AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム概要
◇実施場所 岡山県、香川県、徳島県、高知県
◇実施時期 通年実施
◇事業内容
AMDAでは、近い将来の発生が予想される南海トラフ巨大地震に備えて、発災時に迅速な支援活動を行うため事前の対応準備を進めている。南海トラフ巨大地震が発生した場合には、孤立しやすい四国の徳島県・高知県10か所の避難所に支援へ入る事をすでに決定している。連携協定を結んでいる自治体や医療機関、経済団体と緊密に連携し医薬品や食糧の事前備蓄、支援に駆けつける医療機関と支援に入る徳島県・高知県の自治体との事前マッチング、事前交流などを進め、円滑に支援活動を行うため準備している。
2017年度では、他団体主催の訓練にも参加、互いの活動を通じ学ぶことも多かった。
【訪問先】
日程 訪問先
4/10 佐世保海上自衛隊訪問
4/25 笠岡渡船訪問
4/26 くろしお病院、天理教高知大教会、内田脳神経外科訪問
4/28 丸亀市危機管理課訪問
5/15 ムネ製薬連携協定
5/17 サンテペアーレ訪問
5/24 岡村一心堂病院訪問
7/6 備前市訪問
7/12 美波病院、内田脳神経外科訪問
7/14 渭南病院訪問
7/26 海南病院訪問
9/5 落合ガソリン(道満石油店)訪問
9/26 明石リハビリテーション訪問
9/27 岡山セコム訪問
2/16 アイ薬局移動調剤車お披露目 同席
3/9 十字屋グループ 訪問
3/28 高知県協議会
【訓練】
日程 訓練名 活動内容
6/24 南海レスキュー29参加
・南海トラフ地震を想定した陸上自衛隊演習訓練「南海レスキュー」の医療訓練の一部である人員空輸訓練に参加。
・ホウエツ病院ヘリポート発着→高知県須崎市ヘリポート着陸→高知県黒潮町拳ノ川小学校校庭ヘリ着陸。
9/3 岡山市、備前市 防災訓練参加
・岡山県岡山市東区西大寺の緑花公園にて岡山県の総合防災訓練(パネル展示)。
・岡山県備前市の防災訓練が備前市総合運動公園で開催(パネル展示と講演)。
11/4 美波町 自主防災訓練参加
・日和佐中学校の体育館で自主防災組織の避難所設営訓練(パネル展示)。
11/18 AMDAシミュレーション実施
・輸送と通信のシミュレーション、総社市を起点に徳島県にバスで移動し美馬市でレンタカーに乗換えて各避難所の自治体まで移動。
・高知県へは総社市からタクシーとレンタカーで各避難所の自治体まで瀬戸大橋としまなみ海道の2ルートに分かれて移動。
総社市→美馬市/阿波市→阿南市、美波町、牟岐町、海陽町
総社市→高知市、須崎市、黒潮町
12/16 徳島県南部訓練参加
・徳島県那賀町で実施された徳島県南部圏域防災訓練に参加(パネル展示)。
1/20 四国DMAT訓練参加
・参加医療機関:倉敷成人病センター、赤穂中央病院、はくほう会セントラル病院、倉敷平成病院
【事前交流】
日程 訪問先 活動内容
11/2 高知市
・岡山東部脳神経外科より高知市と内田グループ
岡山東部脳神経外科病院(3人)、AMDA(5人)
12/22 美波町
・倉敷中央病院より赤松防災拠点施設、美波町役場、美波病院等訪問
倉敷中央病院(3人)、AMDA(3人)
第4回災害鍼灸チーム育成プログラム
◇実施場所 岡山国際交流センター
◇実施時期 2017年7月22日、23日
◇主な参加者・団体 教育関係者、鍼灸師など
◇参加者数 28人
◇事業内容
災害鍼灸チームの「第4回育成プログラム」(AMDA主催)が7月22日、23日、岡山市北区の岡山国際交流センターで開かれ、全国から参加した鍼灸師らが有事の際の円滑な鍼灸活動の意義、ノウハウなど学んだ。
