東日本大震災復興支援事業(2014/4発行ジャーナル4月春号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災復興支援事業(2014/4発行ジャーナル4月春号掲載)

東日本大震災復興支援事業

東日本大震災復興支援事業

震災から3年が経過しました。AMDAは東日本大震災の発生翌日から被災地での支援活動を開始し、約50日間の緊急医療支援活動の後、第1次復興支援3か年計画と銘打って、「医療・健康」「教育」「生活」を柱とした様々な支援活動を実施して参りました。4月からは第2次復興支援3か年計画として、とぎれることなく東日本大震災復興支援事業を継続して参ります。引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

 

AMDA大槌健康サポートセンター


ストレッチ教室の様子

AMDA大槌健康サポートセンターは、岩手県大槌町で鍼灸スペースと地域のコミュニティースペースを併設し、地域住民の心身の健康促進をコンセプトに運営を継続しています。現在、鍼灸スペースでは平均100人以上に施術しています。またコミュニティースペースでは手芸教室、健康体操教室、フライパンでつくる天然酵母パン教室などが人気となっています。特に、健康体操教室では、狭い仮設住宅でも活用できる「畳一帖スペースでできるストレッチ教室」を夕方の時間に開催しており、仕事帰りの方などが多く参加してくださっています。

2014年3月11日

AMDA大槌健康サポートセンター イエローハウス健美観 鍼灸師 佐々木賀奈子

震災後3年間ずっと御支援頂き、心から感謝いたします。午前中治療にいらっしゃった患者さんが、「3年前のこの時間は先生の治療院も、家も、私の家もあったよね。」と言いながら、寝台で涙ぐんでおられました。患者さんたちと、いろんなお話をしながら、口にしなくても、手を握りしめながら、抱き合いながら、涙しました。「3年経ったから、これでいい」とか、「ここまで」とかではなく、自分自身も「無理なく、新たな気持ちで覚悟をきめなくては」と痛感した一日でした。

今日、大槌は雪がちらついています。3年前も余震が怖くて、町中が火の海でした。外に居ると寒いから、普段なら「早く雪やまないかなぁ。」と思うはずなのに、「雪が降ってくれれば、少しは火の勢い止められるかもしれない、雪やまないで。」と願っていた事を思いだしました。

皆様いつも支えてくださいまして、ありがとうございます。

第5回復興グルメF−1大会開催 ボランティアバス運行


大盛況となった会場の様子

2014年1月19日、AMDAと鹿島商工会(福島県)、気仙沼復興商店街 南町紫市場と共同で、第5回となる「復興グルメ F-1大会」を福島県南相馬市鹿島区にある鹿島生涯学習センターを会場に開催しました。「復興グルメ F-1大会」は「被災地間相互交流」をコンセプトとして、三陸沿岸部一帯の商店街が復興に向けて一丸となり、東北の現状および情報を全国的に発信するとともに、情報や知恵を共有することで新たな復興への協力体制を形成することを目的としています。

第5回目となった本大会は、初めての福島大会となりました。震災後、福島県南相馬市周辺地域では初の食のイベントということもあり準備の段階では、どのくらいの方にお越しいただけるかと大会関係者は心配していましたが、風評被害という逆風の中 大会当日は、過去最多となる8000人以上が、会場を訪れ受付開始30分前から、列ができ、最後まで行列が途絶えることのない大盛況となりました。

本大会は、福島の商店街の人々だけでなくイベントを訪れた方々にとっても、福島・南相馬市が、更なる復興に向けた大きな一歩を踏み出す機会となり、改めて、大会関係者にとっても、本大会の意義を感じる事が出来ました。


ボランティアバス出発の前に地元のみなさんと

また、本大会に合わせ、岡山から「復興グルメF−1大会ボランティアバス」を運行しました。大会前日の準備から当日の運営、片付けまでを担うボランティアバスには、高校生から70代の方まで年齢層も幅広く、36名が参加しました。前回からのリピーターの方も多く、また今回が被災地を訪れるのは初めてという方も多くおられました。被災地の方とともにイベントを成功させ、復興に向けた喜びを共有することが大きな目的の一つで、活動終了後には「本当に参加して良かった。次回も参加したい。」「行列ができているのを見たときは、涙が出そうになるほど嬉しかった」「東北の人たちのことを身近に感じられるようになった」などの感想があげられました。今後もボランティアバスの運行を予定しています。

 

被災地間相互交流フォーラム 被災地のリーダーが岡山に集合


東北からのフォーラム参加者のみなさんと

復興グルメF−1大会に参加する岩手県、宮城県、福島県の被災地の団体のリーダーらが岡山に集合し、被災地の現状と復興を考えるフォーラムを開催しました。その中で「南海トラフ地震が来たら、今度は私たちが岡山に助けに来ます!」と心強いメッセージが発せられ、被災地間の絆と岡山と東北を結ぶ絆を確信するフォーラムとなりました。

