ロヒンギャ難民支援(2018/01発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ロヒンギャ難民支援(2018/01発行ジャーナル冬号)

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ロヒンギャ難民へ長期支援を決定

難民キャンプで診療を待つ人々

2017年8月末以降、ミャンマーから隣国のバングラデシュに逃れるイスラム系少数民族・ロヒンギャ難民は増加の一途をたどっています。以前からバングラデシュに住む難民約20万人と合わせると、約85万人と推定されています。

AMDAが11月8日、難民キャンプに看護師兼調整員を派遣、現地調査した結果、簡素な仮設テントが見渡す限り続き、電気はなく、トイレも糞尿であふれる劣悪な環境であることが分かりました。仕事がなく、現金収入を得るのも非常に難しい状況が続いています。

このため、AMDA本部は今後1年間、AMDAバングラデシュと日本バングラデシュ友好病院とともに定期的に医師、看護師を派遣する長期支援の方針を決定しました。
 

難民キャンプに医師派遣

仮設診療所で診察を行う米田医師

医療支援の第1号として12月11日、米田哲医師(北九州市在住)がバングラデシュに向かいました。難民キャンプは首都・ダッカから約300キロ離れたコックスバザール県クトウパロン(Kutupalong)にあります。23日まで滞在し、仮設診療所で1日約120名の患者を診察しました。
 

バングラデシュ支部も懸命な支援

AMDAバングラデシュ支部のスタッフは支部長のナイーム医師を中心にコーディネーター、看護師・助産師、ボランティアら9人で構成。1日約120人の患者の対応に追われています。12月31日現在の総患者数は7,398人となっており、症状は下痢や風邪、皮膚病が目立ち、妊婦が多いのも特徴です。

スタッフは「着実に支援を続けることが大切」として今後は、長期的な平和構築プログラムを視野に入れた活動を目指しています。
 

難民支援へ募金活動

ロヒンギャ難民への継続的な支援を決めているAMDAは11月10日に続き、2回目の募金活動を12月14日、JR岡山駅とイオンモール岡山の連絡地下道で実施しました。

会場には難民の生活ぶりを紹介するパネル(A3判)6枚を掲示。ブルーのアムダカラーのジャンパー姿の職員、ボランティア10人がチラシ200枚を配りながら市民に協力を求めました。

市民から「こんな残酷なことがなぜ起きたのか」「AMDAさん、頑張って」と温かい励ましとともに、快く募金に応じて頂きました。若いカップルは「たくさんの子どもたちが心配。全員助かれ」と大きな声を出して、ポケットから持ち金の全額を取り出して寄付してくださいました。
 

トマト銀行が難民支援に寄付

井上正樹執行役員営業統括部長(左)より
贈呈を受ける小池彰和名誉センター長

トマト銀行(岡山市北区番町)からロヒンギャ難民支援指定として12月15日、AMDAに寄付をいただきました。

同銀行が11月中に展開した商品「AMDA国際医療貢献定期預金」の預け入れ総額に応じた寄付金で、今年で3回目です。

AMDA本部(岡山市北区伊福町)で寄付金贈呈式があり、同銀行の井上正樹・執行役員営業統括部長が「社会貢献の一環として実施していますが、お客様のお陰で昨年を上回る総額となりました」とあいさつ。目録を受け取ったAMDAボランティアセンターの小池彰和名誉センター長は「温かい心遣いをありがとうございます」とお礼を述べ、感謝状を同銀行に贈呈しました。

続いて、11月にロヒンギャ難民キャンプで現地調査をしたAMDA本部職員で看護師兼調整員は食糧や水、医薬品などが不足している難民の生活ぶりを説明。「今も1日に約5千人がミャンマーからバングラデシュに移動している」と話しました。