復興への底力とネットワーク(2018/10発行ジャーナル秋号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

復興への底力とネットワーク(2018/10発行ジャーナル秋号)

理事長 菅波 茂


倉敷市真備町や総社市など西日本集中豪雨被災者の方々には復興の推進を心から祈念いたします。気候変動による災害の特徴の一つが集中豪雨です。岡山は災害のない地域と言われてきました。確かに、全国に2ケ所しかない「地下マグマが少なく地震が発生しにくい場所」であることは事実ですが、河川と山がある限り集中豪雨による災害が発生するという過酷な現実に直面しました。

総社市は2013年12月の災害支援条例の制定以前から、AMDAと共に全国の災害発生地の被災者の方々の支援に尽力してきました。その総社市自体が今回の集中豪雨により被災しました。「情けは人の為ならず、義理となって返ってくる」と感動しました。なぜなら、総社市が過去に支援をしたすべての自治体から人的及び物的支援を受けたのです。加えて、2015年6月に発足して活動をしている「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」に参加する自治体、医療機関そして経済界の団体などからも温かい支援がありました。

更に驚いたことは、高校生など次世代の若者が倉敷や総社市で意欲的にボランティアとして参加したことです。「人間かくあるべき」という学びと「誰でも他人の役に立ちたい気持ちがある」という人としての本来の在り方がこのような活動に結びついたと思います。

日本全国が、被災経験を奇貨として、信頼にもとづいた相互扶助のネットワークで結ばれていくことにAMDAが少しでもお役に立つことができれば望外の喜びです。