ネパール地震復興支援活動
◇実施場所 ゴルカ郡、シンデゥパルチョク郡、カトマンズ市内、岡山済生会総合病院
◇実施期間 2015年5月26日から現在
◇派遣者 アルチャナ・シュレスタ・ジョシ/ネパール担当部長ほか
◇現地協力団体 AMDA ネパール、ネパール医師会、Center of Independent Living Kathmandu (CIL-Kathmandu)
◇受益者数 1700人以上
◇事業内容
2015年4月25日、マグニチュード7.8の大地震がネパール中部を震源に発生。5月12日にはマグニチュード7.3の余震が起き、被害が拡大した。AMDAは緊急救援活動に続き、5月26日から復興支援を続けている。
学校のトイレ建設
震源地のゴルカ郡では90%以上の建物が全壊し、多くの学校も被害を受けた。水不足と劣悪な衛生状態が授業運営の大きな妨げとなっており、AMDAは学校のトイレ建設プロジェクトを計画。ゴルカ郡の2つの学校にトイレを設置した。
心理カウンセリングボランティア養成
被災に伴う心的外傷が被災者に及ぼす影響を考慮し、心理カウンセリングのボランティア養成講座を実施した。418人のヘルスボランティアが心理社会的サポートと基礎的なカウンセリング技術の研修を受け、修了証を得た。
障がい者支援プロジェクト
障がい者の自立に向け、リハビリテーションの視点からの支援の必要性に迫られていた。AMDAは現地製造の車いすと福祉用具の支援をもとに訪問リハビリテーションを行い、閉じこもり予防などのサポートを続けている。
海外研修プログラム
岡山県が実施しているローカルトゥローカル海外研修員として、AMDAダマック病院のディワス ラジュ ボホラ医師が来日。岡山済生会総合病院で3カ月間の内視鏡の研修を受けた。帰国後は同病院で胃腸病に苦しむ患者に上部消化管内視鏡検査によって病状を診断し、必要に応じて胃生検や潰ようクリッピング検査ができるよう体制の整備を検討している。
健康診断プログラム
AMDAネパールはAMDAの支援のもと、3月13日にヤムナダンダ村で無料健康診断を実施した。内科医1人、歯科医1人、歯科衛生士兼調整員1人と助手1人をこの村に派遣し、内科医と歯科医が合計105人を診察した。診察後は必要な薬を無料で配布した。貧困や、病院へのアクセスが悪いことを理由に病気を抱えている多くの人が健診を受けた。
◇受益者の声: 医療サービス、心理的なカウンセリングやピアカウンセリングを受けていた多くの被災者たちは、AMDAの支援があったからこそ、大地震で負った外傷の治療ができ、精神的な不安を乗り越えることができたことに対して敬意を表していました。
東日本大震災復興支援活動
◇実施場所 岩手県上閉伊郡大槌町、宮城県本吉郡南三陸町、宮城県気仙沼市、宮城県石巻市、福島県南相馬市
◇実施期間 2011年3月12日から現在
◇派遣者 (2016.4.1〜2017.3.31)AMDA本部職員含む延べ102人ほか、現地雇用4人(計106人)
◇現地協力団体 復興グルメF-1大会運営事務局、NPO法人仙台夜回りグループ
◇受益者数 7,874人
◇事業内容
2011年3月11日にマグニチュード9.0の大地震が発生し、津波による甚大な被害をもたらした「東日本大震災」から6年が経過した。AMDAは緊急医療支援活動として同年4月末までに延べ149人を派遣。その後も途切れることなく復興支援事業を継続して実施し、被災者の方と手を取り合って復興へ向けた着実な歩みを進めている。
医療・健康支援
2011年12月に岩手県大槌町で開所したAMDA大槌健康サポートセンター(センター長・佐々木賀奈子鍼灸師)。地域スタッフが中心となり、「さをり織り教室」などを開催し、地域住民の心身の健康に着目した教室やイベントを行っている。適度な運動になる上に、地域住民の憩いの場として好評を得ている。2016年12月で開所して丸5年を迎え、さらに地域に密着した活動を目指している。また、2016年5月にAMDA大槌健康サポートセンターのスタッフ2人が独立し、一般社団法人Tsubomiを設立。AMDAの委託事業として子育てに関する教室などを企画・運営している。
生活・自立支援
東日本大震災の被災地の商店街などが丹精を込めた料理を出品し、来場者が投票して人気ナンバー1を決める「復興グルメF−1大会」(同実行委員会主催、AMDA協賛)。被災商店街がひとつになり、復興に向けて知恵を共有する大会となっている。2016年度は12回目が2016年4月16日に福島県南相馬市、13回目が2016年10月9日に宮城県石巻市、14回目が2017年3月26日、宮城県南三陸町で開かれ、大勢の家族連れでにぎわった。AMDAは現地に向けてボランティアバスを運行。テーブルやいすの設置作業をしたり、各ブースに入ってグルメを求める列がスムーズに並べるよう声掛けをした。
第14回復興グルメF-1大会in南三陸:2017/3/26
また、2016年2月には被災地間交流フォーラムを開催し、今後起こり得る「南海トラフ地震」に備えて東日本大震災の被災地の仮設商店街の方、また南海トラフ地震で被災が予想される地域の自治体の方が一堂に会し、経験や知恵を共有し、将来に備えた具体的なディスカッションを行った。
さらに、震災後路上での生活を余儀なくされている方々に対し、AMDAは2013年度から現地にお米を贈る活動を開始。AMDAの呼び掛けに賛同をいただいた個人農家や農業高校からお米を提供いただき、現地で炊き出しなどを行っているNPO法人仙台夜回りグループに送っている。
教育支援
これまでに引き続き、AMDA東日本国際奨学金の支給を継続。岩手県立大槌高等学校、宮城県立志津川高等学校に在学する、将来医療従事者を目指す各学校長の推薦を受けて選定された学生を対象に支給した。2016年度は15人へ奨学金の支給を行った。これまでの受益者数はのべ313人となった。
その他にも学生の被災地でのボランティア活動の受け入れ、調整なども行った。
◇受益者の声
被災商店街同士、会って話をすることはなかなかないので、F-1大会を通じて参集できてとても良い刺激と情報交換の機会になっている。
奨学金を受けることができ、夢への一歩を踏み出せると思います。将来は、地元で看護師として働けるようになりたいと思います。