2017年度年次報告 教育支援 グローバル人財育成事業(2018/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2017年度年次報告 教育支援 グローバル人財育成事業(2018/7発行)

AMDA中学高校生会

◇実施場所 国内:岡山県岡山市、赤磐市、高知県黒潮町 国外:スリランカ
◇実施期間 1995年〜継続中

◇事業内容
県内の中学生、高校生36人、他県から2人合計38人のメンバーで活動しているAMDA中学高校生会(以下、中高生会)は国際協力や災害・防災をテーマに毎月1回以上の定例会を持ち、計画や内容を話し合い活動している。今年度の主な活動については以下のとおり。

◆AMDAスリランカ紛争後復興支援平和構築プログラム青少年交流事業


26年間近くも続いたスリランカでの内戦終結より2年後の2011年以降、医療和平の活動の一部として、異なる民族(シンハラ、タミル)、異なる宗教(仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教)の生徒たちが交流する「AMDAスリランカ平和構築プログラム」を継続して実施している。悲しい内戦の歴史を乗り越え、お互い交流することで相互理解を図り次世代の意識改革を目標としている。中高生会も2015年より参加しており、今年度は8月5日から3日間スリランカ中央部に位置するマータレー開催された本プログラムに、4人のメンバーがマータレー、キリノッチ、トリンコマリーの生徒たちと一緒に参加した。

3日間の中で宗教・スポーツ・カルチャープログラムが行われ、国、学校、民族、性別、宗教、言語が異なる生徒たちが混合チームを作り活動した。参加者全員が4つの宗教施設を訪問し自分とは違う宗教について理解を深め、スポーツプログラムではバレーボールの試合を楽しみ、文化交流については現地の子どもたちはダンス等を、中高生会は空手の披露等をした。

中高生会のメンバー達は最初は言語が通じない等でとまどったが、活動が進むにしたがい参加者とも打ち解け、2日目夜のキャンプファイアーでは参加者全員で岡山夏の風物「うらじゃ踊り」で盛り上がった。最終日には、3日間寝食を共にして仲良くなった友達との最後の時間を惜しみ、涙もあふれていた。参加したメンバーの顔は過去の悲劇を繰り返さない、宗教、民族、言葉が違っても仲よくできるという自信に満ち輝いていた。「皆の共通言語は笑顔だ」と言い切っている中高生会メンバーは今後も本プログラムに継続して取り組み、平和な社会を目指したいと考えている。

◆高知県黒潮町の中学生高校生との防災教育取り組み交流会


AMDAと黒潮町が南海トラフ災害に備え2015年2月に連携協力協定を締結したのがきっかけで、7月29日に中高生会の3人が黒潮町を訪れ交流会を開催した。黒潮町にある3中学・高校より合計16人の中高校生(町立佐賀中学校4人、町立大方中学校4人、高知県立大方高校6人)、及び黒潮町役場より防災担当、教育委員会職員の方々、先生方が参加し各学校の取り組みを紹介した。

佐賀中学校は「つながりはぬくもり」のタイトルで保育園と小学校、中学校合同の訓練の紹介やテレビ電話でメキシコの中学生の合同津波避難訓練を実施したことを紹介した。

大方中学校は「犠牲者ゼロを目指す」をテーマに1年生時からいろいろな場面を想定した防災教育の取り組みを紹介。

大方高校は「高校生から広げる防災」をテーマに保育園児から高校生までが訓練を通し助け合う必要性について発表した。

そして中高生会は東日本大震災復興支援として現地を訪問した様子等を紹介し、大震災で学んだことを今後に生かす重要性を語った。

交流会に参加した中高生会メンバーはこの活動について「黒潮町の危機感にあふれた防災訓練の様子を紹介されすごいと思った」「私たちも二次災害にも備え、真剣な取り組みが必要と感じた」と感想を述べた。

◆平成29年度高校生「地域防災ボランティアリーダー」養成研修(岡山県教育委員会主催)で体験発表


8月1日、岡山県内の高校生を対象に「地域防災ボランティアリーダー研修」が岡山県立芳泉高等学校で開かれ、中高生会から6人が参加し体験発表を行った。

この研修は防災に対する意識を高め、災害時に様々な活動で社会貢献できる人材育成を目的に毎年行われ中高生会は今年で4回目の参加となった。「中学生・高校生にできる災害への取り組み」と題し発表した。東日本大震災に関するボランティア活動の様子については震災時の募金活動、絆コンサート、ボランテイアバスによる現地での対話、被災地間交流の一つである復興グルメF-1大会でのボランティア活動等を報告した。また南海トラフでの災害にも触れ、若者が取り組む大切さと内容を発表、有事の時は相互扶助の精神で乗り越えていこうと、呼びかけた。

◆その他の活動

・ 4月 ペルー洪水被災者への募金活動
・ 5月 ザグフェスAMDAブースでのボランティア活動
・ 9月 岡山県立大学集中講義での発表(中学生・高校生にできる災害への取り組み) 等
・11月 スリランカ紛争後復興支援平和構築プログラム活動報告(第1回AMDA・赤磐市防災国際フォーラム)

 

インターン受入

◆井上瑠七さん(名桜大学国際学群国際文化専攻3年)


◇実施場所 AMDA事務所
◇実施期間 2017年8月21日〜9月1日

◇期間中の業務内容
インドピースクリニックにて使用する母子教育に関する英語パンフレットの再編など

◇インターン後の感想
沖縄県名護市にある名桜大学国際学群国際文化専攻3年生です。2017年8月21日から9月1日までの2週間、AMDAでインターンシップを行いました。国際問題に関心があり、大学のゼミでは主に国際貢献や国際政治について勉強しています。

AMDAで学んだことは、様々な支援の方法があることです。海外で学校健診を行い健康の大切さを教えたり、洪水被害があった国へ支援に向かったりしていました。また、南海トラフ地震津波の大被害を想定し、事前に入念に支援準備をしていることに驚きました。

私は将来、東南アジアと日本をつなぐ仕事をしたいと考えています。今回のインターンシップの経験を生かし、常に先のことを想定しながら、人々のニーズに応えられる人材になれるよう努力していきます。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。

◆シオン・マエダ・コウさん(シンガポール・高校生)


◇実施場所 AMDA事務所、AMDA大槌健康サポートセンター等
◇実施期間 2018年1月4日〜1月31日

◇期間中の業務内容
英語によるプレゼンテーションや記事原稿等の作成、AMDA中学高校生会のパンフレットの英語翻訳、東日本大震災復興支援活動地訪問

◇インターン後の感想
相互扶助などAMDAの理念が勉強でき、素晴らしい経験でした。大人になったら積極的にボランティア活動に取り組みたいと思います。

AMDAでのインターンにおいて、人の役立つことが大きな喜びであることを学び、モチベーションが上がりました。この体験を大切にし、今後も(心の中で)AMDAと一緒に歩んでいきます。