南米エクアドル共和国地震 被災者に対する緊急支援活動(2016/6発行ダイジェストNo.46) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

南米エクアドル共和国地震 被災者に対する緊急支援活動(2016/6発行ダイジェストNo.46)


被災した子どもたちへの学習支援

4月17日にエクアドル共和国エクアドル市を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生。最大でマグニチュード5.1の強い余震も報告され、多くの被災者が瓦礫の下敷きとなる甚大な被害が予測される状況となりました(エクアドル政府4月18日発表)。また、エクアドル政府危機管理室によると、この地震による死者は570人、負傷者7,000人以上、行方不明者155人、被災者は2万5000人以上にのぼりました(4月21日発表)。

こうした状況を受け、AMDAは医療支援活動を決定。本部からニティアン・ヴィーラバーグ調整員1人を派遣し、現地大学Universidad San Francisco de Quito (USFQ)と共同で支援活動を行いました。

同調整員は23日深夜(日本時間午後1時半)、エクアドルの首都キトに到着。現地協力団体であるUSFQ関係者と協力し、ただちに西海岸の港町ペデルナレスに移動しました。同調整員が見たのは、瓦礫の山と化した町で、被害は全家屋の8割から9割に及んでいました。狭いスペースに大勢の避難者がおり、いかに感染症を予防するか、保健教育の必要性に迫られていました。

さらに、ペデルナレスは山沿いに点在する集落のため、支援物質が届いておらず、医療支援も十分ではありませんでした。そこで、活動の拠点をペデルナレスに置き、アムダ‐USFQ合同チームは、大学の医師や看護師ら総勢17人で構成する医療チームを結成、活動を本格化させました。5月27日現在で、第9陣となる派遣者(医師、看護師、教育関連の専門家)が現地で支援活動を行っています。

エクアドル政府は5月2日に被災各地の学校を再開させる予定でしたが、非常事態下にあるため早くても7月まで延期することとなりました。

そこで、AMDAとUSFQによる合同チームは同国北西部湾岸に位置するマナビ県ペデルナレスにある学校で、サマーキャンプ形式で子供達を対象とした教育プログラムを実施。学校再開が延期される中、子供達の日々の勉強の継続を可能にしています。5月15日に始まった学校プログラムは初日から120名の生徒を迎え、一週間後にはさらに20名の児童を迎えました。

■派遣者/ニティアン・ヴィーラバーグ/AMDAインターナショナル事務局長/調整員