2018年度年次報告 生活支援 その他(2019/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2018年度年次報告 生活支援 その他(2019/7発行)

インド・ビハール州ブッダガヤにおける井戸建設事業


◇実施場所 インド・ビハール州ブッダガヤ地区
◇実施期間 2018年11月〜2019年3月13日

◇派遣者
菅波茂/医師/AMDAインターナショナル代表、岩尾智子/看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA本部、エコラス・デ・ラ・テレ福祉団体、ヴェーダ・マザーテレサ福祉信託財団、日本インド友好医療センター信託財団

◇受益者数:25世帯135人
◇受益者の声:
「10年前には乾季でも十分な水位があった井戸も、現在では雨季に十分な雨量がないため乾季には井戸が枯れてしまう。飲料水の確保でさえ問題になることもある。だからこの井戸建設支援に私を含め村人は皆喜んでいる。ご支援いただきありがたい。」

◇事業内容
インドの中で貧困率の高いビハール州ブッダガヤ地区でAMDAは母子保健事業を継続的に行っている。この地区にはいくつもの村があり、今回井戸支援を行ったマティヤニ村ダンプールもそのうちの1つ。AMDA関連団体である日本インド友好医療センター信託財団が活動拠点とする場所から1番近い村でもある。

現地協力団体であるエコラス・デ・ラ・テレ福祉財団のラジェッシュ事務局長から、「乾季になると、村にある公共の井戸水が枯れてしまうため、40度以上の灼熱の中、水瓶を持って周辺の村まで井戸水を汲みに行かなければならず困っている。」と相談を受け、AMDAはラジェッシュ氏と元AMDAピースクリニック職員で、ヴェーダ・マザーテレサ福祉信託財団設立者であるヴェーダ氏と村を訪問、村人と面会した。多くの村人が小作や建設の日雇い労働で生活しており、経済的に新たな井戸を自分たちで建設することが難しい状況を目の当たりにした。この緊迫した状況を確認し、井戸建設支援を決定した。

2019年3月13日、村人が集まって井戸建設の完成を祝った。この井戸は、生活用水と農業用水どちらにも使用可能。井戸の維持管理のため、洗濯、食器の洗い物などの生活用水は無料、一方、農業用水に関しては農作物を売って収入を得られることから、水道代を徴収し、村のリーダーが管理することになった。

 

インド・ビハール州ブッダガヤで衣類を配布


◇実施場所 インド・ビハール州ブッダガヤ
◇実施期間 夏服配布:2018年6月14日〜16日
冬服配布:11月15〜17日

◇派遣者
菅波茂/医師/AMDAインターナショナル代表、難波妙/調整員/AMDA GPSP支援局長、岩尾智子/看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA本部、天理教岡山教区国際救済委員会、日本インド友好医療センター信託財団、ジーナアミタッブ福祉信託財団、エコラス・デ・ラ・テレ福祉団体、ヴェーダ・マザーテレサ福祉信託財団

◇受益者数:延べ1,299人
◇受益者の声
・「日本の人が私たちに服を送ってくださったと聞いた。日本について今は知らないことが多いけれど、日本のことをもっと学んで服を送ってくださった日本人といつか会いたい。ブッダガヤにいながら日本の服を着ることができてうれしい。この服、かわいいでしょう?服を届けてくれて、ありがとう。」
・「服をありがとう。冬服は身体が温かくなる。自分や家族が持っている服も古くなっていたり、服の種類によっては元々ブッダガヤでは手に入らなかったりするので助かる。大切にする。」

◇事業内容
天理教岡山教区国際救済委員会より夏用・冬用の衣類など合計322箱の段ボールをインドにお送りいただいた。服を配布したのはAMDAが母子保健事業を行っているビハール州ブッダガヤ地区。

AMDAは、夏用の衣類を6月に、冬用の衣類を11月に現地協力団体と一緒にビハール州ブッダガヤ地区内の地域、学校及びAMDAピースクリニックの計9か所で配布した。服を受け取った人たちの中には、配布された服を身体にあててサイズを確かめたり、中にはその場で試着している人たちもいた。

 

インド・ブッダガヤ地区ロータリークラブと協働でヘルメットを配布


◇実施場所 インド・ビハール州ブッダガヤ地区
◇実施日 2018年6月18日

◇派遣者
菅波茂/医師/AMDAインターナショナル代表、岩尾智子/看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDA本部、ブッダガヤ地区ロータリークラブ

◇受益者数 45人

◇事業内容
2018年6月18日、AMDAはブッダガヤ地区ロータリークラブと協働で、ブッダガヤ在住のオートバイ使用者45人に先着順でヘルメットを配布した。ヘルメットを受け取った男性は、「ヘルメットを贈呈してもらえてうれしい。このヘルメットは自分を守ってくれるし、ひいては家族を守ることにもなる。大切にしたい。」と話した。

この配布から5か月後に岩尾調整員が再度同地区を訪れた際、ヘルメットを受け取った青年から「あの時、AMDAとブッダガヤ地区ロータリークラブからヘルメットをもらった。今でも大切に使っている。ありがとう。」と話しかけられ、啓発活動による影響力の大きさを実感した。

この事業は、ブッダガヤ地区警察よりブッダガヤ地区ロータリークラブに「同地区でオートバイ事故が多発していることから、交通事故防止啓発活動の一環として、ヘルメットを配布してもらえないか。」との話を受け、ロータリークラブがAMDAに相談。ヘルメットにかかる費用を半分ずつ出し合い、協働でヘルメットを配布することとなった。

AMDAは同事業で一緒に活動したブッダガヤ地区ロータリークラブと、2018年11月17日に協力協定を締結。今後も、災害時などに協力して活動していく。