ミャンマー国内における緊急支援活動
メティラ郡暴動被災者に対する緊急支援活動
仮説トイレを整備する様子(メティラ市) |
3月20日にミャンマー中部にあるメティラ郡(メィティラ・Meiktila)メティラ市内貴金属店での異教徒間の争いが暴動に発展し、周辺地域にも拡大しました。この暴動による被害状況は、死亡者数44名、負傷者数61名、被害家屋1,594棟、被災者12,000名と報告されています(4月9日付ミャンマー政府発表)。
そこでAMDAでは緊急支援活動として、被災地の医療機関への医薬品提供を実施。また避難所生活において必要不可欠なトイレ不足の問題が発生したため、健康面、衛生面を加味し、追加支援として、避難所での仮設トイレ30基の設置を行いました。これまでは、トイレの前には常に数十人が列をなしており、野外に排泄する人が出るなど、不衛生な状況が発生していましたが、新たに必要数を設置したことで、感染症予防や衛生環境の改善につなげることができました。また、6月からの学校開始に伴い、学校施設を利用していた避難所は閉鎖されることとなりました。これに代わって、新たに避難所となる僧院に被災者用の居住シェルターの建設を計3か所で、実施しました。
■AMDAグループからの支援参加スタッフ
江橋裕人:AMDAミャンマーヤンゴン事務所/事業統括
鈴木 梓:AMDAミャンマーヤンゴン事務所/業務調整員
シャン州ラショー市暴動被災者に対する緊急支援活動
5月28日、ミャンマー北東部シャン州(Shan)ラショー(Lashio)市で異教徒間の争いが暴動に発展し、当日夕方には夜間外出禁止令が発令されました。翌日にも暴徒による市街地域の破壊活動が続き、30日には近隣住民が避難を開始しました。
この状況を受け、AMDAでは6月2日、ラショ―市内の僧院と競技場に避難している275世帯1,407人の避難民を対象に、医薬品および衛生キットの寄贈を行いました。AMDAの活動に対し、イラク品を寄贈したラショー市保健局からは、「これにより診療が効果的に行える」と感謝の言葉を頂きました。
なお、現地報道によると28日から約1週間の間に、イスラム教礼拝所(モスク)をはじめとするイスラム教施設や孤児院、商店、家屋などが焼失・破壊され、1人が死亡、5人が負傷し、2箇所の避難所に1,635人の住民が避難しています。現在は学校が再開されるなど、日常を取り戻しつつあるものの、住民はいまだに不安を抱えながら生活しており,AMDAでは今後の状況を注視していく予定です。
■AMDAグループからの支援参加スタッフ
青木 純:AMDAミャンマー ラショー事務所/業務調整員