アムダフードプログラム(2014/4発行ジャーナル4月春号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

アムダフードプログラム(2014/4発行ジャーナル4月春号掲載)

アムダフードプログラム

アムダフードプログラムとは


あひる農法を行うAMDA野土路農場

「食は命の源」をコンセプトとして行っている「アムダフードプログラム」は、2012年から岡山県真庭郡新庄村の野土路地区に農場を構え、スタートしました。これまでにAMDAが海外で実施してきた様々な医療支援活動を通じ、「安全、安心な食」が健康な体を作るだけでなく、「安全、安心な食」には付加価値が付き、貧困地域の生活向上、労働意欲の向上につながることに着目。本プログラムを通じてアジアへの有機農業の技術移転を目指しています。

 

2013年度 インドネシアからの研修生受け入れと帰国後の報告


田植えを行う研修生ら

2013年度は、インドネシアスラウェシ島マリノ村からの研修生2名を新庄村と合同で2013年4月から9月までの6か月間、受け入れました。

農薬を使わないアヒル農法で稲作を行っているAMDA野土路農場での研修を中心とし、そのほかにも新庄村内の有機農家や技術者の方々にご協力いただき、稲作以外にも野菜作り、花づくり、堆肥作り、炭作りなどのフィールドで有機農業の研修を実施しました。

研修を終えた2名は、帰国後マリノ村で、農薬を使わない有機農業の実践圃場を確保し、研修で学んだことを生かして野菜作りなどからスタートしました。作業の様子などはインターネットを介して報告を受け,AMDAと新庄村でサポートを行っています。


支援者の方たちと一緒に収穫を行う研修生ら

マリノ村の圃場に野菜の苗を植える様子

スラウェシ島マリノ村へ技術者の派遣


絵を使って有機農業の良さを指導

2月中旬に新庄村から有機農業指導者として坂本賢治氏と、AMDAスタッフが圃場を訪れ、研修生のフォローアップと村内での有機農業実践指導にあたりました。

マリノ村では1月に田植えが終わり、6か月で収穫を迎えます。その他にも野菜作りなどを行っています。今回指導者らの渡航が2月だったため、主に、有機農業の基本となる土づくりに必要な炭作り、堆肥作り、焼きすくもづくり、大豆の試験栽培などのワークショップのほか、有機農業についての座学を中心に行いました。さらに、研修生たちが実践している圃場についてのアドバイスや、現状の視察およびヒヤリングなどを行っいました。

ワークショップではこれまでに直接的な農業の指導を受けた経験のある住民がほとんどいなかったため、悪天候にもかかわらず多くの方が詰めかけ、研修生2名を含む、平均25名の農家の方が参加しました。いずれも積極的な質問が飛び交う、にぎやかなワークショップとなりました。

文字が読めない参加者も多かったため、イラストを使った説明資料なども準備し、座学を行っいました。

ワークショップに参加した住民からは、「これまで農業研修を受ける機会はほとんどなく、あったとしても口頭で少し説明を受ける程度で理解が難しかった。今回の研修は実際にどうやって炭や堆肥を作るのか、作った炭・堆肥をどう使うのか実践しながらの説明だったので分かりやすかった。一度の説明では理解が難しかったが、先生が根気強く何度も言葉を変えながら説明を繰り返してくれたので、理解度も高まった。ほんとうにうれしい。今回研修したことを、早速取り入れていきたい。」と話してくださいました。

さらに期間中には、スラウェシ島内のゴア県で近年実施されている「准・有機農業」のフィールドや堆肥工場を視察し、有機農業を行いながらも収穫量を増やすための、より良い方法について関係者で協議を行いました。


雨の中「焼きすくもづくり」の実践

ゴア県のフィールドを視察する坂本氏

今後もAMDAはマリノ村圃場のサポートを行っていきます。

また2014年度はフィリピンからの研修生の招へいを計画しています。