシア支部は1次隊として医師4人を南スラウェシ州へチームを派遣、その後も2次隊として医師7人を南東スラウェシ州へそれぞれ派遣し、医療支援活動を行った。

第1次隊

AMDAインドネシア支部1次隊は、6月11日夜に南スラウェシ州ワジョ(Wajo)県に到着、保健省関係者や地元診療所の責任者とミーティングを行い、最も洪水被害が深刻だった3つの村で医療支援を実施することに決定した。12日と13日の2日間で各村を訪問、診察が必要な方合計247人を医師が診療した。今回、高血圧の症状のある方が多くみられた。

今回訪問した村のうち、ダム湖の氾濫で洪水が起こったという村では、学校や、道、民家など多くの場所が浸水するなど、特に大きな被害が見られた。

第2次隊

同支部は2次隊として、深刻な被害を受けた南東スラウェシ州へも医療チームを派遣することを決定。6月28日夕方に同州に到着後、地方防災局のボランティアセンター、社会福祉協議会、地元の保健所の方々と被害状況や支援ニーズについて協議を行った。協議の結果、翌日29日、AMDAチームは、洪水により大きな被害を受けた同州コナウェ(Konawe)県のニーズ調査へ向かった。同県では、崩れた道路や橋、流された民家が見られるなど、洪水により甚大な被害を受けていた。同県の公立診療所の責任者とのミーティングの結果、洪水により孤立していた地域での医
療支援活動を決定した。

AMDAは2チームに分かれ、6月30日〜7月1日の2日間で7つの村をそれぞれ巡回、342人に医療支援を行った。また、保健所担当者や地元病院の院長などの情報から、同県の他の地域でも医療ニーズがあることが分かったため、7月2〜4日の3日間でさらに3つの村へ訪問、50件以上の民家を巡回し、計55人以上に対し医療支援、更に物資支援を行った。活動を通して、AMDA医師が診察した方の中には、気道感染が見られる方が多く、倦怠感を訴える方も見られた。

また8月にはAMDA中学高校生会メンバー2人と菅波茂AMDA理事長がこのコナウェを訪問、いまだに傷跡が残る被災地の状況を目の当たりにした。

 

インドネシア・パプア州暴動被災者支援活動


◇実施場所: パプア(Papua)州・ジャヤウィジャヤ(Jayawijaya)県・ワメナ市(Wamena)
◇実施時期: 2019年9月29日〜10月1日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDAインドネシア支部
◇受益者数: 約60世帯

◇事業内容:
2019年8月19日よりインドネシア・ニューギニア島にあるパプア州及び西パプア州にて断続的にデモが行われ、9月23日にはパプア州ジャヤプラ市(Jayapura)及びワメナ市で大規模な暴動に発展、約30人が死亡した。また、10月2日のAMDAインドネシア支部からの情報によると、約3,000人が避難生活を余儀なくされた。 この状況を受け、AMDAインドネシア支部より医師1人を被災地へ派遣することを決定した。9月29日にマカッサル市(AMDAインドネシア支部のある都市)を出発した医師は、翌日暴動の中心地の一つであるワメナ市へ入った。同市の避難所を巡回・調査を行った。9月30日より2日間で、避難所で必要とされていたお米、ヌードル、オムツなどの支援物資を配布した。

 

インドネシア・アンボン島地震被災者緊急支援活動


◇実施場所: マルク(Maluku)州(ハルク島、アンボン島及びセラム島)
◇実施時期: 2019年10月1日〜10月7日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDAインドネシア支部・ムスリム大学AMSA(アジア医学生連絡協議会)・ムスリム大学医学部・イブヌシナ病院合同チーム計5人、パティムラ大学、その他地元団体
◇受益者数: 336人以上

◇事業内容:
2019年9月26日にインドネシア東部のマルク州にてマグニチュード6.5の地震が発生、さらに多くの余震が同州にて続いた。10月1日時点の情報では115,000人が避難しており、2日の情報では同州にて36人が死亡、6千以上の建物が被害を受けた(10月7日、国際連合人道問題調整事務所発表)。この被害に対し、AMDAインドネシア支部は大学や医療機関との合同チームとして医師及び医学生を同州へ派遣した。

10月1日、同州へ到着したAMDAチームは、現地協力者であるパティムラ大学のボランティアと合流後、地元NGO、地元軍隊等の協力を得ながら、4日間で同州ハルク島及びアンボン島を巡回。公立診療所及び軍施設等にて90人以上の被災者の方に対し医療支援、及び毛布などの支援物資の配布を行った。

5日、AMDAチームはもう一つの被災地である同州セラム島へ入った。5日〜6日の2日間で、地震の被害が大きかった同島西部の2カ所避難所に救護所を設置、246人を診療したほか、避難所の子どもたちに対しゲームを行うなど、被災による心的外傷を和らげられるような活動も実施した。また、イスラム教徒の多いインドネシアではあるが、避難場所にはモスクなどお祈りをする場所がなかった為、お祈りする場所として使用できるよう、テントを避難所に配布した。 同州3島での医療支援活動を通して、外傷のある方、かゆみや体の痛みを訴える方、下痢や咳の症状のある方などが見られ、それぞれの方に医師による処方・処置を実施した。

