フィリピン・ミンダナオ島国内難民への支援(2017/10発行ジャーナル秋号) – AMDA(アムダ)
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特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

フィリピン・ミンダナオ島国内難民への支援(2017/10発行ジャーナル秋号)


避難所の子どもに「お絵かきセット」を手渡す
AMDAスタッフ

5月23日にフィリピン・ミンダナオ島マラウィ市で起きた武力衝突は現在も続いており、フィリピン社会開発省によると35万9680人の国内難民が発生(8月30日時点)。AMDAは武力衝突が始まって以来、現地協力者と連絡を取り合いながら状況を見守っており、7月末に難民支援の可能性について話し合うためAMDAは岡山倉敷フィリピーノサークルと協力して調整員と看護師2人をフィリピンに派遣しました。

フィリピン大統領府長官筆頭秘書官グロリア・メルカド氏との協議の結果、難民は長引く避難所生活により心身ともに衰弱し、生活環境も厳しい状況であることから、AMDAは避難所の子どもたちへはクレヨンと画用紙・塗り絵を入れた「お絵かきセット」500セットの配布、市内のアマイパクパク医療センター(APMC)へは医薬品、医療資材の提供を行うことに決定しました。

8月2日にミンダナオ島入りしたAMDAはイリガン市にあるAPMCサテライトオフィスを訪問し、主に手術で用いる医薬品などを手渡しました。続いて221世帯1,082人が暮らすイリガン市マヤ・クリスティーナ地区の避難所で、遊び場のない子どもたちに少しでも楽しんでもらいたいという想いから、この避難所の未就学児91人に「お絵かきセット」を配布しました。その他409セットは他の避難所に住む子どもたちへ配布するため、保健省地方オフィス担当者に渡しました。

避難所の女性は「着の身着のままで、幼い4歳の子供を含む家族と一緒にマラウィ市からイリガン市まで1日歩き続けた。こうして私たちに会いに来てくれるだけでありがたい。子どもたちも興奮するほど喜んでいる」と話していました。

AMDAでは今後も現地と連絡を取り合いながら状況を注視し、国内避難民への復興支援も見据えた支援の可能性を模索していきます。