2017年8月末より、ミャンマーからバングラデシュに移動しているイスラム系少数民族・ロヒンギャ難民の数は増加の一途をたどり、国連人道問題調整事務所(UN OCHA)によると、10月29日時点で約60万人、以前からバングラデシュに住む難民も合わせると82万人になります。
AMDAバングラデシュは、難民キャンプの環境悪化を憂慮し支援活動を決定。9月21、22日にコックスバザール県で行った調査では、安全な飲料水が不足するなど感染症がまん延しやすい状況にあることが分かりました。
これを受けて、同県ウクヒヤ地域にあるクトゥパロン難民キャンプの一角に仮設診療所を開設。10月22日より医師2人をはじめ、救急救命士、助産師、調整員など9人で構成する医療チームが支援を継続的に行っており、1日平均120人を診療し、無料で医薬品を提供しています。特に高齢者、子どもの健康状態や妊婦の適切なケアが課題となっています。
11月8日にはAMDA本部から看護師兼調整員1人を現地調査のため派遣しました。
AMDAバングラデシュによる
仮設診療所での診察の様子
コックスバザール県の
難民キャンプの様子
ロヒンギャ難民支援へ募金活動
AMDAは、ミャンマーからバングラデシュに移動するイスラム系少数民族・ロヒンギャ難民を支援するため11月10日、JR岡山駅東西連絡通路で募金活動を行いました。
会場には難民キャンプの様子を紹介したパネル(A3判)3枚を掲示。ブルーのアムダカラーのジャンパー姿の職員とボランティア計9人は、支援を呼びかけるジャンボ看板(横110cm、縦76cm)を手に、市民に協力を求めました。
市民からは「難民の置かれた環境を知ると心が痛みます」「AMDAさん、頑張ってね」と温かい励ましとともに、快く募金に応じて頂きました。
AMDA本部(岡山市北区伊福町)にも寄付金が相次いでいます。皆さんのご厚意に感謝します。
ロヒンギャ難民
ミャンマー軍の迫害でバングラデシュに逃亡するロヒンギャ難民の歴史は1990年代にさかのぼる。AMDAは1992年、難民約20万人を救うため医師団を派遣。2017年からは難民がさらに増加し、現在は約100万人にのぼると推定されている。仮設の難民キャンプは極度に劣悪な環境で、人々は食糧、飲料水がほとんど手に入らない状況。国連は「未曾有の緊急事態」と指摘し、援助の拡大を求めている。