インド・ビハール州ブッダガヤでの活動(2017/10発行ジャーナル秋号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

インド・ビハール州ブッダガヤでの活動(2017/10発行ジャーナル秋号)

AMDAピースクリニック


モリンガ(野菜)スープを配布する現地スタッフ

AMDAピースクリニックは2009年にアーユルヴェーダクリニックとして開院後、2014年からは地域のニーズに対応するため、母子保健に特化したクリニックとして再スタートを切りました。現地看護師による妊産婦の家庭訪問と月2回行う妊産婦健診を継続的に行っており、新たな試みとして健康教室の開催と栄養プログラムを開始しました。

AMDAピースクリニックは対象地域に住む妊産婦の家庭訪問を行っています。暑い日には40℃以上になる炎天下の中歩いて各家庭を訪問するのはかなり体力的に負担がかかりますが、妊産婦との絆を深め、信頼関係を築くため定期的な家庭訪問は欠かせません。その信頼関係があるからこそ、妊産婦や新生児の状況が変化すると看護師に連絡、相談があります。

訪問時には妊産婦の健康相談、健康指導、新生児予防接種の接種状況の確認、妊産婦健診の案内と健診事前登録などを行っています。9月8日には現地産婦人科医による妊産婦健診を実施し、妊婦23名が訪れました。必要な方には血液検査も行われ、健診後には薬を提供しました。

また、新たな試みとして健康教室を開催。9月4日に行われた教室では「栄養価の高いモリンガ」について現地看護師が妊産婦17名に対して授業を行いました。タンパク質、ビタミンA、B、Cやミネラルを豊富に含むモリンガは現地でも通年、安価に手に入ります。授業の後には、モリンガと野菜のスープを提供しました。、一度口頭で伝えるだけでは定着しにくい知識も、継続的に伝え続けることで定着していきます。

今後もAMDAは貧困率の高いビハール州ブッダガヤにおける妊産婦への支援を継続し、健康教育を通して妊産婦はもちろんのこと、コミュニティー全体における健康に対する知識の定着と向上を目指していきます。

シュリプール村生活支援〜井戸の建設と祈りの場の提供〜


AMDAが支援した井戸の周りに集まる村人たち

AMDAピースクリニックが母子保健事業を行っているブッダガヤにあるシュリプール村で、AMDAは新たに生活支援を始めました。社会的経済的発展により住民が十分な食糧を確保できるようになることで栄養状態が改善され、ひいては健康状態の向上につながります。

2017年7月から8月にかけて、シュリプール村の人々の要望に応える形で、AMDAは生活支援として、井戸の建設と祈りの場の提供を行いました。

シュリプール村には灌漑が発達しておらず、農業用水は井戸水に頼っています。以前は公共の井戸がなかったため、私有の井戸水を購入し稲作を行っていました。そこでAMDAは公共の農業用井戸建設を支援し、7月下旬、約23メートル地点から農業用井戸に必要な水量が出たという嬉しいニュースとともに、住民が井戸水の出ている周りに集まって喜んでいる様子が写ったビデオも届きました。今期から早速、井戸水を利用し稲作を始めています。

 


シュリプール村の祈りの場

また、「シュリプール村に祈りの場を!」という地元の人々の声に応えるためAMDAは祈りの場の提供も行いました。広さ2畳ほどの建物の建設は地元の人々が携わり、地域の守り神として悪を祓うドゥルガの神を祀ります。今後は村で担当者を決めて、維持管理に当たります。