医療和平事業(Peace Building Project in Sri Lanka)パート?(2012/12発行ダイジェストNo.39掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

医療和平事業(Peace Building Project in Sri Lanka)パート?(2012/12発行ダイジェストNo.39掲載)

医療和平事業(Peace Building Project in Sri Lanka)パート?

スリランカ医療和平事業

中学生を対象としたスポーツ、民族、宗教、文化の交流

2012年10月5日から7日の日程で、AMDAは世界宗教者平和合議(WCRP)スリランカ委員会と共同でAMDAスリランカ支部と協力し、医療和平事業パート?として、スポーツ、宗教、文化の交流プログラムをそれぞれスリランカ北内陸部に位置する歴史的都市アヌラダプーラにて実施しました。

医療和平事業とは、相反する両グループに同じように医療を提供することで、和平構築に資することを目的とした事業。スリランカの内戦停戦中の2003年から3年間、異なる3つの民族(シンハラ、タミル、イスラムタミル)に対して「スリランカ医療和平事業」として、AMDAでは医療や保健教育などを行いました。また「スリランカ医療和平事業パート?」として2011年からこれまでで、4回の無料白内障手術を異なる民族、異なるエリアで実施しました。さらに次世代の平和を担う学生を対象とした和平事業として、スポーツや宗教の交流を通じて相互理解、和平教育を実現したいという思いから2011年8月に第1回目となるスポーツ交流・文化交流・宗教交流を実現し、長期にわたって内戦が続いたスリランカでの和平構築事業の第二段階として、大きな一歩を踏み出しました。

本年度は、昨年同様にスポーツ、文化、宗教の3つの交流を柱とし、WCRPスリランカ委員会の代表も参加して開催されました。参加したのは、アヌラダプーラ県、北ムラティブ県、トリンコマリー県から仏教徒、ヒンドゥー教徒、イスラム教徒、キリスト教徒の中学生、教師、職員合わせて120人。

開会式では、スリランカ言語・社会統合省、スリランカ教育スポーツ省、アヌラダプーラ県、世界宗教者平和会議スリランカ委員会、AMDA、参加した教師、生徒それぞれの代表が共にランプに火を灯し、仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教の代表が平和と融合を願い、祈りました。

サッカー(男子)とネットボール(女子)の試合では、3つの混合チームを作り試合を行いました。この混合チームでの試合は、人種、宗教の違いを超えた中学生たちの会話を促すとても良い機会になり、生徒だけでなく、審判である教師たちも混合チームの試合を楽しみ、打ち解けることができました。

宗教・文化交流プログラムでは、中学生と教師がそれぞれの宗教施設を訪れ、お互いの信仰、習慣について学びました。また夕方からは見事なダンス、音楽、演劇などの文化的出し物をそれぞれが発表しました。

参加した学生と教師たちからは、「来年もこのプログラムに参加し、再会したい」「来年もぜひ開催してほしい!」と本プログラムに対して高い評価の声と感謝の声があがりました。次世代を担う学生たちが、お互いの理解を深め、感謝し、尊敬し、そして違いを認め合うことができたことは、まさに、平和構築への第一歩であると言えるでしょう。