東日本大震災復興支援事業(2014/10発行ジャーナル10月秋号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災復興支援事業(2014/10発行ジャーナル10月秋号掲載)

東日本大震災復興支援事業

AMDAでは、2011年に発生した東日本大震災の「第2次復興支援3か年事業」として「医療・健康」「教育」「生活」を柱とした、様々な復興支援事業を継続しています。

AMDA東日本大震災国際奨学金

東日本の復興を担う世代に対する教育支援として「AMDA東日本大震災国際奨学金」を支給しています。これは将来医療従事者を目指す被災地の学生を対象に、年間18万円(15,000円/月)を支給するもので、返済の必要はありません。2011年度の支給開始から、2013年度までにのべ253人が本奨学金の支給を受けました。さらに、皆様からのご支援により、本年度新たに7人に奨学金が決定し2014年度の奨学生は28人となりました。
以下に、岩手県立大槌高等学校の奨学生から頂いたお手紙を抜粋してご紹介させていただきます。

2年 女子

私は、将来看護師になりたいと思っています。理由は、病気の方々のお世話を通じて人の役に立つことができ、とてもやりがいのある職業だと思ったからです。看護師になるという夢がかなったなら、自分の生まれ育った地域で働きたいと思っています。その為に、自分が今出来る、勉強や社会活動にも取り組んで行きたいと思います。

私の将来の夢をかなえる為には、大学や専門学校に入学し、資格を取得しなければなりません。奨学金をもらいながらそれらの学校に進学していきたいと考えています。

2年 女子

私が、看護師という仕事に憧れた理由は母です。私の母は、私が小学5年生のころから看護助手として病院に勤めています。日勤の他に夜勤もあり、大変な仕事だと思います。しかし、患者さんからのお礼の言葉や嬉しそうな顔を見ると、やりがいを感じるし、また頑張ろうと思うと言っていました。そんな母の話を聞いて、私も看護師になって、たくさんの人達と関わりたいと感じたことが、憧れたきっかけです。皆さんの力を借りて、私も自分の夢をかなえて、人の為になる仕事をしたいです。

3年 男子

私は、将来看護師になりたいと考えています。小さい頃から、身内に看護師がいて、その人が、「今日も患者さん良い笑顔だった」など楽しそうに仕事をしている事を聞いて、「私もなりたい」と思いました。

その後、東日本大震災が起きて、命の尊さが分かりました。私が目指している看護師は甘くない事を良く分かりました。だからこそ東日本大震災を経験した一人として、命が危ない人や、怪我をしている人などの助けになりたいと思いました。さらに私は、コミュニケーション力があるので、患者の気持ちなどが分かると思いました。私は、一人でも多くの人を助けたいし、笑顔にしたい。昔から夢だった看護師が私にとって一番ふさわしい職だと思いました。立派な看護師になれるよう日々努力します。ありがとうございました。

3年 女子

私は幼いころから、将来は医療に携わる職業に就きたいと思っていました。高校生になってからは、その思いがさらに強くなり、医療の現場で働く人を裏からサポートできる職業に就きたいと考えるようになりました。

私が臨床検査技師になりたいと思ったきっかけは、赤十字病院の職場体験です。私は他のところを体験させていただきましたが、臨床検査の説明を受けてとても興味が沸き、調べていくうちにこの職業に就きたいと思いました。

私は、地域の人たちの健康のサポートをできるような臨床検査技師になりたいと思っています。他人を影から支えられるようにがんばって学びたいと思います。

3年 女子

私が保健師になろうと思ったきっかけは、地元に、保健師が少ないと聞いて、「この地元のためになんとかしたい」と思ったからです。また、復興の手助けとして地域の皆さんの健康をサポートすることも魅力に感じました。地域の方々みんなと関わっていきたいからです。

将来は絶対地元に戻ってきて、復興に携わると共に、地域の方々の健康のサポート、そして心から健康になれるような温かい保健師になれるよう努力していきたいです。

3年 女子

3月11日に東日本大震災が発生し、私は家族と一緒に高台にある高校に避難しました。家が被災したため帰ることができなくなり避難所生活を送ることになりました。日が進むにつれて物資はたくさん届いてくるけれど避難者の体調はどんどん悪くなっていく一方でほんとうに誰かが亡くなってしまうのではないかというくらい悲惨な状況でした。しかし、医療チームの方や看護ボランティアの方々が避難所に訪れ、体調不良者やその他の方に一人一人声をかけ話を聞いたりしてコミュニケーションを取っていました。私はその時はなにか変わることがあるのだろうかと不思議な目で見ていました。しかし、医療チームや看護ボランティアの方々と接したことにより、すごく笑顔だったり体調不良を訴えていた人が、少しずつよくなってきているのを見て、医療の力は素晴らしいと改めて実感でき、私自身も医療を通してたくさんの方々を笑顔にできるようになりたいと思いました、このとが看護師を目指すきっかけになりました。

