被災者の絆を求めて 東日本大震災から8年目(2018/12発行ダイジェストNo.51) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

被災者の絆を求めて 東日本大震災から8年目(2018/12発行ダイジェストNo.51)

被災者の絆を求めて 東日本大震災から8年目

気仙沼市南町紫神社前商店街事務局長・AMDA参与 坂本 正人


紫神社前商店街のハロウィンイベントの様子

震災から早いもので7年半が過ぎようとしています。特に、東日本大震災の後に各地で災害が続き、とても嫌な気持ちになっています。懸命な復興作業が各地で行われている事と思います。私たちは当初は5年という期間である程度の復興が出来ると思いましたが、とても無理だったのだと実感しています。

私達の商店街も昨年オープンし今年の11月で1周年を迎えましたが、周りの区画整理事業もまだ終わらずインフラ整備も整っておらず、人が戻って来るまでには今、少し時間がかかり、そうしている内に新しい地域での生活を始めている人達は、もう戻っては来ないという悪循環が続いています。人口も年々減少しており、住民不在の街づくりの感じが否めません。やはりスピード感をもって復興に取り組まなければいけなかったのでは、と思います。スピードというものにはお金もある程度かかる事と、人と分かりあう力がどうしても不可欠です。色々な事を想定して災害に取り組まなければならないと、改めて考えさせられた商店街1周年になりました。

また、復興公共事業の方も防潮堤の高さのミス、事業者の倒産などまだまだ周りには問題が山積みです。そんな中、商店街の人達にも頑張って頂き賑わい作りに取り組んでいます。先日は、ハロウィンイベントを開催し、大勢の子供たちやお客様が来て下さり、私たちが目指す1つ、子供たちの集まる商店街が見えてきました。やはり、子供たちの笑顔は素晴らしいものです。それに伴い、7年間も被災地に目を向けて下さっているアムダの姿勢には、本当に感謝しております。各地の災害を目の当たりにして、自分たちに出来る事は何かを日頃から考えていきたいと思っています。

 

震災後3回目のコミュニティづくり

アムダ大槌健康サポートセンター 佐々木 賀奈子


遠野悟堂の里山祭りに雑貨を販売

現在大槌では震災後三回目のコミュニティ作りを必要としています。一回目は避難所、二回目は仮設住宅で、三回目は終の棲家の復興住宅や自宅再建した地区でのコミュニティ作りです。

アムダ大槌健康サポートセンターでは、さをり織り、木工、手芸、郷土料理、体笑教室、鍼マッサージ治療を継続しております。物作り健康作りだけでなく、お互いを気遣い、声かけをして、支えあっています。作り品の販売と各教室の広報に力を入れ、生きがい、やりがい、心身共に健康になれる憩いの場、大槌健康サポートセンターを継続していきます。私達が皆様からずっと御支援して頂いたお陰で今があります。今後は真心のお返し、相互扶助の精神を伝え続けていきたいと思っております。

 

復興 これから正念場

一般社団法人Tsubomi 代表理事 大久保 彩乃


「ママのための講座・サロン」の様子

東日本大震災から7年8ヶ月が経ち、大槌町も一歩一歩復興に向け歩みを進めています。しかし、その一方で人口流出には歯止めがきかず、特に若年層や子育て世代の転出が多く見られます。実際、「子どもを安心して連れて行ける・遊ばせられる場所が少なく大槌での子育てが不安」「大槌では将来に希望が見いだせない」等といった悩みを抱える方も少なくありません。そのため、私たちは母子の居場所・遊び場の創出、若い女性のチャレンジ応援等を行っています。現在、東日本大震災への支援も減少している中で、ここからが復興の正念場だと思っています。私たちは、大槌で暮らす誰もが笑顔になれる町づくりに向け、これからも精一杯頑張ってまいります。