 

インド・大型サイクロン・ファニ被災者に対する支援活動


◇実施場所: オリッサ(Odisha)州プリ地区(Puri)
◇実施時期: 2019年5月17日〜5月19日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDAインド支部、セワ・バラティ・プリ支部
◇受益者数: 25世帯

◇受益者の声:
「いただいた物は壊れた屋根を覆ったり、一時的に雨よけ用のテントとして使う予定だ。」

◇事業内容:
5月3日、風速175〜185km/hの強力な熱帯暴風雨であるサイクロンがインド東部、オリッサ州に上陸した。これを受けてAMDA本部はインド支部に連絡。5月17日、インド支部からラマチャンドラ・カマト医師が被災地であるオリッサ州に向かい、被害の大きかったプリ地区をはじめ計3地域の調査を行った。被災した家屋は原形をとどめているものの、住める状態ではなかった。

翌18日、現地協力団体セワ・バラティ・プリ支部協力の下、被害の大きかったオリッサ州プリ地区内の5つの村で計25世帯にブルーシートを配布した。これらは、風で吹き飛ばされた屋根を覆ったり、雨よけに使われる。

5月15日時点での死者は64人に上り、州内14地域に住む1700万人弱が避難した。早期に、学校や大学など比較的安全な建物に大規模避難できたことが犠牲者や負傷者を大幅に少なくすることができた要因である、と活動に参加したラマチャンドラ・カマト医師は述べた。なお、20年前の1999年に巨大サイクロンがオリッサ州を襲い、1万人以上の死者が出た際にもAMDAはAMDAインド支部と協働で活動した。

 

インド・南西部洪水被災者緊急支援活動


◇実施場所: カルナタカ(Karnataka)州コダグ地区(Kodagu)、ウッタラカンナダ地区(UttarKannad)
◇実施時期: 2019年8月13日、25日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDAインド支部、ライオンズクラブ・カルヤンプール支部とカルワ支部
◇受益者数: 避難所での衛生教育 約160人、物資支援 52世帯

◇受益者の声:
「学んだ知識は洪水被災後における生活の中で大いに役に立つ。ありがたい。」
「食糧は政府から支援があるものの、洪水で使用できなくなった食器、衣類などの物資支援はAMDAが初めて。政府からの食糧も十分でなかったため、このような支援は助かる。」

◇事業内容:
2019年6月初旬から続いたモンスーン豪雨により、インド国内では10を超える州で水害が発生。その後、8月中旬より南西部にあるカルナタカ州でも洪水に見舞われた。この状況を受け、AMDAインド支部は避難所での衛生教育、被災者への物資支援を行った。

8月13日、AMDAインド支部ラマチャンドラ医師はカルナタカ州の要請を受け、同州コダグ地区のニーズ調査に同行。同地区内の避難所4か所を回り、避難者(各40人位)を対象に衛生教育を実施した。特に、病原となる微生物に汚染された水を摂取することで起こる感染症を予防のため、洪水で氾濫した水を直接使用しないことなどを強調した。

8月25日には、同支部カマト支部長、カルナタカ州政府関係者1人、マニパール大学公衆衛生学部関係者5人からなるAMDAチームが、ライオンズクラブ・カルヤンプール支部とカルワ支部と協力して被災者に支援物資を配布。1世帯が1か月食べられる量のお米20?の他、食器、衣類、バスタオル、ブランケット、ござ、とアユルベーダの薬(洪水により増加が予測される上気道感染症や消化器系疾患の症状に効果のある薬とサプリメントを含む)をセットにして、同州ウッタラカナンダ地区内にある学校に集まった計52世帯に物資を手渡した。一緒に活動した地元ライオンズクラブの方は、「AMDAは提案から実行までが迅速だった。予想以上の支援が被災者を支えている。」と話した。加えて、同クラブ・カルヤンプール支部からは感謝状をいただいた。

 

中国・フィリピン・インドネシア 新型コロナウィルス感染症の影響に対する支援活動

概要
◇実施場所: 中国、フィリピン、インドネシア
◇実施期間: 2020年2月3日より継続中

◇事業内容:
2019年12月、中華人民共和国湖北省で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は日に日に拡大、3月11日にはWHOがこの感染症の流行を「パンデミック」と宣言する事態となっている。3月末時点で世界中の感染者数は75万人以上、死者数は約3万6千人に上る。

AMDA本部は世界中で深刻な拡大の状況を鑑み、2020年1月より世界32か国と地域に広がるAMDAインターナショナルの各支部及び関係者などと情報収集・共有を継続的に行っている。

2019年度に実施した支援活動は以下のとおりである。
・中国へのマスク支援
・フィリピンにおける、AMDAフィリピン支部の支援活動
・インドネシアにおける、AMDAインドネシア支部の支援活動

