「こども食堂」産官学民の支援の輪広がる(2018/06発行ダイジェストNo.50) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

「こども食堂」産官学民の支援の輪広がる(2018/06発行ダイジェストNo.50)

参与 今井 康人


お米を配布するAMDAスタッフ

地域の大人が子どもに無料または低額で食事を提供する「こども食堂」は、岡山県内でも地域のボランティアによって開設が相次いでいます。AMDAはこの食堂を支援するため、2017年12月、重点事業として取り組むための母体組織となる「プラットフォーム」を設立、食糧の提供などを始めました。AMDAの活動趣旨に賛同する産官学民からも支援の輪が広がっています。

プラットフォームは将来を担う子どもの健やかな成長を支える環境づくりを目指し、社会全体でバックアップする機運の醸成が目的です。

運営理念は開かれた相互扶助

運営は、AMDAの理念に基づき、1)支援を受ける側にもプライドがあることを配慮し「困った時はお互い様」の精神を育成する「開かれた相互扶助」2)子どもの悩み、苦しみを共有し信頼関係を構築する「パートナーシップ」3)こども食堂を運営するボランティアの考えを尊重する「ローカルイニシアティブ」(現地主導)―の3本柱です。

推進組織としてプラットフォーム世話人会を設立し、代表には赤磐市長の友實武則氏が就任。事務局長には、県内で「こども食堂」研究の第一人者とされる川崎医療福祉大講師の直島克樹氏に引き受けていただきました。

活動内容を相談したり、提案をいただく立場の顧問には、千葉喬三・元岡山大学長と沖陽子・県立大副学長、秋山祐治・川崎医療福祉大副学長らに依頼し、快諾を得ました。

県内産のお米を配布

AMDAは2018年3月12日、こども食堂に携わる4団体の希望に応じて県内産の玄米を計120kg配布。「運営費に苦労していたので、ありがたい」「お米がおいしいと子どもが言ってくれた」とこども食堂運営者から喜びの声が上がっています。今後も年4回のペースで配布します。

調味料や副食費の支援の準備も進めており、岡山商工会議所連合会と岡山経済同友会は加盟企業にAMDAへの協力を呼び掛ける文書を送っていただきました。鶏卵・鶏肉販売のアルムの里(赤磐市)と日生漁協(備前市)には、こども食堂に対し原価販売で対応してもらえることになっています。県内のこども食堂は40〜50団体とされ、今後も増える見通しです。

AMDAこども食堂支援プラットフォーム 活動方針

 

  1. こども食堂に米、調味料、食料費などを提供する
  2. 子どもに企業見学の場を提供し、社会参加に向けての視野を広める
  3. ボランティア活動を通し、人に役立つことで自己肯定感を育む