2012年度年次報告 人材育成事業(2013/10発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2012年度年次報告 人材育成事業(2013/10発行)

2012年度年次報告 人材育成事業

第2回「おかやま国際塾」インドネシア研修


小学校で手洗いの講習を行う塾生ら

◇実施場所 (国内研修)岡山市(海外研修)インドネシア スラウェシ島、バリ島
◇実施期間 (開講式)2012年5月27日(国内研修)5月27日〜8月24日(海外研修)8月25日〜31日
◇派遣者
参加者:岡山県内大学生3名(岡山大学法学部1名、岡山大学薬学部1名、川崎医療福祉大学医療福祉学部1名)
引率者:AMDA河内調整員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMSAインドネシア

◇事業内容

「おかやま国際塾」とは、おかやま国際塾実行委員会が行う事業で、その委員会はAMDAと岡山大学教員と共同で運営されている。

AMDAと岡山大学は2005年8月に国際社会貢献活動及び人材育成の推進を目的とし、連帯協力に関する協定書を締結している。同協定がきっかけとなり、2011年からおかやま国際塾がスタートし、2012年には、第2回が実施された。

5月27日に開催した開講式から、出発までの約3か月間、国内研修として岡山県内の大学に通う3名の塾生らは現地の情報、スケジュールやホームステイの調整、活動内容企画立案、インドネシアで行う英語のプレゼンテーションなどの準備を、インターネットなどを活用しながらインドネシアの現地大学生と共に行った。

入念な準備ののち、8月25日から9月1日の日程で、インドネシアでの海外研修を行った。8月25日に関西国際空港からインドネシア、スラウェシ島ハサヌディンに向けて出発した塾生は、翌日から、現地大学生と共に宗教施設訪問、歴史的建造物の見学、東日本についてのプレゼンテーション、児童施設での衛生教育、ハンセン病施設見学、孤児院訪問、文化交流などの活動を行った。

◇参加学生の声
準備段階で思うように現地とのやり取りが進まず、苦労もあったが、現地で研修したことでそれぞれの国の良い所、悪い所を知ることができた。活動で得たものを他の人たちに発信していくと共に、お世話になった人たちに、そうでなくても、他の誰かに恩返しをしていきたい。
どんな状況でも対応できる準備をしていくことの大切さを学んだ。

◇協力機関
岡山大学法学部
AMDAインドネシア支部
ハサヌディン大学
AMSAインドネシア

ネパール人 看護師 日本国内研修


病院でトレーニングを受ける様子

◇実施場所 岡山県立大学、岡山旭東病院、金子助産院、高知大学医学部、総社市役所
◇実施期間 2012年11月26日〜12月5日
◇研修生 マナ・タパ 看護師、サクンタラ・グラガイン 看護師

◇事業内容

2012年11月26日から12月5日の日程で、AMDAシッダールタ母と子の病院及び健康科学学院で働くネパール人看護師2名が岡山県立大学での研修を受けるため来岡した。

研修は岡山県立大学、高知大学医学部、その他県内外の医療施設で行われた。日本の病棟管理と看護技術を見学し、今後ネパールでの看護知識・技術の向上に役立てることが最大の目的である。研修後、ネパール看護師2名は、日本滞在中に得た知識と技術を基にネパールの看護環境の改善に努めて行きたいと抱負を述べた。

◇研修生の声
日本での10日間の研修を終えて、ネパールに戻り、すぐにスタッフミーティングを行いました。日本の病院は清潔で、感銘を受けました。また、日本の病院スタッフは患者をお客様として丁寧に接しており、この点もネパールとは違い、見習うべきだと思いました。
これまでネパールの私が勤務する病院内は土足で歩いていましたが、今後は日本の病院を見習い、院内の清潔さを保つために、上履きを導入し、また、患者が安らげる環境を提供できるよう、院内外に花壇を設置することを検討しています。(マナ・タパ看護師)

◇協力機関
岡山県立大学、岡山旭東病院、金子助産院、高知大学医学部、総社市役所、高杉こどもクリニック

ブータン人 救急救命士 日本国内研修


救急処置の訓練の様子

◇実施場所 岡山市
◇実施期間 2013年1月23日〜2月3日
◇研修生 サルバジット・チェットリ 救急救命士

◇事業内容

ブータン王国保健省より、日本での救急車内搭載の救命救急装置等の活用技術向上のトレーニング要請があり、その研修生として救命救急士のサルバジット・チェットリ氏が2013年1月23日から2月3日の間、来岡した。2010年に岡山市消防局から ブータン 王国に寄贈された高性能救急車の仲介をAMDAが行い、その救急車が現在、チェットリ氏が救命救急士として勤務する ブータン保健省医療ヘルプセンターで使われていることから、岡山市での研修が決定した。

チェットリ氏は、第21回全国救急隊員シンポジウムに参加し、日本とブータンの救命救急事情を比較することができた。さらに、1月28日からの研修は岡山市消防局救急課主導のもと、主に岡山市北消防署、岡山大学高度救命センターなどの岡山市内関係機関で行われた。消防署の研修では、救急車に搭載されている装置の使用法のほか、心肺蘇生法、気道確保、挿管法、三角巾を使用した応急手当の仕方などを学び、救急車同乗研修にも参加した。

岡山市消防局消防指令センター及び岡山市内関係機関見学では、それぞれの機関の担当者が各施設及び施設の果たす機能についての指導があり、救急対応の一連の流れを理解することができた。

チェットリ氏は、「岡山滞在中にたくさん学び、得た知識を ブータンの救急隊員に伝え、それがより多くのブータン人の命を救うことにつながることを願っている」と話した。

◇協力機関
岡山市、岡山市消防局
岡山大学高度救命センター
岡山市立市民病院