中国へのマスク支援

◇実施場所: 北京(物資送付)
◇実施期間: 2020年2月3日〜3月19日
◇現地での参加者を含めた主な協力・参加団体: 北京日本倶楽部、AMDAネパール支部、岡山商工会議所、ベトナムの個人協力者、AMDAカンボジア支部、AMDA本部
◇受益者数: 中国内128人及び学校と団体、9の医療機関

◇受益者の声: 「大切に使わせて頂きます。」

◇事業内容:
12月に中国湖北省にて発生したウイルス感染症は2月に入り中国に拡大、深刻な影響を及ぼしていた。この状況を受け、AMDAは日本の企業を背負って中国で駐在を続けている日本人を対象にマスクの物資支援を決定。2月3日に日本よりマスク1,000枚、2日後にはAMDAネパール支部からマスク16,000枚を北京にある北京日本倶楽部に発送した。日本からのマスクは約1か月半後、ネパールからのマスクは約3週間後に北京日本倶楽部へ到着。その後、北京日本倶楽部は、北京の医療機関、日本人学校、北京日本倶楽部会員の希望者、そして天津日本人会にマスクの配布を行った。

尚、引き続き岡山商工会議所、AMDAカンボジア支部、ベトナムの現地協力者の協力を得てマスクを集め、AMDA本部より追加で発送を計画していたが、状況が刻々と変化し、確実な輸送が困難となったため、最終的に発送を見合わせた。

フィリピンにおける、AMDAフィリピン支部の支援活動

◇実施場所: フィリピン
◇実施時期: 2020年3月23日〜現在
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成: AMDAフィリピン支部、GlobalHealthPharmacyNetwork、ブロークンシャー大学薬学部、パーペチュアル・ヘルプ大学医学部
◇受益者数:マスク配布: 160人
オンライン無料医療相談: 39人(3月27日時点)

◇受益者の声:
「本当にありがとうございます。オンライン無料医療相談が私にとって大きな助けになりました。」
「担当してくれたラグリア医師はとても暖かく相談に乗り、私の心配事に耳を傾けてくださいました。この新型コロナウィルス感染症の状況が落ち着いたら、先生にお会いできることを望んでいます。」

◇事業内容:
3月17日から4月13日までの約1か月の予定で、フィリピンの都市部を中心に強化されたコミュニティ隔離措置(EnhancedCommunityQuarantine)が取られており、基本的に全員自宅隔離となっている。そのため、医療機関や生活必需品・食料品店、銀行等を除く全ての業務が停止しており、公共交通機関はもちろんのこと、タクシーでさえ走っていない。町の外に出るには許可証が必要である。このような状況の中、医療機関へのアクセスが難しく、健康に不安を抱えている人が相談できる窓口として、3月23日よりAMDAフィリピンは3つの機関と協力してオンライン無料医療相談を始めた。

3月27日までに35人の医療ボランティア(医師、薬剤師、看護師、ソーシャルワーカーなどを含む)に参加いただき、39人の相談を受けた。最も多かったのは、月経異常、避妊ピルの使用、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などのリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関する相談であった。オンライン無料相談をした患者は、「この状況で精神的に参っていて、不安感が強くなりパニックになっていた。このように話を聞いてもらえる機会があってありがたかった。」と感想を述べた。また、AMDAフィリピン支部長のナバロ医師は、「助けを必要としている人たちの声に耳を傾け、献身的に活動にご協力いただいた皆様とAMDAインターナショナルにAMDAフィリピン支部は、心より感謝申し上げます。思いやりの心とその行動は、支援を必要とする多くの人達の心を軽くしたことでしょう。オンライン無料医療相談を利用した人たちから多くの感謝の言葉をいただきました。」と話した。

インドネシアにおける、AMDAインドネシア支部の支援活動


◇実施場所: マカッサル市
◇実施時期: 2020年3月25日〜現在
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDAインドネシア支部(同支部医師3人)
◇受益者数: 約200人 (3月31日時点)

◇事業内容:
インドネシアでも新型コロナウィルス感染症が拡大。3月下旬には700人弱の感染を確認、死者数も55人を記録(3月24日時点)。政府は市民に対し、ソーシャルディスタンシングや外出の自粛、在宅勤務を推奨している。日に日に感染が拡大する状況を受け、AMDAインドネシア支部は、本拠地のマカッサル市内にある医療機関に同支部の医師合計3人を派遣、来院者を対象に問診などで感染症に関するスクリーニングを実施している。派遣者は防護服を着用し、患者との間にもパーテーションを設置するなど感染防止を徹底しながら、毎日午前9時から午後3時まで1日最大50人の患者を診ている。症状が比較的軽い患者に対しては自宅待機、症状が重い患者は、患者の隔離が可能で尚且つコロナウィルス検査を実施している他の医療機関へと移送しており、3月末までに4人を移送した。