2015年4月25日にマグニチュード7.8の大地震がネパール中部を震源に発生し、ネパール各地に甚大な被害をもたらしました。5月12日にはマグニチュード7.3の余震が発生し、被害が拡大しました。AMDA本部では、4月25日の災害発生の一報を受け、緊急救援を決定し医療チームを派遣しました。緊急救援活動に引き続き同年5月26日から復興支援活動を実施しています。
学校のトイレ建設プロジェクト
小学校に建設されたトイレ
震源地であるゴルカ郡では90%以上の建物が全壊し、多くの学校も被害を受けました。水不足と劣悪な衛生状態が授業運営の大きいな妨げとなっており、AMDAは学校でのトイレ建設プロジェクトを計画、ゴルカ郡の2つの学校でトイレ建設を実施し、生徒たちに喜ばれています。
心理カウンセリングボランティア養成
ボランティア養成講座の様子
被災したことによる心的外傷が及ぼす精神的影響を理解し、それらを軽減するために心理カウンセリングボランティア養成プログラムを実施しました。総勢418名のヘルスボランティアが心理社会的サポートと基本的なカウンセリング技術の研修を受け、修了資格を得ました。受講者それぞれが得た知識と技術を利用し、自分達はもとより他の生存者達の心理面での支援につながっています。
障がい者支援プロジェクト
台所仕事ができるようになった車いす利用者
昨年のネパール地震で被災された方々の中には、未だに仮設住宅などで生活をしておられる方々が多数いらっしゃいます。障がい者の自立生活に向けてリハビリテーションの視点から必要な支援を行うことが重要です。そこでAMDAは現地製造の車いす支援と福祉用具支援をもとに訪問リハビリテーションを行って、閉じこもり予防や自立生活にむけたサポートを行っています。また、バリアの多い遠く離れた地に住んでいても、私たちは大変な悪路であろうと訪問し、見放してはいないという事をメッセージとして伝えるように心がけています。
平成28年度岡山県ローカルトゥロカール海外研修プログラム
岡山県知事訪問の際に挨拶するディワス医師
開発発展途上国の地域の技術水準の向上のために岡山県が実施している、ローカルトゥロカール海外研修員としてAMDAダマック病院の内科医のディワス ラジュ ボホラ医師が来日し、岡山済生会総合病院で内視鏡の研修を受けています。3か月間の研修を修了し、帰国後はAMDAダマック病院で胃腸病に苦しむ患者に上部消化管内視鏡検査によって病状を診断し、必要に応じて胃生検や潰瘍クリッピング検査ができる体制を作ることを検討しています。