 

第3回絆コンサート&フォーラム


コンサートの様子

2014年3月23日に、オルガホール(岡山市)を会場に第3回となる「絆コンサート&フォーラム」が開催されました。

絆コンサートとは、AMDA東日本大震災の復興支援として「同世代交流」をコンセプト行われている事業です。2012年3月に開催した第1回絆コンサートでは、岩手県立大槌高等学校(岩手県大槌町)の吹奏楽部が岡山と広島を訪れ、地元高校生たちとともにコンサートを行い、世代を超えて多くの人々の心に響きました。そして2年目となった2013年3月には、就実高等学校吹奏楽部(岡山県)とAMDA高校生会(岡山県)のメンバーが大槌町を訪れて第2回絆コンサートin大槌を開催することができました。そして震災から3年を迎えた2014年3月には「第3回絆コンサート&フォーラム」を開催することができました。

第1部では「学生の視点で考える震災と復興」として、被災地出身の学生2名が、被災を経験した学生の視点での「復興」を語り、「このことを風化させないでほしい」「自分には起こらないと思わないでほしい」とそれぞれの伝えたいメッセージを熱く語りました。

さらに、これまで支援活動に携わってきた学生の代表としてAMDA高校生会、AMDAボランティアバス参加の大学生がそれぞれの視点から「学生として今できる復興支援」について発表しました。


臺氏と就実高校の合同演奏の様子

第2部では岡山から、被災地を訪れ音楽演奏などで被災地支援を行った音楽家の黒住教奏楽寮 吉備楽、三船文彰氏、中谷和子氏によるステージが行われました。フィナーレには、就実中学校・高等学校の吹奏楽部と、被災地出身の臺隆裕氏の合同演奏が行われ、会場は感動の涙と笑顔と大きな拍手に包まれました。

学生の持つエネルギーや純粋な言葉で発せられる被災地への想いなどが、会に参加した大人の心を動かしました。また、これからの東日本の復興を担う世代の持つ絆の強さやエネルギーに、今後の明るい未来を想像させられるコンサート&フォーラムとなりました。


コンサートの開催にあたり、大槌高校吹奏楽部顧問の金丸先生からメッセージをいただきました。以下に紹介します。

絆コンサート開催に寄せて

岩手県立大槌高等学校 吹奏楽部顧問 金丸 元


第1回絆コンサートin岡山にて
(写真右 金丸教諭)

 絆コンサートの第3回が開催されますことを、大槌高校吹奏楽部の部員とともに心からお喜び申し上げます。そして、このような会を通じて、震災や復興のことを考えようとしてくださる方々がいらっしゃることに、深く感謝いたします。

これまでに2回の絆コンサートが開催されました。そして、コンサートが開催されるたびに、人は人との出会いの中に生き、そして生かされているということを改めて強く感じて参りました。震災があり、第1回の絆コンサートで皆さんと出会い、そして念願の再会を果たした大槌での第2回、そして本日の集い。これまでに、どれだけ多くの方々がこの出会いに影響を受け、人生に反映させてきたことでしょう。本校吹奏楽部の卒業生の中にも、震災後の人との出会いの中で感じるところがあり、それをきっかけに自分の生きる道を見出して進み始めたという者がおります。私は、このような出会いの中に関わることができたことに、大きな喜びを感じております。

第3回絆コンサート&フォーラムの盛会を心よりご祈念申し上げます。そして、今回の集いが、人々の心に届くものとなり、何かを動かすきっかけとなることを願ってやみません。ありがとうございました。

 

被災地医療支援 医療ボランティアスタッフ派遣


雄勝診療所にて 吉廣医師を囲んで

被災地医療機関支援として、AMDAでは宮城県南三陸町の公立志津川病院に対して、春季、夏季、冬季の地元医療スタッフが長期休暇を取る時期に、スタッフの方々の負担を軽減すべく、2011年から医療ボランティアを派遣しています。今回は、3年目の春季派遣として、3月16日から3月31日までの期間に、志津川病院からの要請により登米市立よねやま診療所に看護師2名を派遣しました。

さらにAMDA兵庫県支部の小倉医師が勤務する石巻市立雄勝診療所に対して、2名のボランティア医師を派遣しました。

【宮城県南三陸町 公立志津川病院  春季医療派遣者プロフィール】
山河 城春(やまかわ しろはる):看護師/埼玉県在住(3/16〜3/24)
新沼 正子(にいぬま まさこ):看護師/岡山県在住(3/23〜3/31)

【宮城県石巻市 石巻市立雄勝診療所 ボランティア医師派遣者プロフィール】
矢野 和美(やの かずみ):医師/福岡県在住(1/26〜2/1)
吉廣 優子(よしひろ ゆうこ):医師/埼玉県在住(2/23〜3/1)