東日本大震災から5年を迎えて(2016/4発行ジャーナル春号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災から5年を迎えて(2016/4発行ジャーナル春号)

東日本大震災支援活動

2011年3月11日にマグニチュード9.0の地震が発生し、大津波による甚大な被害をもたらした東日本大震災から5年が経過しました。AMDAは、災害発生の一報を受け、直ちに緊急救援を決定。翌12日には、宮城県仙台市内の被災地に入り活動を開始しました。緊急医療支援活動として4月末までにのべ149名を派遣しました。その後途切れることなく第一次3か年復興支援活動を、2014年4月からは第二次3か年復興支援として、事業を継続し行っています。

AMDA大槌健康サポートセンター

2011年11月に岩手県大槌町で開所した、AMDA大槌健康サポートセンターでは、地域スタッフが中心となり地域住民の心身の健康、食生活の改善、子育て支援、運動促進などに着目した「教室」や「イベント」を行っています。今年度のセンター利用者総数は2月末で延べ1,326人となりました。活動の様子を一部紹介いたします。

 

鍼灸事業


AMDA大槌健康サポートセンター内にある鍼灸院は地元在住の佐々木賀奈子鍼灸師によって運営されています。現在、町内は復興工事で大型車などが多く、高齢者にとって通院が困難なため、患者さんのご自宅での往診治療のニーズも高まっています。町外避難者の住む県内内陸部への往診や独居の仮設住まい高齢者訪問も行い、治療をしながら患者さんに現在の町の様子なども伝えています。

7月8日第3回災害鍼灸チーム育成プログラム開催決定!

災害時に避難所での鍼灸治療の効果が注目され、ニーズが高まっています。大槌で活躍している佐々木賀奈子鍼灸師も講師として参加します。詳しくはAMDA事務局(086-252-7700)まで。

  • 募集対象:鍼灸師をめざす学生 および 鍼灸師 定員30名
  • 参加費用:3,000円(宿泊費、交通費などの諸経費は自己負担)
  • 応募期間:2016年6月15日まで(定員になり次第、募集を締め切ります。)
  • 開催場所:岡山国際交流センター5階

 

コミュニティ形成事業


ママスマイルひろば

ママスマイルひろば

復興工事の関係で、安心・安全な遊び場が少なく、行き場を失っている母親と子どもたちのために地域の集会所でキッズスペースを作り、子育て世代が気軽に立ち寄れる“居場所”の提供を行いました。子育てにおける相談窓口や母親たちの集いの場も少ない中で、母親同士の情報交換・交流の場にもなっています。

天然酵母パンスクール・パンプレートスクール

2012年に講師養成講座を開催。現在ではその講座を受講した町民が講師となり、活動しています。フライパンとポリ袋で作る方法は、狭い仮設住宅のキッチンでも取り組みやすいため参加者の方からも喜ばれます。

仮設団地支援

山間部に位置している仮設住宅の住民は、買い物など町へ出る移動手段は車かバスになり、部屋の中も狭い上、日常の運動量が減ってしまいがちです。そこで、住民の運動不足解消・コミュニティの構築・閉じこもり防止のため、各仮設住宅団地の集会所・談話室で健康体操教室を実施しています。体操のあとの「お茶っこタイム」では、震災当時の話題も度々あがり、住民同士で気持ちを共有できる大切な時間になっています。

チャレンジショップ

コミュニティスベースの一角に得意なことを活かして挑戦する場として「チャレンジショップ」というレンタルスベースを設けています。チャレンジショップを通じて、出店者の方々の個人の収益、意欲形成にもつながっています。

女性のためのヨガスクール

町内でも人口減少や少子化か深刻化している中、若者がいきいきと活動できる場の不足が問題視されています。そこで比較的若い層の女性を対象として、女性の心身の健康などにも効果のあるヨガの講座を行っています。いつも忙しい日常生活の中で、自分ではない“誰かのため”に頑張りがちな女性たちが、一度立ち止まって自分の心と身体の声にゆっくり耳を傾けるための場になっています。

復興グルメF-1大会


第10回F-1の様子

被災地間を繋ぐことにより情報や知恵を共有し復興への新たな取り組みにつなげることを目的として、岩手県の大槌町と宮城県気仙沼市の仮設商店街の交流から始まりました。その後、岩手・宮城・福島の3県にまたがり、15もの仮設商店街が参加する「復興グルメF−1大会」は、同大会実行運営委員会主催として2016年3月までに計11回開催されています。

4月16日に第12回復興グルメF−1大会が福島県南相馬市で開催されます。AMDAからもボランティアバスを出し、多くのボランティアの方々にご活躍いただきます。

東日本大震災5周忌RNN合同慰霊祭

震災から5年が経過した今年3月11日、地震発生と同時刻にRNN(人道援助宗教NGOネットワーク)による慰霊祭が岡山市北区の神道山黒住教日拝所にて行われ、AMDAから理事長をはじめ5名の本部職員が参加しました。

当日は参列者一同による黙とう、そしてRNNメンバー有志による慰霊と復興の祈りが捧げられました。RNNの皆さまには、地震発生直後の3月13日から4月12日まで街頭募金を連日実施していただきました。

(注)RNN様は、岡山県内の宗教者が宗旨・宗派・宗教の枠を超えて人道支援活動を行う団体です。

被災地を「食」で支える

被災地では、震災後やむを得ず路上で生活をする方がいます。AMDAは2013年度から被災地を「食」で支えようと、現地にお米を送る活動を続けています。

AMDAの呼びかけにご賛同いただいた、個人農家や農業高校を「AMDA支援農場」に認定し、現在は県内の67個人・団体で活動しています。2013年度のスタート以降、送付量は3,700キロ以上です。