第四期ネパール地震復興障がい者支援(2019/4発行ジャーナル春号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

第四期ネパール地震復興障がい者支援(2019/4発行ジャーナル春号)

理学療法士 西嶋 望(ネパール在住)


シェァリングワークショップでAMDAが
プレゼンテーション

第四期の特徴

2018年6月より10か月間実施しました。目標は「障がいがあっても住みよい街づくりの基礎を築く事」。パートナーの障がい者団体「自立生活センターラリトプール(以下ILCL)」が将来も社会参加を促進する事を目指し「行政機関とILCLとの連携の構築」のためワークショップを取り入れました。更にILCLの人材育成プログラムも加えました。そして自立生活促進に自立生活プログラム(以下ILP)も導入しました。

活動概要

対象は延べ625名。
1)訪問活動(カトマンズ盆地内訪問リハビリ&訪問ピアカウンセリング)=46名。
2)モバイルキャンプ(カトマンズ盆地外訪問リハビリ&訪問ピアカウンセリング)=48名。
3)IDOBATA GAFU Program=242名。
4)ILP=7名。
5)シェアリング・ワークショップ=49名。
6)介助者トレーニング=5名。
7)ピアカウンセリング・ワークショップ=5名。
8)自立生活カンファレンス=75名。
9)物資支援=148名でした。

総括

今期も訪問活動やモバイルキャンプは多くのニーズがありました。「寝たきり」「閉じこもり」には体の障がいや環境の問題もありますが精神的な落ち込みが大きく、ピアカウンセリングは重要でした。寝たきり予防や介助法を指導しました。訪問後は前向きな発言や笑顔が見られました。自立生活に不安が残る方にILPを実施し、ILCL事務所で自立生活の教育、介助者と生活体験、外出訓練を実施しました。対象の障がい者から「生きる自信がついた」など喜びの声がありました。

物資支援は自立生活にむけ訪問して実施し、物資は、移動補助具・生活補助用具・リハビリ用具・衛生用品等をニーズに合わせ提供しました。

介助者トレーニングとピアカウンセリングワークショップは介助者とピアカウンセラーの育成として実施し、ILPで介助とピアカウンセリングに受講者は尽力下さいました。


重度障がい者による発表を聞く参加者

シェアリングワークショップはラリトプール市役所内で実施。49名参加(同市副市長、女性子供課職員、地区のリーダー等)。4名の障がい者による体験談と、AMDAより「障がい者支援活動」や「日本の障がい者制度」について講義しました。参加者から「障がい者の声を初めて聴いた」「このようなワークショップをもっとしてほしい」との声が聞かれました。

自立生活カンファレンスはラリトプール市内で開催。75名参加(女性子供高齢者省大臣と同省担当官、ラリトプール市長と女性子供課主任、障がい者多数)。AMDAはバリアフリー公営バスを用意し、障がい者の参加をサポートしました。ある重度障害者は「初めて家を出て来た」と述べました。プレゼンテーションは、行政関係者、重度障害者、そしてAMDAより行いました。最後に重度障害者の社会参加のための提言書をまとめました。AMDAはこの提言書を各障がい者関連機関にアピールする為アドボカシープログラムのサポートをしました。

今期はAMDAと「おかやま発国際貢献推進事業」の協力で実施されました。皆様のご支援に謝辞を申し上げます。