3年 女子

私の将来の夢は、看護師になることです。看護師になりたい理由は、震災の時に多くの看護師に出会い、たくさん話しをしたりして元気になれたので、今度は自分が元気のない人達を笑顔にしたいと思ったからです。看護師は、直接患者さんと触れあえるので元気にできるチャンスが多いです。だからこのチャンスをいかして皆に元気を与えられる看護師になりたいです。

そのために勉強を頑張りたいです。今できる勉強を全力で取り組んで、大学に入学できたら、なりたい看護師になれるように一生懸命に学びたいです。看護師になったら1人でも多くの人を元気にして、頼られるように努力をしたいです。そのため、勉強を一生懸命にやって、看護師になるという夢を叶えられるように頑張りたいです。

被災地間相互交流事業〜第7回復興グルメF−1大会開催


にぎわう会場の様子

復興支援事業の一環として、「被災地間相互交流」のコンセプトをもとに行っている「復興グルメF−1大会」。2013年1月にスタートし、第7回大会が岩手県陸前高田市の高田小学校グラウンドを会場に7月13日に開催されました。
本大会は、三陸沿岸部一帯の商店街が復興に向けて一丸となり、東北の現状及び情報を全国的に発信し、さらに情報や知恵を共有することで、新たな復興への協力体制を形成することを目的としています。各地域特色のある「復興グルメ」を考案し、来場者による投票で「復興グルメ」のナンバーワンを決定します。
これまでに、気仙沼市、大船渡市、石巻市鮎川浜、南三陸町、南相馬市、七ヶ浜町の被災地3県6市町で開催してきました。
第7回開催当日は、小雨がちらつく中ではあったものの3000人を超える方々が来場し、多くの方の笑顔であふれる大会となりました。これまでで最多となる13地域16グルメがエントリーし販売終了時間の14時まで、各ブースが助けあいながら完売を目指し、会場は熱気に包まれました。さらに、各地域のゆるキャラが会場を盛り上げ大人気の妖怪ウォッチのキャラクターも来場し、一緒にダンスを踊るなどグルメ以外の見所も満載でした。
初の試みとして写真展を同時開催。本大会のコンセプトのひとつである「被災地をつなぐ」をキーワードに、グルメ参加したチームの地元地域の被災時や現在の様子を写真展示しました。
優勝したのは気仙沼復興商店街 南町紫市場の「ごろごろイチゴのかき氷」次いで2位は高田大隅つどいの丘商店街「ウニがのってる高田のゆめまん」3位は石巻まちなか復興マルシェ「石巻ボンゴレ焼きそば」でした。
次回、第8回復興グルメF−1グルメ大会は11月2日に福島県相馬市の「市民のひろば」で開催します。

岡山からの東北復興支援ボランティアバス 第4弾運行

多くの方に東日本の被災地に気軽に足を運んでいただき、被災地の現状を知っていただくため、また岡山から東北への支援メッセージを届ける意味も含めて、2013年10月から復興グルメF−1大会の開催に合わせてボランティアバスを運行しています。参加者の方々は、大会の準備、運営を被災地の方とともに行い、被災地の見学や被災地の方々との交流会、研修なども行います。
第7回大会に合わせて運行したバスに参加したのは高校生から70代の方までの40人。前日の準備では、暑い中のテント設営、大会当日は各ブースでのお手伝いを行い、それぞれのチームの方々と共に大会を大いに盛り上げました。さらに大会終了間際に大雨に見舞われながらも片付けを手伝い、大会の成功にひと役買いました。


出店者、ボランティアスタッフで記念撮影

岡山経済同友会主催 学生ボランティアを受入れ


大槌での学習会 当時の話を聞く学生たち

岡山経済同友会主催の東北復興支援学生ボランティアバスの受け入れは、今年で4回目を迎えました。
AMDAが活動を行っている宮城県石巻市雄勝町から岩手県上閉伊郡大槌町まで、海岸の清掃活動や、草取りなどのボランティア活動や、被災地の方との交流を行いました。
40人の学生のうち、9割が初めての被災地訪問。直接被災地の方々とふれあい、たくさんの思いをもって帰路につきました。

第2回災害鍼灸チーム養成プログラム開催


災害時における鍼灸の重要性を映像と主に講義

9月6、7日の2日間に渡り、第2回災害鍼灸チーム育成プログラムを岩手県大槌町、宮城県石巻市雄勝町を会場に実施しました。これは今後起こりうる災害に備えて災害鍼灸チームの育成を目的としています。
第2回となった本プログラムは、募集定員を大きく上回り鍼灸師及び鍼灸師を目指す学生など15人が参加しました。大槌町では植田医師(大槌町)、佐々木鍼灸師(大槌町)、今井鍼灸師(AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人、明治国際医療大学教授)の講義を行いました。翌日は会場を雄勝町に移し、高橋医師(米国ウィスコンシン医科大学教授)、小倉医師(元雄勝診療所所長)、吉田鍼灸師(石巻市)による講義を行いました。緊急時、復興時を通じた医療状況や問題点、鍼灸治療の必要性、そのほか学術的な講義など、非常に貴重な2日間の講義となりました。
参加者からは、次の災害に備えるために準備をしていきたい等、災害鍼灸の可能性、重要性を実感した感想が多く寄せられました。