初日の22日は講師を務めた3人、1団体が講演。AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人で、帝京平成大学の今井賢治教授は災害時の避難所等での鍼灸活動について説明した。続けて熊本地震発生以降、実際に避難所で鍼灸活動を行っているAMDA熊本鍼灸チームの3人が活動内容を報告、「鍼灸は心の健康に尽力できる素晴らしい仕事だとあらためて感じた。患者とともに苦しみ、感情を分かち合う気持ちを大切にしたい」と語った。AMDA大槌健康サポートセンター長である佐々木賀奈子鍼灸師は、東日本大震災で津波にのみ込まれ、奇跡的に助かったご自身の経験を語ったうえで、「生かされたからこそ、何かをしなければ、と懸命に生きてきた。患者の目線で考えることが災害鍼灸の原点と思う」とご自身の鍼灸活動について報告した。高橋徳氏(AMDA災害鍼灸ネットワーク世話人、クリニック徳院長)は、米国での鍼灸と西洋医学の双方の視点から研究する「統合医療」の専門家について紹介、医師はより患者の自然治癒力を信じ、信頼関係の構築に努める必要があることを語った。
2日日目は難波妙AMDA理事より緊急医療支援活動の中の鍼灸の役割と今後の展望について話した後、災害時における鍼灸治療について、過誤を防ぐためにはどのような点に気を付けたらいいか、参加者の方々とともに活発なディスカッションが行われた。
第4回AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議
◇実施場所 岡山国際交流センター
◇実施時期 2017年7月23日
◇主な参加者・団体 中四国の自治体職員、医療機関関係者、企業関係者など
◇参加者 約300人
◇事業内容
AMDAは7月23日、南海トラフ地震の支援体制や取り組みを探る第4回調整会議を岡山市内で開催した。連携する中四国の自治体や経済団体、医療機関などから約300人が出席。片岡聡一・総社市長は「他県からの避難者の生活を支援する新たな条例を検討したい」と意欲を示した。松田久・岡山経済同友会代表幹事は、民間業者の在庫を優先的に避難所に送る「流通備蓄」の手法を紹介。友實武則・赤磐市長は「AMDAの相互扶助の精神を学び、成熟した自治体を目指す」と述べた。
その後、熊本地震発生時の避難所運営と題し、熊本県益城町の職員が当時の避難所での様子を写真等を使用して報告、「自身が感じた危機感や経験を伝えることが恩返しだと思っている」と語った。そしてAMDA災害鍼灸チームからも東日本大震災等災害時の鍼灸の役割、そして熊本地震の際には救護室にて活動を実施したことにより、医療との連携がうまく取れたことについて説明、更に避難所での環境や被災のストレスによる肩こりの症状を鍼治療にて緩和できたことなどを報告した。
最後に、南海トラフ災害に対して準備を進めるAMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム運営委員会委員長並びにAMDA職員による食糧備蓄や宿舎確保等の進捗状況、緊急輸送合同訓練の実施状況の説明をした。
AMDA被災地間交流フォーラム
◇実施場所 山陽老人福祉センター(岡山県赤磐市下市)
◇実施時期 2018年2月18日
◇主な参加者・団体
友實武則赤磐市長、田原隆雄備前市長、片岡聡一総社市長、松田久岡山経済同友会代表幹事、東北三陸沿岸商店街10人、高知・徳島県の行政関係者3人
◇参加者数 80人
◇事業内容
東北三陸沿岸復興支援と南海トラフ地震の備えを話し合うAMDA主催の「第4回被災地間交流フォーラム」(赤磐市、赤磐市社会福祉協議会後援)が2月18日、同市下市の山陽老人福祉センターで開かれ、「災害時に岡山が果たす役割」について活発な討議が行われた。
岡山経済同友会の松田久代表幹事が「災害時の支援拠点・岡山」と題して講演。AMDAと連携協定を結んでいる赤磐、備前、総社市、和気町、丸亀市の各首長が“ひとことアピール(メッセージを含む)”を発表した。
宮城県気仙沼南町紫神社前商店街事務局長の坂本正人氏は「地域の復興の現状」について述べ、高知県黒潮町職員の友永公生氏は「事前復興の視点から考える地域振興」と題して話した。AMDA職員から南海トラフ災害対応プラットフォームの取り組みについての説明もあった。フリーディスカションでは、AMDAグループの菅波茂代表が司会を務め、出席者からは「国の補助金制度は被災地の実情に合わせて変更して欲しい」「万一の時、底力となるのが住民同士のコミュニティー」といった声が聞かれた。